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会員企業等の取組み

2021年12月
東京ガス(株)
東京ガスと野村総合研究所、首都圏のCO2フリー水素の需要ポテンシャルおよび最適供給システム調査を開始(2021/12/23)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下、「東京ガス」)と株式会社野村総合研究所(社長:此本臣吾、以下、「野村総合研究所」)は、カーボンニュートラル社会の実現においてカギとなる水素の本格的な利活用に向け、「首都圏の湾岸および内陸エリアにおけるCO2フリー水素の需要ポテンシャルおよび最適供給システム調査(以下、「本調査」)」を共同で実施します。なお、本調査は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が実施する「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査*1」の委託先として採択されたものです。
本調査では、東京ガスのエネルギー供給事業に関する知見と野村総合研究所の将来技術や調査分析手法に関する知見を活かし、首都圏における効果的、効率的な水素導入スキームを構築することで、水素の社会実装の早期実現に貢献します。
本調査の概要
採択テーマ 首都圏の湾岸および内陸エリアにおけるCO2フリー水素の需要ポテンシャルおよび最適供給システム調査
事業の目的 首都圏の湾岸および内陸エリアにおける水素の社会実装に向けた課題や最適な水素供給インフラモデルを検討し、水素の社会実装の早期実現に貢献する
調査内容 ・発電需要および熱需要の集中する首都圏の湾岸および内陸エリアそれぞれにおいて、将来の水素需要量やその地理的分布を把握
・水素需要に置き換わる過程での課題やハードルを抽出し、その課題解決のために必要な要素を明確にして講じるべき
・エリアの特性や業種・用途(発電、ボイラー熱利用、水素還元、輸送用燃料、など)に応じて、複数ケースの輸送や貯蔵手法などを考慮し、最適な水素キャリアと輸送方式を検討
調査期間 2021年度~2022年度

東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、「Compass Action」で示した道筋に沿って水素の社会実装を効率的に促進していくことを図り、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に貢献することを目指します。
野村総合研究所は、中期経営計画で「価値共創を通じた社会課題の解決」を謳い、「新たな価値創造を通じた活力ある未来社会の共創」「社会資源の有効活用を通じた最適社会の共創」「社会インフラの高度化を通じた安全安心社会の共創」に取り組んでいます。水素の社会実装においても、様々な企業と連携しながら、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に貢献することを目指します。
*1 NEDOによる公募事業
https://www.nedo.go.jp/koubo/SE3_100001_00009.html
JFEスチール(株)
労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格ISO45001の認証を取得(2021/12/22)
[西日本製鉄所(福山地区)]
当社はこのたび、西日本製鉄所(福山地区)において、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格ISO45001(JIS Q 45001)(*1)の認証を取得しました。当社での本認証の取得は2事業所目となります。
当社は、「安全はすべてに優先する」の基本理念のもと、製鉄所・製造所で働く全ての人々が一体となって、安全で健康的な職場づくりに取り組んでいます。労働安全衛生管理を組織全体でさらに自立的かつ体系的に推進するため、国際規格ISO45001に準拠した労働安全衛生マネジメントシステムを構築しました。
今後とも、全ての事業所で本認証の取得を順次進めるとともに、労働安全衛生マネジメントシステムを継続的かつ効果的に運用していくことで、より安全で健康的な職場づくりに努めてまいります。
*1 ISO45001(JIS Q 45001)
国際的な標準規格を発行する国際標準化機構(ISO)によって、2018年3月に発行された労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格。事業者(経営トップ)による安全衛生方針の表明、危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置、安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成・実施・評価および改善などを、体系的かつ継続的に実施する一連の自主的活動に関する仕組み。
【認証内容】
登録組織 : JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(福山地区)
認証機関 : 日本検査キューエイ株式会社
適用規格 : ISO45001:2018/JIS Q 45001:2018
登録範囲 : 鉄鋼製造に係わる事業活動
登録番号 : H103
初回登録日 : 2021年12月16日
【登録証】

東京電力エナジーパートナー(株)
<国内外展開>
国内初オフィスビルより排出される有機性廃棄物をオンサイトでエネルギー化する実証実験を実施(2021/12/20)
~循環型社会形成に向けて~
東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:野村均、以下「東京建物」)、明治安田生命保険相互会社(本社:東京都千代田区、取締役 代表執行役社長:永島英器、以下「明治安田生命」)、日本プライムリアルティ投資法人(本社:東京都中央区、執行役員:城﨑好浩、以下「JPR」)、損害保険ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:西澤敬二、以下「損保ジャパン」)、東京電力エナジーパートナー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:秋本展秀、以下「東電EP」)とサステイナブルエネルギー開発株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長CEO:光山昌浩、以下「サステイナブルエネルギー開発」)は、循環型社会*1の形成に向け、オフィスビルより排出、焼却処理されている有機性廃棄物を燃料化する実証実験を実施しましたので、お知らせします。なお、本実証実験は新宿センタービル(新宿区西新宿、54階建)にて行っております。
*1 廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用・処分により、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会
■背景と目的
現在、気候変動と併せて、資源・エネルギー・食料需要の増大、廃棄物量の増加等の環境問題の深刻化が世界的な課題となっています。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型といった一方通行の線形経済(リニアエコノミー)から、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行の必要性が注目され、社会的な潮流となりつつあります。
今般の実証実験に参画する各社では、循環型経済への移行が事業活動の持続可能性を高め中長期的な競争力の源泉となりうると考え、廃棄物の総量削減、リサイクル率の向上、資源循環等さまざまな視点から、循環型経済の移行について種々検討してまいりました。
オフィスビルにおいても、廃棄物の総量削減に向けて、適切な分別とリサイクル率の向上に取り組んでおりますが、これらの廃棄物のうち、リサイクルされずに焼却処理されている一部の紙ごみや厨芥ごみ等の有機性廃棄物について、低廉な費用でエネルギー化することにより、ビル内で電気エネルギーとして利用する自立分散型のエネルギーシステムを構築し、循環型経済への移行に貢献することを目指します。

線形経済(リニアエコノミー)循環型経済(サーキュラーエコノミー)のイメージ図

■実証実験の概要
今回行う実証実験は、新宿センタービルに入居している損保ジャパン他一部のテナント企業の協力のもと、有機性廃棄物から固形燃料「バイオ石炭」*2を生成するものです。
燃料を生成する過程においては、損保ジャパンが業務連携しているサステイナブルエネルギー開発が開発したISOPシステムを用いて亜臨界水処理*3を行います。
ISOPシステムを設置した場合に期待される生成エネルギー収支(電力だけを考慮)は、亜臨界水処理装置を稼働する際に消費される電力量に対して、およそ2.5倍*4を生成できる見込です。
なお、実施する亜臨界水処理に用いる電気は、東電EPが供給する実質的に再生可能エネルギーとみなされる電気※5を使用し、脱炭素に向けた環境にも配慮した取り組みとなります。
*2 「バイオ石炭」とは、有機性廃棄物から生成される固形燃料のうち、石炭火力発電所などにおいて石炭の完全代替燃料として用いられることを前提にしたものをいいます。エネルギー密度や残留塩素濃度などの点で既存の石炭火力発電所での利用に問題がないスペックを満たすことが求められます。
*3 亜臨界水処理とは、臨界点以下の高温高圧の水が持つ強い加水分解力を活かして、プラスチックを含む有機物を低分子化すると同時に、病原性を持った有機物も滅菌して無害化することが可能な技術です。
https://sustainable-energy.co.jp/technology/
*4 投入ごみの嵩密度を0.55kg/l、含水率を48%、生成燃料の低位発熱量を26MJ/kg、発電装置の発電効率を30%と想定した場合。
*5 東電EPが通常販売する電気(火力、FIT電気、再生可能エネルギー、卸電力取引所、水力等で構成)に非化石証書(再生可能エネルギー指定)を使用する電力メニュー。

実証実験イメージ図

■今後の計画
新宿センタービル内で生成された亜臨界水処理物、および亜臨界水処理物から生成したバイオ石炭それぞれが持つ物性について、東電EPおよびサステイナブルエネルギー開発が連携して分析を行い、燃料の再利用方法を検討します。具体的には、コージェネレーションシステムの設置などオンサイトの活用サイクルの検討を行います。
東京建物、明治安田生命およびJPRは、その検討結果をもとに、今後、新宿センタービルや他の保有ビルにおいて有機性廃棄物から生成したバイオ石炭(またはメタン発酵原料としてバイオ石炭に変換する前段階の亜臨界水処理物)を、コージェネレーションシステム等の燃料として利用しエネルギーを生成、電気や蒸気に変換したうえでビルに供給するモデルの展開を検討する計画です。
また、東電EPにおいては、本実証実験で生成されたバイオ石炭について、火力発電所における代替燃料としての活用の可能性を検討し、オフサイトでも活用できる循環型経済の移行に向けた検討を進めます。

実証実験イメージ図

■ISOPシステムの概要
ISOPシステムは、有機性廃棄物から固形の燃料を生成する一連のシステムであり亜臨界水処理技術をそのコア技術としているものです。亜臨界水処理によって、多種多様な有機性廃棄物は一定性状の低分子化合物に変換されます。この低分子化合物(亜臨界水処理物)は、石炭と同等の性質をもつ固形燃料の生成原料やメタン発酵の投入原料として利用することを想定しています。
今般の実証実験で用いる亜臨界水処理装置は、想定している実装サイズのおよそ10分の1スケールのもので、高圧ボイラの付属を必要とせず電気だけで稼働するタイプのものであり、新宿センタービル内廃棄物処理室(地下4階)の一部に設置し、燃料製造過程における「振動」「騒音」「臭気」等のビル内への影響を検証し、将来の本格的な実装を見据えた課題を抽出します。また、生成された亜臨界水処理物の一部を、サステイナブルエネルギー開発の山形支店に設置しているペレット製造装置においてバイオ石炭に変換し、それらの物性(エネルギー密度、残留塩素等の含有率など、オンサイト型発電装置や大型火力発電所などで利用する際に検討が必要な項目)を分析します。さらには、ビル内部にも設置できる超小型メタン発酵槽の可能性を探るべく、バイオ石炭に変換する前の亜臨界水処理物のメタン発酵試験にも取り組みます。
■新宿センタービルの概要
所在地 東京都新宿区西新宿1-25-1
竣工 1979年10月
敷地・延床面積 14,920.83m2・183,063.79m2
規模 地下4階 地上54階 搭屋3階
用途 事務所、店舗
所有者 東京建物、明治安田生命、日本プライムリアルティ投資法人
入居テナント 損保ジャパン他
電力供給 東電EP


新宿センタービル外観
■東京建物の取り組み
東京建物グループは、2030年頃をターゲットにした長期ビジョンとして「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立する「次世代デベロッパーへ」の進化を掲げ、積極的にサステナビリティ施策に取り組み、ESG経営の高度化を推進しています。また、グループ環境方針「緑あふれる潤いのある街・暮らしの創造」「地域をリードする温暖化防止」「地域に優しい省資源活動」「環境意識の高い社員づくり」のもと、今後も持続可能な社会づくりに向け、環境に配慮した事業活動を進めてまいります
■明治安田生命の取り組み
明治安田生命は、「確かな安心を、いつまでも」という経営理念のもと、人々が安心して暮らせる地球環境を永続的に保全することが人類共通の重要課題であると認識し、環境保全への取組姿勢を定めた「環境方針」に基づき、事業活動のあらゆる面において地球環境との調和に努めています。また「環境保全・気候変動への対応」が世界的に喫緊の課題となるなか、「生命保険事業者」「機関投資家」の双方の立場から当該課題の解決に取組みを強化しており、これらの取組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
■JPRの取り組み
JPRは、ステークホルダーからの社会的要請と事業領域のふたつの側面から5つマテリアリティ(重要課題)を特定しており、「気候変動への対応」をそのひとつとして掲げています。環境問題の重要性を認識し、省エネルギー・温室効果ガスの削減、水資源の有効活用や廃棄物の3R(リユース・リデュース・リサイクル)化、環境に関する情報の積極的な開示に取り組み、環境負荷の低減を目指してまいります。
■損保ジャパンの取り組み
損保ジャパンはサステイナブルエネルギー開発とエネルギー分野の社会課題解決に資する技術・サービスを提供するために業務連携し、グループ持株会社であるSOMPOホールディングス株式会社(本社:東京都新宿、グループCEO取締役代表執行役社長:櫻田謙悟)はサステイナブルエネルギー開発に出資しています。業務連携以降、企業や自治体にサステイナブルエネルギー開発を紹介するなどのほか、生成物であるバイオ石炭の買取りと第三者への販売等の新事業を広く検討しています。損保ジャパンは自然災害や気候変更リスクの脅威に備え、地球規模の課題である温暖化対策に取り組むお客さまと共創することにより、脱炭素、資源循環型社会の実現に貢献してまいります。
■東電EPの取り組み
 東電EPは、「脱炭素・再エネ推進」の頼れるパートナーとして、お客さまの暮らしと企業の成長を強く支えるとともに、引き続きお客さまのニーズにお応えしながら、「脱炭素・再エネ推進」等の時代の潮流に即したサービスをカタチにして提供し続けてまいります。
*1 第四次総合特別事業計画におけるカーボンニュートラルへの取組み(東京電力ホールディングス)
https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/pdf3/210721j0303.pdf
■サステイナブルエネルギー開発について
(1) 会社名 サステイナブルエネルギー開発株式会社
(2) 主な事業内容
クリーンエネルギー供給システムの設計・製作・販売
有機系廃棄物活用事業
畜産飼料およびバイオマス燃料作物の生産事業
高付加価値農産物の生産事業
非常用光源等の販売
地域資源循環構築のためのコンサルティング など
(3) 設立年月日 2014年6月
(4) 本社所在地 宮城県仙台市青葉区中央 3-10-11
(5) 代表者 代表取締役社長CEO 光山昌浩
(6) 資本金 1億312万5000円(2021年12月1日時点)
富士電機(株)
CDP「気候変動Aリスト」に3年連続で選定(2021/12/14)
富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、2021年度の気候変動に対する取り組みとその情報開示に優れた企業として、CDP※から最高評価の「Aリスト企業」に3年連続で選定されましたので、お知らせいたします。

当社は、「豊かさへの貢献」「創造への挑戦」「自然との調和」を経営理念に掲げ、エネルギー・環境事業で、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献していくことを経営方針に定めています。地球環境保護への取り組みを経営の重要課題と位置付け、「環境ビジョン2050」では、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」に向けて、サプライチェーン全体での取り組みを進めています。
気候変動に対しては、地熱発電や水力発電などクリーンエネルギー関連設備や、パワー半導体やインバータなど省エネ機器を提供することで社会のCO2削減に取り組んでいます。また、自社工場に当社製エネルギーマネジメントシステムやインバータ、高効率空調など省エネ機器を導入するとともに、CO2以外の温室効果ガスについては、地球温暖化係数の高いガスの削減・代替を促進するなど、生産活動での温室効果ガス排出削減を推し進めています。
*1 CDPについて
環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や主要購買組織の要請に基づき、企業や自治体に、気候変動対策、水資源保護、森林保全などの環境問題対策に関して情報開示を求め、また、それを通じてその対策を促すことを主たる活動としている国際非営利組織。
味の素(株)
味の素(株)、CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に2年連続で選定(2021/12/13)
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、国際的な環境非営利団体であるCDP*1より、2021年度の「気候変動Aリスト」に選定されました。これは、当社の気候変動に関する開示の包括性や先駆的な取り組みなどが評価されたもので、当社のAリストへの選定は昨年に続き2年連続となります。

CDPは、環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や主要購買組織の要請に基づき、企業や自治体に対して、気候変動、水資源保護、森林保全等の環境問題への取り組みの促進と情報開示を求める活動を行う非営利団体です。同団体は、世界の主要企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価しており、気候変動に関する取り組みと情報開示において最も優れた企業を「気候変動Aリスト」として毎年選定しています。2021年度は約12,000社の評価が行われ、200社(うち日本企業55社)がAリストに選定されました*2
世界的に喫緊の課題となっている気候変動は、味の素グループの事業にも原材料の調達等に多大な影響を及ぼしかねません。当社グループは、気候変動を全社経営レベルのリスクかつ機会と捉え、地球・環境との共生に向けた目標として、2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度比で50%削減することを掲げています。取り組みの一環として、TCFD*3(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、気候変動のシナリオ分析を進めている他、国際的な環境イニシアティブ「RE100」へ参画し、バイオマスや太陽光等の再生可能エネルギーの利用を積極的に実施しており、今後も内部カーボンプライシングの導入等、脱炭素経営に向けたアクションを着実に進めていきます。
なお下記ウェブサイトにて、気候変動への適応とその緩和に関する味の素グループの考え方や取り組みをご紹介しています。

■気候変動への適応とその緩和
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/materiality/climate_change.html

*1 CDPウェブサイト
https://www.cdp.net/ja
*2 「気候変動Aリスト」企業の一覧
https://www.cdp.net/en/companies/companies-scores
*3 Task Force on Climate-related Financial Disclosures
綜合警備保障(株)
8者のコンソーシアムで、ローカル 5Gを活用した「安全・安心」なイベント開催の実証実験を実施(2021/12/13)
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)、株式会社JTOWER(以下「JTOWER」)、NECネッツエスアイ株式会社(以下「NECネッツエスアイ」)、綜合警備保障株式会社(以下「ALSOK」)、ヤマハ株式会社(以下「ヤマハ」、株式会社横浜国際平和会議場(以下「パシフィコ横浜」、横浜市、一般社団法人横浜みなとみらい21(以下「YMM21」)の8者は、ウィズコロナ時代の安全・安心なイベント開催に向け、ローカル5Gを活用した実証実験を本年12月に実施します。
総務省は、2019年12月に「ローカル 5G」(地域のニーズや多様な産業分野の個別ニーズに応じて、様々な主体が柔軟に構築し利用可能な第5世代移動通信システム)制度を整備し、普及に向けた取り組みを推進しています。他方、「イノベーション都市・横浜」を推進する横浜市では、企業や大学、スタートアップなどのオープンイノベーションにより、社会課題の解決を目指しています。その中、横浜みなとみらい21地区では、5Gの早期通信環境やユースケース創出に向けた取り組みを進めており、5Gの普及を通じて先端的な新産業の創出や街の活性化につなげていくことを目指しています。
NRI、JTOWER、NECネッツエスアイ、ALSOK、ヤマハ、パシフィコ横浜、横浜市、YMM21の8者は、NRIを代表機関とする「横浜みなとみらい21地区ローカル 5G実証コンソーシアム」を形成し、総務省「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において、「大型複合国際会議施設におけるポストコロナを見据えた遠隔監視等による安心・安全なイベントの開催」の実証事業企画を提案し、2021年8月31日に採択されました 1。この度、2021年12月18日、19日にパシフィコ横浜で開催されるイベント「お城EXPO20212」にあわせて、実証実験(以下「本実証」)を実施することになりましたので、その概要をお知らせします。
■1.実証実験の背景
ポストコロナ時代の大型複合施設での安全・安心なイベント開催においては、警備品質の向上と効率化、感染予防対策の実施、イベントのハイブリッド化3が必要といった課題が存在します。そこで、ローカル5Gを活用し、安全・安心なハイブリッド型イベントに向け、遠隔ロボット監視システム、混雑検知システム、これらを連携させたロボットによる混雑アナウンスシステム、及び遠隔同期演奏システムの実証を実施します。本実証を通じ、ローカル5Gを活用して、ポストコロナ時代における、来訪者・施設管理者・主催者・出展者にとって安全・安心なイベント開催を実現するための方策や課題を明らかにすることを目指します。
■2.実証実験の概要
(1)実証期間 、実証場所
2021年12月の数日間にわたって、パシフィコ横浜ノース(住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-2)の1階多目的ホール・2階ガーデンラウンジにおいて、課題実証及び技術実証を実施します。このうち、12月18日(土)、19日(日)に1階多目的ホールで行う実証実験については、同日にお城EXPO実行委員会(公益財団法人日本城郭協会、城びと〈株式会社東北新社〉、株式会社ムラヤマ、パシフィコ横浜)が主催する「お城EXPO2021」の会場内で実施します。
(2)課題実証
本実証で構築するローカル5Gネットワーク環境において、以下の各システムについて、その効果や機能、運用に係る検証を実施します。また、以下のシステムを同時に複数稼働させた際の挙動性についても検証を行うことで、ローカル5Gネットワーク環境におけるマルチアプリケーションの実現性についても評価します。
・遠隔ロボット監視システム(主担当 ALSOK)
多くの人で混雑した環境下においては、通信輻輳が想定されるために、ロボットの遠隔操縦を行ったり 、監視員(*1)・現場警備員間の指示伝達を行ったりする際に、通信安定性の面で課題があります。そこで、本実証を通じて、ロボットの遠隔操縦、遠隔監視により、警備品質の向上と効率化の実現を目指します。
実証においては、ロボット前面のカメラ映像(*2)の伝送、監視員によるロボットの遠隔操縦、監視員と現場警備員間の指示伝達において、ローカル5G回線を活用しその有用性を検証します。
*1 撮影映像については、本実証の実施にあたってのみ活用し、個人を特定する情報(氏名、顔画像等)は取得および保存しません。
*2 ここでいう監視員及び現場警備員は、本実証のために配置する者であり、お城EXPO2021の 警備員とは異なります。
・混雑検知システム(主担当 NRI)
コロナ禍においては、会場内の滞在人数の管理が求められますが、人手等によって計測・把握すると工数が増大することから、運用の効率性の面で課題があります。そこで、本実証を通じて、会場内を上部から俯瞰撮影した4K映像を、クラウドサーバ上の画像解析AIで常時分析することにより、来場者の分散促進や来場人数管理の効率化の実現を目指します。
実証においては、複数のローカル5Gスマートフォンで撮影した4K映像の伝送、来訪者向けに混雑状況を提示するサイネージへの映像伝送において、ローカル5G回線を活用し、その有用性を検証します。
* 撮影映像については、本実証の実施にあたってのみ活用し、個人を特定する情報(氏名、顔画像等)は取得および保存しません。
・遠隔同期演奏システム(主担当:ヤマハ)
コロナ禍を機に増加したオンラインでのイベントでは、ライブならではの「臨場感」や「一体感」が醸成しづらいという点で課題があります。そこで、本実証を通じて、異なる複数の場所 にいるアーティスト同士での、同期を取りながらの演奏を無線環境で可能とすることにより、コロナ禍での感染対策や新たなスタイルでのイベントの実現を目指します。
実証においては、複数の部屋でアーティストが演奏する音の双方向伝送においてローカル5G回線を活用し、その有用性を検証します。
・混雑アナウンスシステム (主担当 ALSOK、NRI)
コロナ禍においては、時々刻々と変わる混雑状況に応じて会場内の来場者の分散を図る必要がありますが、人出等によって都度声掛け等を行うと工数が増大することから、運用の効率性の面で課題があります。そこで、本実証を通じて、混雑検知システムで把握される混雑状況と連動する形で、ロボットが自律走行で特定地点に向かい、周辺の来訪者への混雑アナウンスを行うことにより、来場者の分散促進の実現を目指します。
実証においては、複数のローカル5Gスマートフォンで撮影した4K映像の伝送、ロボットの制御用 PC及びロボットへの混雑状況に係る情報の伝送において、ローカル5G回線を活用し、その有用性を検証します。
* 撮影映像については、本実証の実施にあたってのみ活用し、個人を特定する情報(氏名、顔画像等)は取得および保存しません。
(3)技術実証(主担当 JTOWER、 NECネッツエスアイ)
本実証で構築するローカル5Gネットワーク自体に関して、電波伝搬等の詳細なデータの取得を行うことで、構造が異なる施設内の複数ホールにおける建物侵入損(壁等により電波が減衰することを考慮した、ローカル5Gの電波伝搬モデルの精緻化、同期局と準同期局の実機を用いた共用検討を実施します。
■各社の役割
8者は共同でコンソーシアムの運営を行い、各社の強みを活かして活動を推進します。NRI、JTOWER、NECネッツエスアイ、ALSOK、ヤマハ、パシフィコ横浜、横浜市、YMM21の8者は今回の実証実験を通じて、我が国におけるローカル5Gの普及促進を目指すともに、安全・安心な社会の実現に寄与していきます。
株式会社野村総合研究所 コンソーシアムの代表機関として、全体統括を行う。加えて、混雑検知システム、混雑アナウンスシステムの課題実証を担当
株式会社JTOWER ローカル5Gの免許の取得、実証環境構築や技術実証を担当
NECネッツエスアイ株式会社 ローカル5Gの実証環境構築や技術実証を担当
綜合警備保障株式会社 遠隔ロボット監視システム、混雑アナウンスシステムの課題実証を担当
ヤマハ株式会社 遠隔同期演奏システムの課題実証を担当
株式会社横浜国際平和会議場 実証場所の提供、及び各種調整を担当
横浜市 実証地域の行政主体として、各種調整・広報等を担当
一般社団法人横浜みなとみらい21 みなとみらい21地区周辺の事業者・団体からの意見聴取、普及展開に向けた広報等を担当
(株)浜銀総合研究所
企業経営予測調査2021年12月調査結果(2021/12/10)
~変異型の影響は不透明ながら県内の中堅・中小企業の景況感は改善~
神奈川県内上場企業の2021年7月~9月期決算の集計結果(2021/12/6)
~コロナの感染拡大などの影響が現れるも、業績の改善が続く~
旭化成(株)
<国内外展開>
水島製造所、旭化成グループ初となるスーパー認定事業者に認定(2021/12/8)
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀秀毅、以下「当社」)は、製造統括本部 水島製造所(住所:岡山県倉敷市、製造所長:井谷圭仁、以下「当製造所」)が、経済産業省の制定する「高圧ガス保安法における新認定事業者制度※」において特定認定事業者(通称:スーパー認定事業者)に2021年11月25日付けで認定されたことをお知らせします。


水島製造所遠景

認定証と一緒に
左 水島製造所 環境安全部長の大氣隆
右 水島製造所長の井谷圭仁

本制度ではプラントの高経年化、熟練従業員の退職等に対応するため、高度なリスクアセスメント/教育訓練の実施、IoT・ビッグデータの活用、第三者機関による保安力評価の活用等、より高度な保安への取り組みを行っている認定事業者をスーパー認定事業者として認定しています。
本認定を受けた事業者は、設備の検査方法・点検周期、連続運転期間などの自由度が高まるといった自主保安の規制合理化が適用され、より柔軟かつ効率的な事業運営が可能となり、競争力強化にも繋がります。
当製造所は当社グループとして初となるスーパー認定事業者となります。当製造所は、「安全の確保は経営の最優先課題」であり、企業活動を通じた社会貢献を果たしていくうえでは「安全安定操業こそが使命」との考えから、「社会から信頼される製造所」を目指してきました。そのために思考力・実行力を備えた人財の育成、網羅的で信頼性のあるリスクアセスメントの実施およびその評価に基づくリスクの継続的低減と適切な運転・設備管理、設備異常を早期検知するためのIoTやAI、ビッグデータを活用した先進技術の導入を強力に進めてきました。
今後は、スーパー認定事業者として従来の取り組みを継続的に高度化し、ステークホルダーの皆さまから信頼いただけるよう努力するとともに、社会の持続的発展に貢献してまいります。
ENEOS(株)
川崎市内での取組み
国内初、AI技術による石油化学プラント自動運転に成功(2021/12/2)
~熟練運転員の操作を自動化させるAIシステムを開発~
ENEOS株式会社(社長:大田勝幸、以下「ENEOS」)と株式会社Preferred Networks最高経営責任者:西川徹、以下「PFN」)は、大規模かつ複雑であり、長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められる石油精製・石油化学プラント 以下「プラント」)を自動運転するAIシステムを共同で開発し、このたび、ENEOS川崎製油所石油化学プラント内のブタジエン抽出装置にて2日間にわたる自動運転に成功しましたので、お知らせします。
本開発は人の技量に左右されないプラント安定運転の確立による保安力の向上に貢献するものであり、AI技術を用いた実際のプラントでの自動運転は国内初*1の取り組みです。
従来のプラント運転においては、運転員が24時間体制で運転監視および操作判断を行っていますが、昨今、運転ノウハウを有する熟練運転員の高齢化に伴い、今後人材不足が懸念されています。その対応策として、全国で製油所を運営するENEOSと先進的なAI技術を有するPFNは、2019年に戦略的協業体制を構築し*2、共同で高度なプラント運転を自動化するAIシステムの開発に取り組んできました。
プラント自動運転AIシステムは、過去の運転データやシミュレーターデータから複数のセンサー値とバルブ操作間の複雑な相関関係を学習することで、長年の経験に基づいた運転ノウハウであるセンサー値の予測とバルブ操作判断の自動化を可能にしました。今回のブタジエン抽出装置では、AIシステムによってプラント内の温度、圧力、流量および製品性状などの25個の運転重要因子の常時監視と12個のバルブ同時操作をおこない、原料処理量の変更などに伴う装置変動を安定化させ、2日間にわた る連続自動運転に成功しました。
なお、当該システムの開発においては、経済産業省が実施する令和2年度補正予算「産業保安高度化推進事業費補助金」などを活用しております。
本開発では、実運用に向けて今後ともブタジエン抽出装置での試験運転を重ね、人の技量に左右されないプラント安定運転を確立したうえで、常圧蒸留装置などの主要プラントおよび他製油所への展開を図ります。また、生産効率化・省エネ運転に貢献する新たなプラント自動運転AIモデルの導入も目指します。
両社は、本取り組みを通じて、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goalsの 目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」のゴールである「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことをはじめとした目標の達成に貢献してまいります。
*1 ENEOS調べ
*2 「株式会社 Preferred Networkとの協業について」のプレスリリース(ENEOS)
https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/20190625_01_0906370%20.pdf
昭和電工(株)
人工知能(AI)の活用によりアルミニウム合金の設計条件と機械特性の相関を高精度で予測するニューラルネットワークモデルを開発(2021/12/2)
~AI・計算科学により高温域での最適設計条件の探索の迅速化を実現~
昭和電工株式会社(社長:森川宏平 以下、昭和電工)は、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(理事長:橋本和仁 以下、NIMS)、国立大学法人 東京大学(総長:藤井輝夫 以下、東京大学)と共同で、2000系(*1)アルミニウム合金の設計条件と機械特性の相関を高精度で予測するニューラルネットワーク(*2)モデルを開発しました。このモデルを活用することで、これまで困難であったアルミニウム合金の高温域での強度保持に最適な組成や熱処理条件の探索を迅速化し、合金の開発に要する時間を1/2から1/3程度に短縮することが可能となります。
アルミニウムは、鉄に比較して軽く、加工性も良いため幅広い用途で使用されていますが、アルミニウム単独では強度が低いため、一般には銅やマグネシウムなどの元素を添加したアルミニウム合金として利用されます。アルミニウム合金は、100℃以上の高温保持時に強度が急激に低下するため、用途に応じて、高温下でも強度を維持できる合金の開発が求められています。しかしながら、アルミニウムに添加する元素の種類や合金自体の製造方法など、合金の特性を左右する因子が多く、要求特性を満たすアルミニウム合金の組成決定には、開発者の経験や知見、評価や分析を重ねる必要があり、開発に長い時間がかかっていました。
こうした課題を解決するため、当社は内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」に参画し、NIMS、東京大学とともに、AIの一種であるニューラルネットワークを活用し、材料開発を加速し、さらにより広範囲での最適な合金設計条件の探索を可能とするシステムの開発(以下、本開発)を進めてまいりました。本開発では、2000系アルミニウム合金を対象とし、日本アルミニウム協会などの公開データベースから収集した同合金の410種類の設計データを用いて、室温から高温にわたる幅広い温度域での強度を高精度で予測するニューラルネットワークモデルを開発しました。
さらに、ニューラルネットワークモデルの構造とパラメータをレプリカ交換モンテカルロ法(*3)を用いたベイズ推定(*4)により最適化し、強度予測値の確からしさについても評価することが可能となりました。なお、このニューラルネットワークでは、10000個の条件を2秒という速さで計算できるため、多くの設計因子を短時間かつ網羅的に評価できます。
さらに本開発において、任意の温度において必要な強度値を入力することで、それを満足する合金を得られる確率を最大化する設計条件を提示する、「逆問題解析ツール」の開発にも成功し、200℃の高温下でも高い強度を維持できるアルミニウム合金の設計が可能となりました(図)。
当社グループでは、「統合新会社の長期ビジョン」において、基礎研究の柱の一つとしてAI・計算科学に注力しています。今回の成果を当社グループの持つ様々な素材開発に応用して開発を加速し、お客様の課題を解決するソリューションを提供していくことで社会の発展に貢献してまいります。
本成果は12月6~8日にアメリカで開催される2021年Materials Research Society(*5)秋季大会にて発表予定です。
*1 2000系:銅やマグネシウムが添加されたアルミニウム合金の系統で強度に優れる。ジュラルミン、超ジュラルミンなどが知られている。航空機の機体、工業部品(ねじ、ギヤ、リベットなど)で使われている。
*2 ニューラルネットワーク:人間の脳の神経細胞をモデルとした機械学習手法。入力層、中間層、出力層を持ち、中間層を持つことでより複雑な関係の表現が可能となる。層が深いディープニューラルネットワークを用いた機械学習をディープラーニングと呼ぶこともある。
*3 レプリカ交換モンテカルロ法:コンピュータによってベイズ推定の近似計算を行う手法の一つ。効率的に広範囲のパラメータ探索を行うことが可能な手法のため、パラメータが複数の局所解を持つ場合に、最適解に速く収束することで知られる。
*4 ベイズ推定:ベイズの定理に基づき、観測された事実からその原因事象を統計的に推定する手法。本開発においては、用意したデータセットから、アルミニウム合金の設計条件と機械特性の関係を再現するニューラルネットワークモデルを推定することができる。
*5 Materials Research Society:1973年設立の米国の材料科学会。毎年、春と秋の年二回総会が開催される。

船倉内のバケット開閉は投入位置として記録しない
JFEエンジニアリング(株)
橋梁床版内部の非破壊検査法を新開発
~コンクリート劣化の定量評価が可能に~(2021/12/1)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)と国立研究開発法人理化学研究所(理事長:松本紘、本部:埼玉県和光市、以下、「理研」)は、道路橋床板*1の非破壊検査研究チームを結成し、アスファルト舗装の下にある鉄筋コンクリート床版の劣化を非破壊でイメージングし、欠陥の有無を定量的に評価可能な診断システムを開発しました。
従来、橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物の老朽・劣化診断は、目視で行われています。この方法では診断の都度アスファルトを剥がす必要が生じるため、多大なコストと時間を要し、検査を定期的に実施することが困難な状況にあります。事故につながる重大な損傷を未然に阻止するためには、より簡単で安全かつ正確に診断できる検査方法が求められています。
そこで研究チームは、道路橋床板の内部を非破壊で診断可能な検知法を開発しました。理研で開発した「理研小型中性子源システム RANS-II(ランズ・ツー)」*2を用いて、模擬的な劣化を施したコンクリート床版の内部を、後方散乱中性子イメージング法*3によって可視化し、劣化の位置、大きさの評価だけでなく、劣化の状態が「水分の滞留(滞水)」、「土砂化*4による空洞」または「空洞の底に水分の滞留」かの識別を行えることを実証により確認しました。また、この検査方法の開発により従来方法と比較しコストと作業時間が数十分の一に削減可能です。
この検査方法の適用により、老朽化が懸念される橋梁・トンネルなどの劣化を早期発見・早期修復することが可能で、重大な事故の防止に貢献するだけでなく、道路橋の長寿命化も期待できます。
JFEエンジニアリングは、本システムの積極的な導入および更なる開発を進め、建設や保守現場でのAI、IoT技術の利用促進ならびに生産性向上に貢献してまいります。
*1 道路橋の構成物の1つで、舗装の下で車や人の荷重を直接支える部材
*2 検査に用いる中性子の発生装置。低放射線環境で作業者・周辺の安全性を確保しています。詳しくは理研のリリースをご参照ください。
https://www.riken.jp/press/2019/20191118_4/index.html
*3 中性子を検査対象に照射し、反射された中性子を測定することで、欠陥の有無など内部の状態を調べる手法
*4 床版のコンクリートが劣化し、砂利とモルタルに分離した状態
一般的な橋梁のイメージ図および本開発の検知法の概要(土砂化の検知例)
検査用中性子(赤色の矢印)を床版に照射し、正常な部分と土砂化から反射された中性子(緑色の矢印)のエネルギーや量の違いから土砂化部分を検知します。


2021年11月
東京ガス(株)
<国内外展開>
カーボンニュートラルメタンのサプライチェーン構築(2021/11/25)
~マレーシアにおける共同事業可能性調査について~
マレーシアの国営石油会社 Petroliam Nasional Berhad(以下「ペトロナス」)、住友商事株式会社(以下「住友商事」)、東京ガス株式会社(以下「東京ガス」)は、マレーシアにおいて再生可能エネルギー由来のグリーン水素とCO2のメタネーションにより*カーボンニュートラルメタを合成し、日本に導入するサプライチェーンを構築する事業可能性調査を共同で開始することに合意しました。
メタネーションは、水素とCO2を化学反応させ、都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術です。メタネーション技術を活用して合成するカーボンニュートラルメタンは、製造から利用まででCO2を増やすことなく、取り扱い技術が確立した高熱量のエネルギーが得られること、液化プラントやLNG船、都市ガス設備など、既存のインフラが活用できることから、日本政府が掲げる「2050年までのカーボンニュートラル化と脱炭素社会の実現」に向け、熱需要に必要なガスの脱炭素化手段として、注目が高まっています。
ペトロナス、住友商事、東京ガスの3社は、世界的なLNG供給会社であるペトロナスが有する資源や技術、住友商事の次世代エネルギービジネスに関する知見、東京ガスのメタネーション関連技術やプラントエンジニアリングのノウハウをかけ合わせ、カーボンニュートラルメタンの導入実現および拡大による社会のカーボンニュートラル化の達成に貢献していきます。
* カーボンニュートラルメタン
再生可能エネルギー由来等の水素とCO2を合成したメタン。カーボンニュートラルメタンの利用(燃焼)によって排出されるCO2と分離回収されたCO2とがオフセット(相殺)されており、メタネーションされたガスの利用ではCO2は増加しない。

カーボンニュートラルメタンサプライチェーン
カーボンニュートラルメタンのサプライチェーン構築に向けた北米、豪州等における事業可能性調査の開始について(2021/11/26)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)と三菱商事株式会社(社長:垣内威彦、以下「三菱商事」)は、このたび、都市ガスの脱炭素化に資するカーボンニュートラルメタンの導入を目指し、北米、豪州、中東、アジア等LNG輸出国における再生可能エネルギー由来のグリーン水素とCO2から製造するメタン(以下「合成メタン」)について、そのサプライチェーン構築に関する事業可能性調査*1(以下「本調査」)を共同で開始することに合意しました。
日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」実現には、熱需要の脱炭素化を進めることが重要であり、第6次エネルギー基本計画には、天然ガスの代替として合成メタンを活用することがカーボンニュートラル化を目指す手段の一つとして掲げられています。
現在、官民が連携して、既存インフラの有効活用に向けたメタネーションに係る技術開発、実証試験等を進めていますが、将来的なカーボンニュートラルメタン導入の実現には、海外で安価な再生可能エネルギー由来のグリーン水素と現地で回収したCO2から合成メタンを製造し、既存インフラを利用して液化・輸送する、サプライチェーン全体の構築が必要です。

今後検討を進めるカーボンニュートラルメタンのサプライチェーン
本調査では、東京ガスの水素・メタネーションに関する技術、LNGバリューチェーンの構築に取り組んできた知見と、三菱商事の海外LNGプロジェクトや再生可能エネルギー等のエネルギービジネスでの知見をかけ合わせ、最適な設備構成、サプライチェーン構築を検討します。
具体的には、北米、豪州等を中心に、再生可能エネルギーやCO2の調達、水素や合成メタンの製造、液化・輸送までのサプライチェーン全体の課題を洗い出し、適地選定及び低コスト化調査を行います。将来的には、選定した適地における実証試験、日本へのカーボンニュートラルメタンの導入を視野に取り組んでいきます。
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、カーボンニュートラルメタンのサプライチェーン構築の早期実現を図り、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に貢献することを目指します。
三菱商事は、エネルギーの安定供給責任を果たしつつ、再生可能エネルギー拡大、次世代エネルギーサプライチェーン構築を通じて低・脱炭素社会の実現に貢献することを目指します。
上記をビジョンとして掲げる二社は、カーボンニュートラルメタンの導入拡大によるLNGや都市ガスの脱炭素化の早期実現に向けて取り組んでまいります。
*1 本調査では、合成メタンのカーボンニュートラルに資する検討も実施予定。尚、輸送過程等のライフサイクルCO2を含むサプライチェーン全体のカーボンニュートラル化に向けては、本調査の対象外ではあるものの引き続き注視の上、順次検討を進める。
東京電力パワーグリッド(株)
<国内外展開>
インドネシア共和国における電力セクターの脱炭素ロードマップ策定に向けた調査・支援について(2021/11/25)
東京電力パワーグリッド株式会社(代表取締役社長 社長執行役員:金子 禎則、以下「東電PG」)、東京電力ホールディングス株式会社(代表執行役社長:小早川智明、以下「東電HD」)、株式会社JERA(代表取締役社長:小野田聡、以下「JERA」)、東電設計株式会社(代表取締役社長:窪 泰浩、以下「東電設計」)の4社は、本日、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)との間で「インドネシア国低(脱)炭素化に向けた電力セクターに係る情報収集・確認調査」に関する契約を締結しました。
インドネシア共和国(以下「同国」)は、2010年以降、約5~6%の国内総生産(GDP)成長率を維持しています。旺盛な経済成長に加え、順調に電化率が向上しており、今後も電力需要の増加が見込まれています。一方で、同国は石炭火力発電への依存度が高く、電力需要増加に伴う温室効果ガス排出量の増加が懸念されています。
こうした危機感のもと、2021年7月、同国政府は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に対し、2060年以前のカーボンニュートラル(以下「CN」)達成に向けて取り組むことを含む長期戦略を提出しました。本契約は、JICAが、同国に対して電力セクターの低(脱)炭素化に向けた協力を進めるにあたり、電気事業に関連する豊富な経験を持つ4社の取り組みを評価し、締結に至ったものです。
本契約に基づく業務では、同国特有の事情を十分に考慮しながら、目指すべき電源構成や電力供給体制を具体化したロードマップ案の作成を行うほか、同ロードマップ案に基づき、今後、JICAが同国で実施可能な支援策の検討を行います。
日本政府が2021年5月に表明した「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」では、「エネルギートランジションのロードマップ策定支援」は柱の一つと位置づけられています。4社は、業務の実施にあたって、AETIの取り組みとも連携しながら進めてまいります。
東電PGは、これまで国内で培ってきた安定的な送配電ネットワークの構築・運営等の技術と海外コンサルティング事業経験を活かし、同国の電力セクターにおけるCNと電力安定供給の実現に向けた実効的な提案で、同国の持続可能で安定的かつ経済的なエネルギー環境構築の実現に貢献してまいります。
東電HDは、東京電力グループが培った電気事業のノウハウや海外コンサルティングにおける電力マスタープラン策定支援の経験等を活かしながら、制度や財務面を中心に、同国のCN達成を目指した電力セクターにおけるロードマップ案の策定に貢献します。今後、グループの最適運営のもと、世界的なCN社会の実現に向けて取り組んでまいります。
JERAは、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点における国内外の事業からのCO2排出量ゼロに挑戦しています。ゼロエミッションの達成は国・地域に最適なロードマップの策定を通じて実現することを目指しています。このたびのインドネシア国における取り組みは、JERAとして初めての海外向けロードマップ策定支援案件となります。
複数の島々から構成される同国では、JERAが日本における脱炭素ロードマップ策定で培った経験が十分発揮できるものと考えております。同国特有の事情も十分に勘案し、エネルギーの安定供給を維持しながら、低コストかつスピーディーな脱炭素化の実現に貢献してまいります。
東電設計は、これまで東京電力グループの一員として培ってきた高い技術力とノウハウを活用し、アジアやアフリカの発展途上国を中心に世界の90か国以上で、幅広くコンサルティングサービスを実施してまいりました。同国でもこれまで長く活動しており、今回もそうした経験を活かして、プロジェクトの成功に貢献、ひいては同国のCNに向けた取り組みに貢献したいと考えています。
別紙:・インドネシア共和国における電力セクターの脱炭素ロードマップ策定に向けた調査・支援の概要(128KB)
https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2021/pdf/211125j0101.pdf
(株)浜銀総合研究所
2021年冬の県民ボーナスの見通し(2021/11/25)
2021年度・2022年度の景気予測(2021年11月改訂)(2021/11/18)
JFEプラリソース(株)
川崎市内での取組
弊社は「かわさきSDGsパートナー」として登録されました。(2021/11/24)
■かわさきSDGsパートナーとは
川崎市のSDGs登録・認証制度で、SDGsの達成に向けて取り組む企業・団体の皆様を川崎市が登録・認証する制度です。

登録証

川崎市:川崎市SDGs登録・認証制度「かわさきSDGsパートナー」
https://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/54-10-6-0-0-0-0-0-0-0.html
旭化成(株)
<国内外展開>
旭化成、廃プラ由来ブタジエンによるS-SBRを生産へ(2021/11/24)
Shell社とサステナブルブタジエン購入に関する売買契約を締結
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀秀毅、以下「当社」)は、本年11月23日に、Shell Eastern Petroleum(Pte)Ltd.(本社:シンガポール、以下「Shell社」)と、廃プラスチックおよびバイオマス由来のブタジエン(以下「サステナブルブタジエン」)の購入に関する売買契約を締結したことをお知らせします。契約調印式は、同日シンガポール・ブコム島にて“Journey from Vision to Reality”と題し開催されたサーキュラーエコノミーに関するイベント「Creating the Plastic Circular Economy in Singapore」にて執り行われました。
当社は、2022年3月末までにシンガポールにある当社の合成ゴムプラントにサステナブルブタジエンを投入し、同時に、これらを原材料としたサステナブルS-SBR(溶液重合法スチレンブタジエンゴム)の生産およびマーケティングを開始する予定です。
■1.背景
S-SBRは、主に省燃費型高性能タイヤ(以下「エコタイヤ」)に用いられる合成ゴムです。近年、環境規制の強化や環境意識の高まりを背景に、世界的にエコタイヤの需要が拡大しており、S-SBRは、タイヤの安全性能を確保しつつ省燃費性能を同時に向上させるエコタイヤに最適な材料として認められています。
また昨今、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、自動車業界ではEV(電気自動車)化、タイヤ業界ではタイヤのさらなる省燃費・耐摩耗性能向上などといった脱炭素社会を目指す取り組みが加速しています。そのため、エコタイヤの材料であるS-SBRに対しても、さらなるサステナブル対応のニーズが高まっています。
■2.当社およびShell社の取り組み
当社は、このような状況の中、自動車の航続距離増加やEV化による車両重量増への対応といったニーズに応え、特に省燃費性能や耐摩耗性能の向上を重視したさらなる高性能品の開発を進めています。また、製品性能の向上に留まらず、サプライチェーン全体でのCO2削減を目指しサステナブルな原材料への転換も検討しています。
一方、Shell社は、2050年までにネットゼロのエネルギー事業体を目指し、化学品生産時のCO2排出量削減とサーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいます。今回、Shell社はマスバランス※管理されたサステナブルブタジエンを2つの製法で生産します。1つは廃プラスチックを熱分解油に変換し、同社のナフサクラッカーにフィードする製法、もう1つはバイオ原材料を同ナフサクラッカーにフィードする製法です。
■3.本取り組みの効果
廃プラスチック由来のブタジエンを使用するS-SBRの生産は世界初であり、また、バイオマス由来のブタジエンを使用するS-SBRの生産は日本企業初の試みです(当社調べ)。
原材料、生産、使用(運転)、廃棄・リサイクルというタイヤのライフサイクルにおいて、各段階のCO2排出割合はガソリン車の場合、燃費にタイヤが大きく影響するため、使用(運転)段階のCO2排出割合が最も大きくなります。一方、今後EV化の進展により使用時のCO2排出は大幅に低減していくため、相対的にS-SBRなどタイヤの原材料由来のCO2排出割合が増加していきます。このサステナブルS-SBRを用いた場合、タイヤのライフサイクルにおけるCO2排出量は、従来のS-SBRを用いたタイヤに比べて大幅に削減されることが期待されるため、CO2排出削減効果の大きいサステナブルブタジエンを用いたS-SBR生産を通じて、サプライチェーン全体のCO2削減に貢献してまいります。
■4.今後の取り組み
当社は、バイオマス由来原材料およびリサイクル原材料に関する国際的な認証の取得を目指し準備を進めていきます。また、社会のカーボンニュートラルに向け、当社はS-SBRの製品性能向上と製品ライフサイクル視点からのCO2削減の両面から引き続き貢献を果たし、お客様にとってのグローバルリーディングサステナブルパートナーを目指してまいります。
* 化学品の生産過程でサステナブル原材料と石油由来原材料が混ざった場合に、サステナブル原材料の割合を国際的に適用されている手法で、任意の特定製品に割り当てる考え方を指します。

JFEエンジニアリング(株)
建設現場用施工ロボットを新開発
~機器据付施工時間を85%※1削減!プラント工事の効率化,省力化に貢献~(2021/11/18)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)と岡谷鋼機株式会社(社長:岡谷健広、本社:愛知県名古屋市)、株式会社アクティオ(社長:小沼直人、本社:東京都中央区)の3社は、プラント建設工事現場で活躍する施工ロボット3機種を共同で新開発いたしました。現在22年度中の製品化に向けて準備を進めています。
清掃工場などのプラント建設現場では、狭小空間での配管、機器の据付工程が多数に上り、事前準備も含め作業に多大な時間と人員を要します。また、災害発生リスクのある危険を伴う作業が多く、専門技術や熟練技術も必要であり、作業員の確保も課題となっています。この課題を解決するため、3社は業界初の「機器や資機材の運搬」「機器や配管の据付」用施工ロボットを開発し、「作業の効率化」「安全性の向上」に成功しました。
今回開発した機器据付ロボット「エコカ」を清掃工場の建設現場で適用したケースでは5名の作業員で5時間ほど要していた2t超の重量機器の据付作業において、2名で45分に省人化、時間短縮に成功しました。また運搬・据付対象物やロボットに手を触れずに作業が可能なため、安全性も確保されます。今後も工事の適用拡大とさらなる自動化を進め、 最終的にはプラント建設現場でロボット適用可能工事に関わる作業員の半減を目指します。
3社は、これらのロボットの積極的な導入および更なる開発を進め、AI、IoT技術の活用を促進して、災害のない安全な工事の推進と生産性向上に貢献してまいります。
施工ロボット種類・特長
名称 ECoCa*2(エコカ)
概要 運搬する機器のサイズや現場通路状況に合わせ、XYZの3方向に自由に伸縮する機能を持つ搬送ロボット
特長 機器運搬/据付を一台で実現
運搬可能重量:3t
機器、現場状況に合わせXYZ 3方向の自動伸縮
X:(1.4〜1.8, 1.8〜2.4m)2種類から選択式
Y:(3.0〜3.7m)
Z:(2.0〜3.2m)
3種類の走行機能:四輪操舵、その場旋回、横行
効果 空気圧縮機(約2t)の据付作業で人員を約60%削減、
作業時間を80〜90%短縮
作業状況
空気圧縮機 据付け状況
(鳥取県東部広域行政管理組合 可燃物処理施設建設工事)


名称 Carryf*2(キャリフ)
概要 段差のある狭小空間で重量のある資機材を搬送可能なロボット
特長 運搬可能重量:5t
3種類の走行:四輪操舵、その場旋回、横行
最大乗越え段差:200mm
効果 工場内の資材運搬作業で人員を約50%削減
作業状況
機械部品 運搬状況(JFEエンジ工場内)


名称 Dexhand2(デクスハンド)
概要 起重機が入らない狭小な場所での揚重作業を可能とするロボット。
"グリッパー"採用で広範な配管径に対応
特長 配管上架/据付を一台で実現
掴み部の軽量化と7軸駆動の採用により精密な位置合わせが可能
[クレーン部] 起伏、旋回、伸縮
[先端部] 掴む、回転、首振(縦・横)
先端部交換で多機能利用
効果 プラント内配管、ダクト据付工事で作業時間を30%減
作業状況
実証試験状況(アクティオ工場)

*1 JFEエンジニアリング施工実績、ただし工種による
*2 ECoCa・Dexhandは特許登録済、caryyfは特許申請中、3機種とも名称商標登録中

開発における各社の役割
JFEエンジ : 全体統括、建設現場での実証試験
岡谷鋼機 : 軽量化素材の選定・部品製造(製品化後は販売を担当)
アクティオ : 試作機の開発、製造(製品化後はレンタル, 補修を担当)
各社概要
社名 JFEエンジニアリング株式会社
代表者 大下 元
本社所在地 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
設立 2003年
事業内容 総合エンジニアリング業
URL https://www.jfe-eng.co.jp/


社名 岡谷鋼機株式会社
代表者 岡谷 健広
本社所在地 愛知県名古屋市中区栄二丁目4番18号
設立 1937年(創業1669年)
事業内容 商社(鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業)
URL https://www.okaya.co.jp/


社名 株式会社アクティオ
代表者 小沼 直人
本社所在地 東京都中央区日本橋3-12-2 朝日ビルヂング7階
設立 1967年
事業内容 建設機械レンタル
建設用機械器具等のレンタル・リース・販売及びこれらに付随する業務
URL https://www.aktio.co.jp/

2021年11月18日開催のロボットお披露目会

中央 JFEエンジニアリング株式会社 代表取締役副社長 四方淳夫
左  岡谷鋼機株式会社 常務取締役 坂田光徳
右  株式会社アクティオ 代表取締役社長 小沼直人
東亜建設工業(株)
味人工知能(AI)画像認識技術を利用して海上土木工事の作業位置履歴の記録業務を効率化する「無線式ガット船施工支援システム」の機能拡充 (2021/11/18)
東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 秋山優樹)は、AI画像認識技術を用いて海上土木工事における土砂等(砂や石材)の投入を自動的に判定する機能を付加した無線式ガット船施工支援システム(NETIS登録番号:KTK-1100005-VE)を港湾工事へ試験的に導入し、有効性を確認した結果、高い検知率が得られたため、機能拡充としてNETIS登録情報を更新しました。

ガット船施工イメージ

カメラ映像からAIがバケットの開閉を自動判定

システム画面例

導入の背景

海上土木の護岸基礎工事や埋立工事等において使用する作業船(ガット船)は、バケット付きクレーンを装備しており、順次移動しながら船倉に積込まれた土砂等をバケットで掴んで海中に放出する作業を繰り返して所定の位置へ土砂等を投入していきます。
当社が2009年に開発した無線式ガット船施工支援システム(NETIS登録番号:KTK-1100005-VE)は、このクレーンのブーム先端に設置したマグネット着脱式GNSSアンテナの情報から投入位置(XY平面)および投入履歴を表示することでオペレータへ投入支援を行うシステムです。
当該システムは、オペレータや職員が土砂等を掴んだバケットが開いて土砂等を投入したことを目視判断して、その都度手動でシステムを操作し、投入位置履歴を記録するため、利便性の改善とヒューマンエラー防止対策といった課題もありました。そこで、今回試験的に導入したAI画像認識技術は、カメラで撮影した映像内のバケット開閉をAIが識別して投入判別するとともにGNSSから取得した投入位置を自動記録する機能を付加することで、オペレータや職員の負担軽減とヒューマンエラー発生の防止を実現しました。

システム概要

当該システムは、AI画像認識技術によりカメラで撮影されたバケットの開閉動作を高精度に識別します。AI画像認識の教師データには、実際の港湾工事で撮影した映像を用いることで、様々なバケット形状に適用が可能です。従来のシステムにカメラ(映像情報)を追加したシンプルな機器構成となっております。また、投入判定エリアを任意に設定できるので、船倉内を投入判定エリアから外すことで土砂等を掴む際に誤って船倉内を投入位置として記録することはありません。このようにAI技術を用いて、投入位置・回数カウント等の作業履歴を自動記録できることから業務が効率的になるため、現場施工の生産性向上に寄与します。

船倉内のバケット開閉は投入位置として記録しない
今後の展開

今後、ICT基礎工など様々な現場へ導入を重ね、判別精度を向上させるとともに、AIが海底の現地盤の地形に応じた投入位置や投入量を自動的に指示することで、更なる効率化・省力化を図れるシステム構築にも取り組んでいきます。
また、将来的には、AI画像認識技術による作業員の異常(転倒や海中転落等)検知など、施工管理に加えて安全管理への機能拡張を図っていきます。
ENEOS(株)
川崎市内での取組
ENEOS株式会社と川崎市は連携協定を締結しました!(2021/11/17)
~川崎臨海部を中心とした「水素社会の早期実現」に向けた相互連携の促進~
ENEOS株式会社 社長 大田勝幸、以下「ENEOS」)と川崎市(市長 福田紀彦)は、川崎臨海部を中心とした「水素社会の早期実現」に向けた相互の連携・協力を促進するため、本日11月17日(水)、連携協定を締結しましたのでお知らせいたします。
ENEOSグループは、長期ビジョンにおいて2040年のありたい姿として低炭素・循環型社会への貢献を掲げており、水素事業はその実現に資するものとして取組を加速しています。
ENEOSは、川崎臨海部に製油所を有しており、川崎市が推進する「川崎臨海部水素ネットワーク協議会」に参画するとともに、川崎製油所において2021年8月より有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(以下「MCH」)から水素を取り出す実証として、国内で初めて製油所の既存装置へのMCH投入に関する検討を開始しました。
川崎臨海部は、石油精製・発電等により「首都圏へのエネルギー供給拠点」の役割を担っています。こうしたなか川崎市は、2015年に「水素社会の実現に向けた川崎水素戦略」を策定、全国に先駆けて取組を推進してきました。更に2020年には脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」を策定、現在はカーボンニュートラルコンビナートの構築に向けた検討を進めており、環境負荷の低い水素エネルギーの供給拠点形成を目指しています。
さらに、ENEOSと川崎市は、川崎臨海部を中心とした「東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水 素供給モデルに関する調査1」を共同で開始するなど、水素社会の早期実現を目指した取組を進めて います。
今後、川崎市における水素社会実現の取組をさらに強力に加速するために、これまで両者で連携してきた案件も含めた水素の普及拡大に関する取組について、包括的な連携協定を締結することといたしました。
■連携協定内容
(1) 川崎臨海部における水素利用の拡大に関すること。
(2) 川崎臨海部を核とする周辺地域への水素エネルギーの供給に関すること。
(3) 上記(1)(2)を実現するための調査及び実証事業等の実施に関すること。
(4) その他、水素社会の早期実現のために必要な事項に関すること。
■連携協定における両者の役割
本協定の締結により、ENEOSと川崎市は、川崎臨海部における水素エネルギーの供給インフラの構築や、その利用拡大等に向けた連携・協力関係を更に強化してまいります。両者が従来からエネルギー事業や地域活性化等により培ってきた技術や知見を活用することで、日本の2050年までのカーボンニュートラル実現へ貢献するため、川崎臨海部を中心とした「水素社会の早期実現」に向けた取組を加速いたします。
■両者コメント
ENEOS ・技術開発および技術実証
・海外を含む他地域の企業等との連携促進
川崎市 ・川崎市立地企業との連携促進
・国や他自治体との連携促進
ENEOS
代表取締役社長
大田勝幸
次世代エネルギーの普及によるカーボンニュートラルの達成のためには、地域のエネルギー政策と一体となった取組が不可欠です。
水素エネルギーの普及拡大に向けた取組を推進している当社にとって、川崎市との連携は重要であり、今回の協定締結により、これまで築いてきた同市との協力関係が一層強化されるとともに、発電や産業用途等の大規模な水素の社会実装が加速するものと確信しております。
川崎市長
福田紀彦
主要な立地企業の1つであり、水素社会実現に大変積極的な企業であるENEOS株式会社との連携は、川崎臨海部を中心とした水素エネルギー供給拠点の形成を目指す本市にとって、極めて重要であると考えております。
今回の協定締結により、これまで以上の協力関係を築き、周辺企業や地域への波及も図られるよう、同社とともに、水素社会実現に向けて、しっかりと取組を進めてまいります。


協定を締結するENEOS㈱宮田常務執行役員(左)と福田市長(右)
* 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業
「CO2フリー水素供給モデルに関する調査」についてのプレスリリース https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20210728_01_01_1103035.pdf
「CO2フリー水素供給モデルに関する調査」についてのプレスリリース(川崎市) https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000131/131117/210728_Release.pdf
JFEスチール(株)
スズキ株式会社と電気自動車の軽量化を推進(2021/11/11)
~『JFEトポロジー最適化技術』を活用したバッテリー保護車体構造の軽量化~
当社は、スズキ株式会社(以下、「スズキ」)と共同で、『JFEトポロジー最適化技術』と高張力鋼板(以下、「ハイテン」)を活用して、電気自動車(Battery Electric Vehicle)の車体構造の軽量化を推進しています。バッテリーを衝突から保護する車体構造の軽量化に取り組む中で、『JFEトポロジー最適化技術』を、軽量で衝突性能の高い車体の設計に適用できる目途がつきました。
電気自動車は車体下部に大型バッテリーを搭載するため、衝突時にバッテリーセルを保護するバッテリーパックと車体構造が必要になります。構造部材には、一般的にアルミニウムが用いられていますが、強度確保のために板厚を厚くせざるをえないため、バッテリー保護部材の軽量化が課題となっていました。
そこで当社とスズキは、車体構造の最適化による軽量化を目的に、鋼板のみから成るバッテリー保護車体構造の開発を進めました。開発にあたっては、『JFEトポロジー最適化技術』をバッテリー保護部の設計に活用し、バッテリーにかかる荷重が特に大きくなるポール側突(*1)時の衝突性能を評価しました。構造部材に各種超ハイテンを最適配置することで、アルミニウムを用いることなく、衝突性能を満足しながら、バッテリー保護部材の大幅な軽量化達成の目途がつきました。
トポロジー最適化技術は、与えられた設計空間から、要求される特性に必要な要素を残存させ、最も効率のよいレイアウトを求めることができる解析方法です。一般的なトポロジー最適化技術では、部品単体ごとに最適化を行うため、数百もの部品の間の複雑な荷重の流れを、車体構造に十分に反映するのは困難です。一方で、『JFEトポロジー最適化技術』では、設計空間(部品を配置する空間)を車体の一部として組み込んで解析することで、車体各部への荷重伝達を車体構造に正確に反映できるため、より少ない重量で衝突性能を効率的に向上させることが可能です。これまでも、様々な部品の接合位置や形状の最適化に寄与してきました(*2)が、鋼板製バッテリー保護車体構造の最適化に適用されるのは、初めての事例となります。
当社は、高強度鋼板の開発・製造だけでなく、お客様の工程の省力化や商品の性能向上に資するソリューションを提供するため、自動車用鋼板の利用技術を『JESOLVA®』として体系化するなど、自動車の設計段階からお客様と技術的に協力し合うEVI(*3)活動を積極的に展開しています。今後とも、お客様のニーズに合った様々な製品と利用技術を開発・提案し、自動車車体の軽量化によるCO2排出量削減と高性能化に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 ポール側突のイメージ図

図1 写真
*2 『JFEトポロジー最適化技術』に関する過去のプレスリリース
・『JFEトポロジー最適化技術』が三菱自動車工業株式会社に採用
 ~自動車車体において初の接合位置最適化技術を開発~
・『JFEトポロジー最適化技術』がスズキ株式会社に採用
 ~自動車車体における部品形状最適化技術を開発~
*3 EVI(Early Vendor Involvement)
自動車メーカーの新型車開発時に設計初期段階から参画し、新型車のコンセプトに合わせた鋼材使用・部材加工方法やパフォーマンス評価等を提案・開発する活動。
綜合警備保障(株)
ALSOKグループにおけるドローン事業の拡大(2021/11/5)
インフラ点検向け空撮サービスとドローン自動巡回サービスを開始
ALSOK(本社:東京都港区、社長:青山幸恭)は、2014年よりドローンを用いたソーラー発電設備の点検向け空撮サービスの販売を始め、外壁調査等へメニューを拡大しながらドローンサービスを展開してまいりました。
2021年11月より、新たに国土強靭化の一助となる社会インフラ点検向け空撮サービスおよび自動巡回ドローンサービスを開始、これに伴って全国パイロットネットワークを強化し、ドローン事業の更なる拡大に取り組んでまいります。
■1.サービス概要
(1)インフラ点検向け空撮サービス
高度経済成長期に建設されたインフラなどの社会設備の老朽化が進む中、その点検・補修のコストは肥大化を続け社会的な課題になっています。そのような社会課題への一助となるべくALSOKは自動巡回ドローンのベースモデルであるSkydio 2(「3 使用するドローン」を参照)の機能を活用し、インフラ点検向けのドローン空撮サービスを開始します。

第一弾として道路橋点検を対象に、西日本電信電話株式会社のグループ会社でありインフラ点検に多くのノウハウを持つ株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(所在地:東京都港区、代表取締役社長:柴田巧)と共同でドローンを活用した点検サポートのサービス(*1)を販売開始します。
点検が必要な2m以上の道路橋は全国で72万橋ありその点検コストは膨大なものとなっています。国土交通省はドローンを含む新技術の活用推進(*2)によりこの効率化を進めるとしています。ドローンを活用することで大型点検車両を使用する場合と比べ、コスト削減効果が期待でき、道路交通規制が必要な時間も削減されるため非常に有効な手段と考えられています。
なお、今後、道路橋以外のインフラ等点検への活用についても実証実験等を通して、サービス化を検討してまいります。

(2)自動巡回ドローンサービス
ALSOKでは人による巡回業務の代替を目的に、屋内の自律飛行ドローンの開発を進め、2020年7月の東京スカイツリータウンを始め、大規模倉庫、工場およびプラントなどで多くの実証実験を行ってまいりました。実証結果をもとに商用化への改善を重ね、今回、本サービスをリリースいたします。

サービスイメージ例
(注)航空法および環境により飛行が制限される場合があります。

実証実験の例
■2.全国規模でのパイロット育成
ドローン事業の拡大に併せ空撮業務の高品質なサービスを提供するため、全国規模でのパイロット育成を行います。まずは、今年度に50名以上のパイロット体制を構築し、数年内には100名以上の体制を目指します。
■3.使用するドローン
自動巡回および道路橋点検向け空撮で活用するドローンは米国Skydio社のSkydio 2をベースモデルとしたもので以下のような特長があり、GPSが届かない屋内や橋梁下での飛行に優れた性能を持っています。今回、ALSOKの警備業務に必要な要件を基に、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークおよびSkydio社と共同で巡回機能の開発協力をおこない、Skydio社と独占的なパートナシップを構築し国内での展開を行います。
■ドローンの仕様(2021年11月5日時点)
(1)カメラによる全方位の画像処理(VisualSLAM)をリアルタイムに行うことでGPSのない環境において安定した飛行が可能
(2)最小離隔距離50cm以下、従来のドローンでは入り込めなかった複雑な環境への進入が可能(1.4m幅以上の通路を飛行可能)※ただし、一定の照度が必要です。
(3)自動巡回ではルート上の障害物を自動で回避、充電ドックへの自動離着陸を実現
(4)ドローン映像は無線通信を介して遠隔地へのリアルタイム送信が可能
*1 自治体から橋梁点検を受託し、ドローン活用を検討している建設コンサルタント等に対し、橋梁点検作業において「パイロット」、「現場オペレーター」、「ドローン」、「空撮作業」をパッケージ提供する「JIWオペレーター付きドローンレンタルサービス」
*2 国土交通省点検支援技術性能カタログ掲載【画像計測技術(橋梁)】技術名:全方向衝突回避センサーを有する小型ドローン技術(技術番号:BR010009-V0020)
*3 VIO(Visual Inertial Odometry)カメラ画像、加速度センサー、ジャイロセンサーで自己位置を推定する技術
*4 SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術
2021年10月
富士電機(株)
データセンターや通信基地局の省電力化に貢献する第2世代ディスクリートSiC-SBDシリーズの発売について(2021/10/26)
富士電機株式会社(代表取締役社長:北澤 通宏、本社:東京都品川区)は、データセンターや通信基地局などの省電力化に貢献するパワー半導体「第2世代ディスクリートSiC-*1SBDシリーズ」を発売しましたので、お知らせいたします。
■1.背景
DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入やリモートワークの増加、インターネットサービスの利用拡大などにより、ネットワーク通信量が増加し、データセンターや通信基地局では設備投資が加速しています。これに伴い、電源機器の需要も増加しており、電源機器の市場規模は現在の約3,000億円から2028年度に約4,500億円に伸長する*2と見られています。
データセンターや通信基地局では、設備の稼働に多くの直流電力を必要とするため、電源機器には、電力会社などから受電した交流の電力を高効率で直流に変換(整流)するパワー半導体(ダイオード)が搭載されています。
パワー半導体は、通電時に電力損失(定常損失)が生じます。今回、データセンターや通信基地局などの電源機器向けに、電子回路内の定常損失を低減することで省電力化に貢献する「第2世代ディスクリートSiC-SBDシリーズ」を開発し、発売しました。
当社は、本製品をグローバルに展開し、機器の省電力化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献します。
■2.製品の特長
基板の厚みを1/3にするなどし、低損失化を実現
パワー半導体の電力損失を低減させる方法の一つに、素子である基板を薄く加工し、電気が流れる距離を短くすることがあります。本製品は、搭載するSiC(シリコンカーバイド)基板を当社の従来品である第1世代SiC-SBDシリーズに比べて約1/3に薄化するとともに、チップ構造を変更することで定常損失を16%削減*3しました。基板の薄化には、当社独自の加工技術を適用し、業界最高レベルの薄さを実現。さらに、雷などによる大電流への耐性も高めました。これらにより搭載機器の省エネと信頼性向上に貢献します。
*1 Schottky Barrier Diode
*2 IHS社の資料をもとに、当社推定
*3 定格電圧650V品
■3.主な仕様
型式名 定格電圧(V) 定格電流(A) 順電圧(V) サージ順電流(A) パッケージ
FDC2PT06S65* 650 6 1.3 54 TO-220-2
FDC2PT08S65 650 8 1.3 68 TO-220-2
FDC2PT10S65 650 10 1.3 82 TO-220-2
FDC2AT06S65 650 6 1.3 54 TO-220F-2
FDC2AT08S65 650 8 1.3 68 TO-220F-2
FDC2AT10S65 650 10 1.3 82 TO-220F-2
FDC2WT20S120 1,200 20 1.57 190 TO-247-2
FDC2WT40S120* 1,200 40 1.57 305 TO-247-2
* 現在開発中(2022年1月発売予定)
旭化成(株)
材料開発のDX NIMS、旭化成、三菱ケミカル、三井化学、住友化学の水平連携で実現(2021/10/25)
富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、PLCを活用し、生産工程における製品加工の異常の検知・分析を行う「異常診断ソリューション」を発売しましたので、お知らせいたします。
概要
1.国立研究開発法人物質・材料研究機構NIMS、旭化成株式会社、三菱ケミカル株式会社、三井化学株式会社、住友化学株式会社は、化学マテリアルズオープンプラットフォーム(化学 MOPからなる水平連携において、強度や脆さといった材料物性を機械学習で予測する際に、材料の構造から得られる情報を有効に活用し、少ない実験回数で、予測値と実値の誤差を小さくできる(予測精度の高A技術を開発しました。高分子材料をはじめとした材料開発の強力なツールになると期待されます。
2.これまでのマテリアルズ・インフォマティクス研究は、材料組成や加工プロセス(温度や圧力など)のパラメータから材料物性を機械学習で予測することで、材料開発を加速してきました。一方で、プロセス加工後の構造が材料物性に強く影響する場合、高い予測 精度を実現するためには、構造情報を提供するX線回折(XRD)や示差走査熱量測定 DSC)等の測定データの利用が有効です。しかし、これらの測定データは、プロセス加工した材料に対して測定しないと取得できません。したがって、構造情報 を利用して予測精度を向上させるには、研究者が設定可能な材料組成といったパラメータと、実測でしか得られないパラメータの異なる2つのパラメータを扱う必要があります。
3.本研究では、XRDやDSC等の実測でしか得られないデータを用い、なるべく少ない材料作製回数で正確に材料物性が予測できるように、作製すべき材料を適切に選定するAI技術を開発しました。作製すべき材料をベイズ最適化などの手法で選定し、測定したデータを加えて、AIによる材料選定を繰り返します。本技術の有用性を示すための一例として、高分子材料であるポリオレフィンのデータベースを利用しました。その結果、AI技術の利用により、無作為に材料作製を進める場合と比べて、作製回数を少なくしても機械学習による材料物性の予測精度を向上できることを示しました。
4.本技術を利用して精度の高い予測が実現できると、材料の「構造」と「物性」の関係が明らかになり、物性の発現起源の明確化・材料開発指針の決定が可能となります。また、この技術はポリオレフィンといった高分子材料だけでなく様々な材料開発にも応用できる汎用的技術です。そのため、材料開発のDX基盤技術になると期待しています。

5.本研究は、NIMS田村亮主任研究員、中西尚志グループリーダー、出村雅彦部門長、旭化成株式会社武井祐樹主幹研究員、三菱ケミカル株式会社今井真一郎主席研究員、三井化学株式会社中原真希研究員、住友化学株式会社柴田悟史研究員によって実施されました。
6.本研究成果は、Science and Technology of Advanced Materials:Methods誌に、2021年9月28日(日本時間)にオンライン掲載されました。
J&T環境(株)
西日本PETボトルMRセンター商業運転開始(2021/10/21)
協栄J&T環境株式会社(社長:古澤 栄一、本社:三重県津市、以下、協栄J&T環境)が建設を進めてきたPETボトルリサイクル原料製造工場(名称:西日本PETボトルMRセンター)のうち、フレーク製造工場が竣工し、商業運転を開始しました。商業運転開始に際して10月20日に操業の安全を祈願して「安全祈願式」を執り行いました。
協栄J&T環境は、JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)のグループ会社であるJ&T環境株式会社(社長:露口哲男、本社:神奈川県横浜市)と、協栄産業株式会社(社長:古澤栄一、本社:栃木県小山市)の合弁により2020年4月に設立され*1、2021年6月に株式会社セブン&アイホールディングスが新たに資本参加しています*2
西日本PETボトルMRセンターは、三重県津市のJFEエンジニアリング津製作所内に位置し、中部・東海地区で初のボトルtoボトル*3 原料の製造を一貫して行う工場となります。J&T環境と協栄産業のPETボトルリサイクルに関する運営実績を生かし、広域の需要をカバーする生産体制と、安定したリサイクル原料の供給体制を構築します。
この度の工場建設により、中部・東海地区のみならず近畿・西日本地区の各自治体、ベンダー*4、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどのPETボトル回収拠点を持つ事業者や、産業廃棄物事業者の皆さまのPETボトルリサイクルへの関心が高まっており、本事業への問い合わせが増加しています。
また、三重県内でも廃PETボトルのリサイクルに向けた活動が加速しており、三重県がプラスチック資源循環に向けた取り組みとして廃PETボトル回収モデル事業を開始するほか、津市・松阪市・伊勢市・度会郡玉城町内のセブン-イレブン50店舗の店頭でのPETボトル回収が開始されます。協栄J&T環境としても今後これらのPETボトルに係わる県内の取り組みについて積極的に協力していくことで、県民の皆様にボトルtoボトルへのご理解を深めていただくことに繋がればと考えております。
協栄J&T環境が取り組むボトルtoボトル事業は、サーキュラー・エコノミーの実現および天然資源の使用量抑制によるCO2排出量の削減に資するものです。協栄J&T環境は、西日本PETボトルMRセンターの操業を通じて、持続可能な社会作りに貢献してまいります。
*1 ニュースリリース
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20200507.html
*2 ニュースリリース
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2021/20210621.html
*3 使用済みPETボトルを原料としてPETボトルを再生すること
*4 自動販売機の設置・運用会社

西日本PETボトルMRセンター

10月20日に行われた安全祈願祭の様子
左から
コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社 サプライチェーン調達統括部長 角田隆明様
サントリーMONOZUKURIエキスパート株式会社 執行役員 横井恒彦様
株式会社セブン-イレブン・ジャパン 取締役執行役員 髙橋広隆様
協栄産業株式会社 代表取締役 社長 古澤栄一様 J&T環境株式会社 代表取締役社長 露口哲男
JFEエンジニアリング(株)
川崎市内での取組
川崎市より入江崎総合スラッジセンター 汚泥処理施設更新工事を受注
~脱炭素社会に貢献する創エネ型汚泥焼却炉が初採用~ (2021/10/15)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、川崎市上下水道局より「入江崎総合スラッジセンター汚泥処理施設更新工事」を受注しました。
今回の更新工事で、当社が開発した「OdySSEA(オデッセア)」*1が、国内初の創エネ型下水汚泥流動焼却システムとして採用されました。
「OdySSEA」は、2017年度に国土交通省下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)として採択され開発がスタートし、関係省庁のご支援を得て2019年に完成したシステムです。
最大の特長は、新開発の小型タービンにより、熱量の低い下水汚泥においても廃熱回収発電を可能にしたことです。入江崎総合スラッジセンターと同程度の焼却炉の規模(150t/日)でも、必要電力量である550kWhを大きく上回る約650kWhを発電可能で、ランニングコストを約30%低減できます。
また、独自 開発の『局所撹拌空気吹込み技術』によって、炉内に燃焼空気の一部(二次空気)を吹き込み炉内ガスを撹拌することで、炉内に高温状態を創り出し一酸化二窒素(N2O)を分解します。その結果、温室効果ガスとしてCO2の約300倍の影響を及ぼすとされるN2Oの排出を抑制することが可能となり、入江崎総合スラッジセンターでは年間約7,200トン・従来比約75%のCO2削減が期待できます。
2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて、下水道事業分野においても国や自治体の動きが活発化しています。今後当社も、「OdySSEA」を軸に、老朽化した焼却炉の改築更新や、稼働中の焼却炉に廃熱回収発電設備を追加することなどで、お客様の多様なニーズに最適な解決策を提案してまいります。
*1 システム名称。Ody(汚泥)、Smart(賢く)、Superior(優れ)、Ecological(環境にやさしく)、Advanced(先進的)に由来し、「新型汚泥焼却技術」の先進性を表現。
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2019/20190806.html参照
案件概要
発注者 川崎市上下水道局
受注者 JFEエンジニアリング株式会社
事業名 川崎市上下水道局入江崎総合スラッジセンター汚泥処理施設更新工事
建設場所 入江崎総合スラッジセンター
事業内容 (1)新1系汚泥処理施設の設計及び建設(約150t-脱水ケーキ/日)
(2)既存1系汚泥処理施設の撤去
工期 (1)設計建設:契約締結日~2025年12月
(2)撤去:2026年1月~2026年12月

完成予想図(パース図)

創エネ型下水汚泥流動焼却システム:OdySSEA(オデッセア)の概要
系統図は別紙ご参照ください。https://www.jfe-eng.co.jp/news/2021/PDF/20211015.pdf
ENEOS(株)
米国オハイオ州天然ガス火力発電所の商業運転開始について(2021/10/14)
当社(社長:大田勝幸)が2019年5月に米国子会社のENEOS Power USA LLCを通じて15%の権益を取得したサウスフィールドエナジー天然ガス火力発電所(以下、「本発電所」)が、今般、商業運転を開始しましたので、お知らせいたします。
本発電所は、米国オハイオ州コロンビアナ郡に位置する出力約118万Kwの高効率ガスタービンを採用した最先端の低炭素天然ガスコンバインドサイクル方式の発電所です。本発電所において発電された電力は、米国最大の卸電力市場であるPJM InterconnectionLLCを通じて、米国北東部に供給されます。
現在、地球温暖化問題への対応として脱炭素化が世界的潮流となる中、天然ガス火力発電は、出力調整によって電力需給バランスを安定させる機能を持つことから、再生可能エネルギー由来の電力を補完し、電力の 定供給維持に貢献します。また、原料である天然ガスは化石燃料の中で最も低炭素であることから、脱炭素化を段階的に進める上で、重要な役割を果たします。
当社は、本発電所への出資を通じ、需要が見込める北米市場での販売による新たな収益源を確保するとともに、最先端技術を用いた低炭素かつ競争力の高い発電所運営に関するノウハウを培い、国内における効率的な発電所運営に活用します。また、 東南アジアなど海外での更なる発電事業の展開 に向け、 自由化で先行する米国電力市場での販売、パートナーとの関係構築といった海外発電事業に関する知見および実績の蓄積を図ります。
当社は、本事業をはじめ国内外での電気事業の取り組みを推進し、最適な電源ポートフォリオの構築による当社電力事業の供給安定性・収益性の向上を目指してまいります。
参考
1.概要発電所名 サウスフィールドエナジー天然ガス火力発電所
所在地 米国オハイオ州コロンビアナ郡(ピッツバーグから北西に約50km)
出力 約118万kW
発電方式 天然ガスコンバインドサイクル発電(ガスタービン:GeneralElectric社製)
燃料/供給 天然ガス/米国内シェールガス田からの調達
売電先 PJM Interconnection LLC(米国最大の卸電力市場)
ENEOS Power YSA LLC
出資者 RS Global Captital Investment LLC
(株式会社日本政策投資銀行・出光興産株式会社による共同出資)
九州電力株式会社
中国電力株式会社
四国電力株式会社
AP South Field Holdings LLC
NH Amundi社
PIA Asset Management社
綜合警備保障(株)
橋梁点検業務へのドローン活用について(2021/10/13)
ALSOK(本社:東京都港区、社長:青山幸恭)は、2021年9月24日(金)に国土交通省の点検支援技術性能カタログに掲載*1のドローンを用いた橋梁点検業務を実施しました。
今般、総合建設コンサルタント大手の株式会社オオバ(本社:東京都千代田区、社長:辻本茂)が受注した橋梁点検業務*2にパートナー企業*3と連携してドローンを導入することにより、その有効性を確認しました。
今後、老朽化した橋梁の増加や技術者の人手不足で需要が見込まれる橋梁点検業務において、作業用足場の構築や交通規制等の付帯業務が減ることによる省人化および短期間化が実現できるとともに、比較的安全な点検手法であることからも更なる普及を目指してまいります。
また、今回の業務を機に、両者が専門的な強みを活かし、技術面での協力・補完関係を構築することにより、「安全安心で持続可能なまちづくり」を通じた良質な社会基盤整備に寄与してまいります。

*1 国土交通省点検支援技術性能カタログ【画像計測技術(橋梁)】技術名:全方向衝突回避センサーを有する小型ドローン技術(技術番号:BR010009-V0020)
*2 令和2年度道路メンテナンス国庫補助事業(市)上島早出2号線(八幡瀬橋)他道路橋定期点検業務/浜松市南土木整備事務所
*3 株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(所在地:東京都港区、代表取締役社長:柴田巧)
東京ガス(株)
バイオリアクターによるメタネーションの技術実証に向けた産学共同研究の開始について(2021/10/13)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)は、このたび、SyntheticGestalt株式会社(社長:島田幸輝、以下「SyntheticGestalt」)および国立大学法人東京工業大学(学長:益一哉、以下「東京工業大学」)とバイオリアクター*1によるメタネーションの技術実証に向けた産学共同研究(以下「本共同研究」)を開始しました。
バイオリアクターは、発酵食品や醸造食品などの生産に活用されている技術です。都市ガス原料であるメタンの合成(メタネーション)にも活用可能ですが、経済性を高めるためには、メタン生成菌の反応速度の一層の向上が必要です。
本共同研究は、技術実証に向けた基礎研究であり、SyntheticGestaltがもつAIを活用した酵素機能予測モデルによる酵素探索技術や、東京工業大学地球生命研究所(ELSI*2)のShawnMcGlynn准教授の研究室がもつメタン生成菌と酵素の培養条件の最適化技術などを活用し、反応速度を大幅に向上させた改良メタン生成菌の開発を目指します。
■本共同研究の分担
東京ガス 全体統括、バイオリアクターの仕様検討
SyntheticGestalt AIを活用した酵素機能予測モデルによるメタン生成菌を機能向上させる酵素の探索
東京工業大学 メタン生成菌の選定、メタン生成菌と酵素の培養条件の最適化、機能検証
東京ガスは、2022年3月にメタネーションの実証試験を開始するとともに、複数の革新的メタネーション技術の開発を予定しており*3、本共同研究は、その技術開発の一つです。本共同研究で得られたバイオリアクターの知見も活かし、将来の社会実装も視野に、2020年代後半の技術実証開始を目指します。

バイオリアクターによるメタネーションのイメージ
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、水素製造コストの低減・CO2のマネジメント技術(CCUS*4)開発を強化しています。本共同研究を通じ、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた技術開発の更なる早期実現を図り、CO2ネット・ゼロをリードすることで、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に貢献してまいります。
*1 微生物や酵素等を用いて、ある物質を他の物質(生産物)に変換する反応器
*2 Earth-Life Science Institute
*3 https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20210707-03.html
*4 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・利用・貯留)
(株)浜銀総合研究所
神奈川・地域経済調査 企業経営予測調査(2021年9月特別)(2021/10/12)
マクロ経済調査 調査速報 日銀短観(2021年9月調査)(2021/10/1)
JFEスチール(株)
令和3年度資源循環技術・システム表彰「経済産業省産業技術環境局長賞」を受賞
~使用後耐火物クローズドループリサイクル技術の確立~(2021/10/8)
当社はこのたび、「使用後耐火物クローズドループリサイクル技術の確立」の功績により、「令和3年度 資源循環技術・システム表彰」(主催:一般社団法人 産業環境管理協会、後援:経済産業省)の「経済産業省産業技術環境局長賞」を受賞しました。当社が同賞を受賞するのはJFEスチール発足以来2回目となります。
「資源循環技術・システム表彰」は、廃棄物の発生抑制(リデュース)・使用済み物品の再使用(リユース)・再生資源の有効利用(リサイクル)に寄与し、高度な技術または先進的なシステムの特徴を有する優れた事業や取り組みを広く公募・表彰し、その奨励・普及を図ることで、資源循環ビジネスを振興することを目的としています。昭和50年の設立から47回目を数え、リサイクルや環境保全の表彰制度としては、最も長い歴史を有する表彰の一つです。
1.受賞件名 「使用後耐火物クローズドループリサイクル技術の確立」
2.受賞概要 当社は、高炉で作られた溶銑を次工程に搬送する溶銑鍋から発生する使用済耐火物について、同じ耐火物の原料として再利用するクローズドループリサイクル技術を開発しました。回収した利用可能な耐火物の100%再利用を実現するとともに、経済的にも持続可能なリサイクルシステムを確立しました。
溶銑鍋には、複数材質の耐火物が使用されており、使用後の解体時に異材質をはじめとする不純物が混入してしまうため、耐火物原料としてリサイクルするのが難しく、鉄分だけを回収した後、産業廃棄物として処理せざるをえませんでした。
そこで、回収した利用可能な耐火物を100%再利用するため、耐火物に含まれるリサイクル原料の配合率を向上させるとともに、耐火物のリサイクルにおいて主流のカスケードリサイクル(*1)より、さらに環境に優しいクローズドループリサイクル技術の開発を進めました。
不純物の混入源やリサイクル原料への混入限界量を徹底的に調査した結果に基づき、使用済耐火物の解体・分別方法などを見直すことによって、効率的な混入防止および除去方法を開発しました。さらに、1mm以下の原料に含まれる不純物量をコントロールすることで、リサイクル原料を使用して製造した耐火物の品質を安定させることに成功しました。
本技術により、リサイクル原料の配合率を世界最高レベルの70%まで向上させ、回収した利用可能な耐火物を、同じ耐火物の原料として100%再利用することが可能となりました。加えて、新規設備の導入や人力による作業の増加を必要としない作業プロセスを構築し、リサイクル原料のコストを新規原料より低く抑えることで、経済的にも持続可能なリサイクルシステムを確立しました。2018年までに、溶銑鍋を使用する東日本製鉄所(京浜地区)および西日本製鉄所(福山地区)への導入を完了しています。
当社は今後とも、環境負荷低減技術の開発を積極的に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 カスケードリサイクル
使用済の耐火物について、同じ耐火物の原料ではなく、よりグレードの低い耐火物として再利用すること。リサイクル原料の配合率は最大50%程度。

図1 写真

図2 クローズドループリサイクルフロー
味の素(株)
味の素グループ、川崎事業所にスープ等の新工場竣工、10月より本格稼働開始(2021/10/1)
ICT・自動化技術導入、製造・包装一貫生産等により生産性を現行比約2倍へ
~見学コースを充実し生活者との直接コミュニケーションを強化~
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、2017年9月29日付のプレスリリース「味の素グループ、国内調味料・加工食品生産体制を再編」で発表した内容に沿い、川崎事業所内の味の素食品株式会社川崎工場にスープ類(「クノール®カップスープ」、「クノール®スープDELI®」等)の製造・包装の一貫生産を行う新工場を竣工しました。投資金額は約200億円。本年4月の包装工程の稼働に続き、10月より全包装ラインにて製造・包装の一貫生産を実現します。

当社は目指す姿を「食と健康の課題解決企業」と定め、その実現へ向けて国内食品の生産体制再編を進めています。この取り組みの一環として、国内調味料・加工食品の生産を担う新会社、味の素食品㈱を2019年4月に発足させ、国内工場を段階的に集約する構造改革を進行中です。
1962年に開設した高津工場では、敷地内の3つの建屋でスープ等を生産していましたが、増設スペースもなくなり、また老朽化が進んでいました。そこで、川崎工場内に新工場を建設し、拠点集約を図るとともに、スープ類の製造・包装一貫生産を実現します。

新工場は、ICT・自動化先端技術の導入により、2022年度中に労働生産性を現行の約2倍に高め、世界トップレベルの生産を目指します。また、お客様や社会のニーズの変化に柔軟に応えるべく、品種切り替え性に優れたプロセスを設計しフレキシブルな生産を実現します。更に最先端の省エネ技術等の導入により、環境負荷を低減します。加えて、体験型コンテンツ等を通じた見学コースの充実を図り、直接コミュニケーションの強化につなげます。



スープ見学コース(一部)
味の素グループは、“Eat Well,Live Well.”の実現に向け、今後も生活者に安心して召し上がっていただける製品を安定的にお届けできるよう、バリューチェーンの強化を図り、生活者の「食」と「健康」に貢献し続けます。
なお、本件が当社の2021年度業績に与える影響は軽微です。
■新工場の概要
(1) 所在地 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1-1、味の素㈱川崎事業所内
(2) 川崎工場長 丸山昭吾
(3) 着工・稼働開始 着工 2018年12月、本格稼働2021年10月
(4) 投資額 約200億円
(5) 生産品目 主な品目「クノール®カップスープ」、「クノール®スープDELI®」、「鍋キューブ®」等
(6) 従業員数 201名(2021年9月1日現在)
(7) 建屋概要 延床面積31,070㎡、鉄骨構造6階建
(8) 一般見学開始 2021年冬予定(「クノール® カップスープ」、「クノール® スープDELI®」コース)
「クノール®」ブランド製品は1964年に国内で発売され、生活者のライフスタイルにぴったりな領域拡大を続けているロングセラー商品です。発売以来、おいしくて、あたたかいスープを提供することで、生活者に支持されてきました。
参考
2017年9月29日付プレスリリース
「味の素グループ、国内調味料・加工食品生産体制を再編」
https://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2017_09_29.html 2017年10月20日付プレスリリース
「味の素グループ、調味料等の製造・包装工場を新設」
https://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2017_10_20.html 2018年9月27日付プレスリリース
「味の素グループ、国内調味料・加工食品の製造・包装を担う新会社『味の素食品株式会社』を2019年4月に発足」
https://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2018_09_27_02.html 2018年11月30日付プレスリリース
「味の素グループ、川崎事業所にスープ等の新工場を建設」
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2018_11_30.html 2020年8月27日付プレスリリース
「味の素グループ、三重県に「ほんだし®」新工場竣工、10月より本格稼働開始
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2020_08_27.html

2021年9月
富士電機(株)
PLCを活用した「異常診断ソリューション」の発売について(2021/9/30)
富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、PLCを活用し、生産工程における製品加工の異常の検知・分析を行う「異常診断ソリューション」を発売しましたので、お知らせいたします。
■1.開発の背景
製品品質の維持・向上のために、お客様の生産ラインにおいて不良品が市場に流出することを防ぐには、生産工程で早期に「異常」を発見し、出荷前に対策を打つことが重要です。例えば食品などの自動包装工程では、封入口の接着部分にくず等が噛み込んだ場合、密封できないことで中身の食品の風味劣化や異物混入など悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの対策には赤外線センサや圧力センサなどを用いることが一般的ですが、不良品流出の未然防止に向けて異常検知のさらなる精度向上が求められています。
今般当社は、プログラマブルコントローラ(PLC)に組み込み、製品加工の異常検知と原因分析を行う診断モジュールを開発。サーボシステム、プラグラマブル表示器を組み合わせた「異常診断ソリューション」として提供します。
■2.製品の特長
異常診断ソリューションでは、生産設備の動作制御を行うサーボシステム(サーボモータ)をセンサとして活用します。異常診断は、設備の正常加工時の稼働データ(診断モデル)と稼働中のデータを突き合わせ、乖離を異常として検知する「アナリティクス・AI(MSPC*1)」で実施。従来のセンサに比べて異常検知の精度を高め、センサレスによる設備のコスト低減にも貢献します。
*1 Multivariate Statistical Process Control
■異常検知の一例
食品などの自動包装工程では、封入口を接着し、商品が一つ一つになるように切断しますが、接着・切断の動作制御にサーボシステムが使われています。
接着する部分に食品くず等が噛み込んだ場合、正常加工時に比べてサーボモータにかかる負荷トルクなどが変化。MSPCがこうした変化(乖離)を見つけ、異常として検知します。

異常診断ソリューション
■3.主な対象設備
食品包装機、半導体製造装置、金属加工機など
JFEスチール(株)
データサイエンス技術による設備異常予兆検知システムを全地区熱延工場に展開
~設備トラブルの未然防止による生産性向上~(2021/9/29)
当社はこのたび、最新のデータサイエンス技術により、製鉄所の設備異常予兆を検知するシステム(『J-dscom®』」)を、全地区熱延工場に展開しました。今後は、本システムを他製造プロセスにも展開していくことで、設備トラブルの未然防止を通じたさらなる生産性向上を目指します。
2018年度に最初に導入した西日本製鉄所(倉敷地区)熱延工場においては、年間50時間以上(生産量3万t以上)相当のトラブル抑止効果が確認されています。これまでに、西日本製鉄所(倉敷・福山地区)および東日本製鉄所(千葉・京浜地区)の全地区熱延工場に本システムを導入しました。全地区共通のシステムを導入し、異常診断モデル等を全地区で容易に共有できるようにすることで、全社レベルで最適なモデルの構築を推進しています。今後は、製銑や製鋼をはじめとする他製造プロセスにも展開していきます。
本システムでは、ビッグデータ解析技術により、電流・圧力・流量・温度・振動をはじめとする操業状態を示す膨大なデータを効率的かつ網羅的に解析し、正常時の基準値に対する外れ度合いを異常度として指標化することで、過去に経験したトラブルだけではなく、想定外のトラブルも未然に防止することができます(*図1)。また、異常度の経時変化を大きさに応じてマップ化することで、異常が発生している装置・部位を即座に特定し、適切な保全アクションにつなげることができます(*図2)。
当社は、「JFE Digital Transformation Center」(『JDXC®』)を開設し、製鉄所・全社一貫CPS(サイバーフィジカルシステム)の構築を進めるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション、以下DX)を積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DXを通じて解決していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

*図1 『J-dscom®』による設備異常予兆検知の流れ

*図2 カラーマップ画面による多点監視
■関連URL
データサイエンス技術による設備異常予兆検知システムの全社展開を開始
~設備トラブルの未然防止による生産性向上に向けて~
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2019/11/191114_2.html
東京ガス(株)
お客さま先でのCO2資源化技術の開発について(2021/9/28)
~国内初、排ガスから炭酸カリウムを製造~
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)は、このたび、都市ガス機器利用時の排ガスに含まれる二酸化炭素(CO2)と水酸化物を反応させることで、洗剤や肥料などさまざまな工業製品の原料となる炭酸カリウムを都市ガスのお客さま先で製造し、CO2を資源化するオンサイトCCU*1技術(以下「本技術」)を開発しました。
本技術では、カナダCleanO2 Carbon Capture Technologies社(以下「CleanO2」)製の炭酸カリウムを製造可能な二酸化炭素回収装置「CARBiN-X」(以下「本装置」)を使用します。本装置は北米での実績はありますが、国内への導入は初となります。ガス機器の排ガス性状や空気環境が北米と日本では異なることから、CleanO2との共同検討や国内での実験を重ね、独自の製造技術の開発に成功しました。
本装置は、小型(幅0.85m×高さ1.9m×奥行2.0m)であるため、商業施設などスペースが限られる場所への導入も期待でき、さまざまな場所におけるCO2の排出量削減と資源化を可能にします。今後、お客さま先のガス機器と本装置を組み合わせた実証試験を進めながら、商用化を目指します。

オンサイトCCUのイメージ
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において、東京ガスグループの事業活動全体で、お客さま先を含めて排出するCO2をネット・ゼロにすることに挑戦することを掲げています。オンサイトCCU技術をはじめさまざまなソリューションの提供により、お客さまとともに地球規模での環境負荷低減への取り組みをこれからも推進してまいります。
*1 都市ガスのお客さま先で排出されるCO2をその場(オンサイト)で回収・利用(Carbon Capture Utilization)すること
<国内外展開>
ENEOS(株)
西オーストラリア州におけるフォーテスキュー社との日豪間CO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を開始(2021/9/16)
当社(社長:大田勝幸)は、豪州企業フォーテスキュー・フューチャー・インダストリーズ社(正式名称 Fortescue Future Industries Pty Ltd 、以下「フォーテスキュー社」)と日豪間のCO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討を実施することとし、このたび両社で覚書を締結しましたので、お知らせいたします。
当社は脱炭素に向けた本格的な水素の大量消費社会を見据えて、国内外でCO2フリー水素サプライチェーン構築に取り組んでおります。海外においては、豪州や中東、アジアにおける広範囲なアライアンスを活かし、安価な水素の大量供給実現に向けた検証を行っております。
今般その一環として、風況・日照等の気候条件が良好かつ国土が広く、安価な水素製造のポテンシャルの高い豪州において、同国の再生可能エネルギーを活用し、再エネ電力由来の安価で安定的なCO2フリー水素(グリーン水素 サプライチェーンを構築することに向け、現地企業との協業を検討いたします。
今回の協業検討を実施する西オーストラリア州は、オーストラリア大陸の約1/3を占めており、風力や太陽光といった再エネを大規模に開発できる広大な土地を有しています。そのため、将来的に最もコスト競争力のある電源開発を実現するポテンシャルのある世界有数の再エネ開発に適した地域として注目されています。加えて、同州政府は、豊富な再エネ資源を活用したCO2フリー水素の生産・輸出事業の創出を目指して、水素産業の開発に対する支援を表明しており、日本への水素輸出拠点としての活用が期待されます。
また、世界有数の鉄鉱石会社であるフォーテスキュー・メタルズ・グループの傘下であるフォーテスキュー社は、再エネおよび水素の事業開発を積極的に進めており、西オーストラリア州においても複数のCO2フリー水素供給事業について検討を進めています。
今回の協業検討において両社は、安価で安定的な再エネ電力由来の水素の供給可能性について検証を進めてまいります。具体的には、フォーテスキュー社は、再エネ電力の供給および安価な水素を製造する水電解槽について、当社は水素の貯蔵・輸送形態の一つであるMCH(メチルシクロヘキサン)の効率的な製造および日本への海上輸送についての検討を行います。
なお、今回の検討にあたっては、日本政府のグリーンイノベーション基金や豪州の水素ハブ構想等、日豪政府による政策支援の活用についても両社で検討を進め、日豪CO2フリー水素サプライチェーンの社会実装を早期に実現することを目指します。
当社は、本取り組みをはじめとした水素の利活用の推進を通じて、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals )の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」および目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献してまいります。

CO2フリー水素サプライチェーンの全体図
1.豪州で再生可能エネルギー電力を用いて水の電気分解によりグリーン水素を製造
2.製造した水素を 効率的な水素の貯蔵・輸送形態の一つであるMCHに変換
3.MCHをタンカーで日本へ海上輸送
4.当社製油所にて受入・貯蔵・脱水素し、近隣の火力発電所や製鉄所等の産業向けに水素を供給
5.脱水素処理で分離したトルエンを再び豪州へ輸送し、MCH製造の原料として繰り返し利用本サプライチェーンにおいて使用するタンカー、貯蔵タンク、脱水素装置等の設備は、既存の当社の石油関連インフラをCO2フリー水素サプライチェーンにおいても 活用することが可能であることから、新規投資を抑制しつつ新たなエネルギーの供給体制を築くことが可能となります。
■参考 <フォーテスキュー社の概要>
正式名称 Fortescue Future Industries Pty Ltd
設立 2018年
代表者 Julie Shuttleworth,CEO
所在地 オーストラリア連邦西オーストラリア州パース市
事業内容 世界有数の鉄鉱石会社であるフォーテスキュー・メタルズ・グループ(Fortescue Metals Group)の完全子会社であり、水素および再生可能エネルギー関連のプロジェクトを所管する。2030年までのカーボンニュートラル達成を掲げ、鉱山周辺での再生可能エネルギー電源や送電線への投資を進めている。
<技術革新>
JFEエンジニアリング(株)
アグリ分野におけるAI活用
~農業ビッグデータ活用サービス"AIアグリフォース"誕生~(2021/9/15)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)はこのたび、施設園芸事業者様向けの農業ビッグデータ活用サービスを開発し、「AIアグリフォース」とネーミングして提供を開始しました。
昨今、施設園芸分野のデータ活用に関する取り組みが加速しています。農林水産省も「スマート農業総合推進対策事業」として、農業の担い手の多くがデータを活用した農業を実践するという政策目標のもと、行政や施設園芸事業者様をサポートしています。
「AIアグリフォース」には、ビッグデータの収集・可視化・分析・機械学習を一貫して行う当社開発のプラットフォーム「Pla'cello*1」の機能を活用します。温度・湿度・日射量やCO2濃度といった温室環境に関する膨大なデータを、収穫量やエネルギーコストと紐づけて施設園芸事業者様向けに提供します。 さらに、「AIアグリフォース」を活用して見える化した農業ビッグデータと、当社グループ会社Jファーム*2で培った温室の環境制御ノウハウとを組み合わせることで、施設園芸事業者様のエネルギーコスト削減や収量増加等を実現します。
当社は、くらしの礎を「創り」「担い」「つなぐ」企業として、アグリ分野での事業運営ノウハウと最先端の技術による持続可能な農業の推進を通して、SDGsの達成に向けて貢献してまいります。
*1 「Pla'cello」は、JFEエンジニアリング㈱の登録商標。詳細はニュースリリース参照
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2018/20181109.html参照
*2 JファームはJFEエンジが49%出資の農地所有適格法人。詳細はホームページ参照
https://jfarm-tomakomai.co.jp/about/index.html 参照
サービス活用イメージ

データの見える化・レポート化のイメージ
(株)浜銀総合研究所
企業経営予測調査(2021年9月調査)(2021/9/14)
神奈川県内上場企業の2021年4月~6月期決算の集計結果(2021/9/3)
東亜建設工業(株)
既設の桟橋鋼管杭の杭頭部付近に腐食あなが生じた場合でも適用可能な補修技術
「鋼板接着併用型タフリードPJ工法」を開発(2021/9/13)
 東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 秋山優樹)は、既設の桟橋鋼管杭の杭頭部付近に腐食あな*1が生じた場合においても、桟橋上部工の撤去や大規模な構造変更を伴う工事を行うことなく施設を供用しながら補修することができ、建設当初の耐力まで回復させることのできる補修技術「鋼板接着併用型タフリードPJ工法*2」を開発しました。
*1 鋼管杭の腐食が著しく進行して生じた貫通孔や開口を「腐食あな」または「あな」と表現しています。
*2 タフリードPJ工法(Tough and Flexible Advanced Mortar Method for Pile Jacketing)は、当社が開発した桟橋鋼管杭に対して高強度繊維補強モルタルを用いて補修する工法です。本工法に用いる高強度繊維補強モルタルを「タフリード」と称しています。
■工法開発の背景
旧基準に基づき設計された桟橋には、建設当時の設計で想定していたよりも速い速度で腐食が進行してしまったり、さまざまな事情により設計耐用期間を超えて供用を続けているものもあり、近年になって鋼管杭の腐食が著しく進行した事例が散見されています。特に、杭頭部付近の鋼管杭は、海水作用と地震・船舶接岸等の荷重作用の影響により劣化や損傷が生じやすく、この部位で鋼管杭が著しく腐食した場合には桟橋の安全性に大きく影響します。この場合、これまでは桟橋上部工を撤去した後に鋼管杭を補修した上で桟橋上部工を再構築する、または新たに別の部材を追加する方法(例えば、水中格点工法)を適用するなど、大掛かりな対策の実施が必要でした。
当社は、このような桟橋の供用停止を伴う補修方法しかなかった課題を解決すべくタフリードPJ工法を国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所、國枝稔岐阜大学教授、岩波光保 東京工業大学教授と共同で開発し、2015年4月にプレスリリースしております。当初開発したタフリードPJ工法は、既存の鉄筋コンクリートを用いた補修技術を改良したもので、適用範囲として、既設鋼管杭の残存耐力を期待できること(鋼管杭の残存肉厚6mm以上)を前提とした工法でした。そのため、既設鋼管杭の残存耐力を期待できないような著しい腐食やあなが生じている条件では、適用することができませんでした。
そこで、当初開発したタフリードPJ工法では適用できなかった条件に対しても確実な補修効果が得られる工法として、既存の鋼板を用いた鋼管杭の補修技術を改良した「鋼板接着併用型タフリードPJ工法」を開発しました。
■工法の概要
本工法は、杭頭部付近の鋼管杭に著しい腐食が生じている場合に、既存の鋼板を用いた補修では補強鋼板上部の定着が確保できない(溶接長が確保できない)課題を、タフリード(高強度・高靭性・高耐久性を併せ持つ繊維補強モルタル)を用いることで解決した工法です。既存の鋼板を用いた補修技術と同様に、杭頭部に発生する断面力に対して既設鋼管杭の耐力不足を補強鋼板により補う設計思想ですが、タフリードによる巻立てと補強鋼板の上端を杭頭プレート下面にすみ肉溶接を行うことにより、補強鋼板上部の定着を確保した点に、大きな特長があります。
タフリード巻立て部は補強鋼板と上部工を接合する重要な部材であるため、タフリード巻立てと補強鋼板はシアキー(ずれ止め)により、タフリード巻立てと上部工はアンカーボルトにより、それぞれ定着させて一体化します。なお、タフリード巻立て部より下方の補強鋼板に対しては、既存技術と同様、防食工を適用することができます。

鋼板接着併用型タフリードPJ工法の概要

巻立て部詳細

タフリード注入状況

試験体完成
■タフリードの特長
1.水結合材比が小さく、シリカフュームが混和されるので非常に緻密な材料です。
2.単位体積当たり1.5%の高強度ポリエチレン短繊維が混和されており、引張応力作用下では複数の微細ひび割れが分散して発生するため耐久性に優れ、また、ひび割れ発生後も高い引張強度を維持します。
3.材齢28日での圧縮強度は80N/mm2以上、引張強度は6N/mm2程度です。
4.鋼材腐食に影響する塩化物イオンや酸素の侵入に対する抵抗性が、通常のコンクリートよりも非常に高い材料です(塩化物イオンの見かけの拡散係数は0.012cm2/年程度)。
5.水分が供給される海洋環境下では、ひび割れを閉塞する自己治癒性が発揮されます。
6.現場製造が可能です。

複数微細ひび割れ発生状況
■工法の特長
・杭頭部付近の鋼管杭に腐食あなが生じた杭の断面耐力を建設当初の耐力まで回復できる。
断面耐力の回復は補強鋼板が担いますが、タフリードによる巻立てと補強鋼板の上端を杭頭プレート下面(または既設鋼管杭)にすみ肉溶接を行うことにより、補強鋼板上部の定着を確保します。
・桟橋上部工の撤去や大規模な構造変更を伴うことなく施設を供用しながら補修できる。
これまでは、桟橋上部工を撤去した後に鋼管杭を補修した上で桟橋上部工を再構築する、または新たに別の部材を追加する方法(例えば、水中格点工法)を適用するなど、大掛かりな対策の実施が必要でしたが、施設を供用しながら補修することが可能です。
■今後の展開
過酷な環境下に曝される桟橋のリニューアル工事に本工法を幅広く活用していただけるように、更なる施工性の向上やコストダウンを推進していきます。
■関連技術ページ
タフリードPJ工法
https://www.toa-const.co.jp/tech/tough_and_flexible_advanced_mortar_method/
東京電力エナジーパートナー(株)
グリーンイノベーション基金事業におけるカーボンニュートラル実現へ向けた大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換・利用技術開発に係る事業の開始について(2021/9/1)
山梨県(県庁:山梨県甲府市、知事:長崎幸太郎(ながさきこうたろう)、東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣(にっかくあきひろ)、以下「東レ」という。)、東京電力ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:小早川智明(こばやかわともあき)、以下「東京電力HD」という。)・東京電力エナジーパートナー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:秋本展秀(あきもとのぶひで)、以下「東京電力EP」という。)、日立造船株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役 取締役社長兼COO:三野禎男(みのさだお)、以下「日立造船」という。)、シーメンス・エナジー株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大築康彦(おおつきやすひこ)、以下「シーメンスエナジー」という。)、株式会社加地テック(本社:大阪府堺市、代表取締役社長:鈴木博士(すずきひろし)、以下「加地テック」という。)、三浦工業株式会社(本社:愛媛県松山市、代表取締役:宮内大介(みやうちだいすけ)、以下「三浦工業」という。)及びニチコン株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:吉田茂雄(よしだしげお)、以下「ニチコン」という。)は、グリーンイノベーション基金事業における国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の採択を受け(*1)、コンソーシアム「やまなし・ハイドロジェン・エネルギー・ソサエティ(H2-YES)」を構成し、大規模P2Gシステムによるエネルギー需要転換・利用技術開発に係る事業を、本日から開始します。
P2Gシステムは、再生可能エネルギー等由来の電力を活用し、水の電気分解から水素を製造する技術であり、カーボンニュートラル社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大と温室効果ガスの削減において、世界的に期待されています。山梨県、東レ及び東京電力HDは、NEDOの委託事業(*2)として、安全・安心にグリーン水素を利用できるP2Gシステムを、山梨県甲府市の米倉山電力貯蔵技術研究サイトに構築し、2021年6月から試運転を行っています。 今回の事業では、NEDOの委託事業における技術開発成果を活かし、2021年度から2025年度までの5年間で、再生可能エネルギーを安全・安心に水素エネルギーに転換できる固体高分子(PEM)形水電解を用いて、水電解装置の大型化・モジュール化に向けた設備設計や各種試験を行います。また、複数箇所において、モジュール化したP2Gシステムを16MW規模で導入し、大規模需要家におけるボイラー等による直接的な化石燃料の利用を水素エネルギーに転換する実証を計画しています。
今後、「水電解装置の大型化・モジュール化、及び優れた新部材の装置への実装技術開発」と、「熱需要や産業プロセス等の脱炭素化実証」を推進することにより、将来の再生可能エネルギーの大量導入に併せ、様々な地域や場所への当該システムの展開を目指して参ります。
山梨県は、本県で技術開発が進められたP2Gシステムのグローバルな展開により、カーボンフリー化を求める世界経済の大きな流れを背景に、今後更に価値が高まっていくグリーン水素へエネルギー利用を大きく転換させ、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル社会の実現に向け、先頭に立って取り組んで参ります。
東レは、優れた先端素材の力で「温室効果ガスの排出と吸収のバランスのとれた世界」など持続可能な社会の実現に取り組んでいます。本実証事業では当社開発の「炭化水素系電解質膜」を実装した高効率大型水電解装置を実現し、グリーン水素サプライチェーンの構築を通じて、水素社会・カーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。
東京電力HD・東京電力EPは、本実証事業で再生可能エネルギー由来の電力も利用できる“水の電気分解による水素の製造”から、“工場等のお客さまが熱エネルギーや産業用ガスとして水素を利用する”までをサプライチェーンでサービス提供することと、電化の推進を通じてカーボンニュートラル社会の実現を目指して参ります。
日立造船は、再生可能エネルギーをグリーン水素へ転換する水電解装置の大型化・モジュール化の開発に取り組み、グリーン水素製造インフラの社会実装を目指すとともに、再生可能エネルギー電源の導入拡大、水素の燃料化サプライチェーン構築などのP2G製品・サービスの普及を通じて、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
シーメンスエナジーは、世界で最も価値あるエネルギー機器ソリューション企業を目指して、日々カーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みを進めています。本実証事業に参画することにより、さらなるグリーン水素製造及び供給の実現に向け加速していきます。
加地テックは、カーボンニュートラル社会の実現を目指して、水素ステーション用をはじめとしたサプライチェーンに必要となる圧縮装置の開発・製造を進めています。本実証事業では、水素圧縮装置で培ってきた技術に関する知見を活かして、P2Gシステムで製造するグリーン水素の価値を向上させるシステムの開発に取り組んで参ります。
三浦工業は、産業用ボイラのトップメーカーであり、本実証においては再生可能エネルギー由来のグリーン水素燃料を活用した高効率な蒸気ボイラを開発し、お客様の熱需要の脱炭素化を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。
ニチコンは、電力変換技術でカーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。本実証事業では、これまで培ってきた知見を活かし水電解装置に最適な電力変換器の開発を進めます。大型化・モジュール化・電力変換の高効率化等の課題に取り組み、価値ある電力変換システムの創出により、P2Gシステムのさらなる発展を目指します。
*1 グリーンイノベーション基金事業/再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクト(2021年8月採択決定)
*2 水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/CO2フリーの水素社会構築を目指したP2Gシステム技術開発(2016年~)
東京電力パワーグリッド(株)
JTOWER、東京電力パワーグリッド、NTT東日本東京都と西新宿エリアにおけるスマートポールの面的設置に関する事業を展開(2021/9/1)
~西新宿エリアにスマートポール20基を新たに建柱。先端技術を活用したサービスを展開~
株式会社JTOWER(代表取締役社長:田中敦史、本社:東京都港区、以下JTOWER)、東京電力パワーグリッド株式会社(代表取締役社長 社長執行役員:金子禎則、本社:東京都千代田区、以下東京電力パワーグリッド)、東日本電信電話株式会社(代表取締役社長:井上福造、本社:東京都新宿区、以下NTT東日本)は、東京都が実施する「令和3年度西新宿エリアにおけるスマートポールの面的設置、運用及び検証事業」(以下 本事業)にて共同提案を実施したところ本提案が採択され、本日、JTOWERが代表事業者となり、東京都と協定を締結したことをお知らせします。
東京都は、世界最高のモバイルインターネット網の構築に向け、2019年8月に「TOKYO Data Highway 基本戦略(*1)」を発表し、西新宿エリアを5Gの重点エリアの一つに位置付けています。また、同年12月には「未来の東京」戦略ビジョン(*2)を発表し、西新宿エリアを「スマート東京」先行実施エリアと位置付け、5Gと先端技術を活用した分野横断的なサービスの都市実装に向けた取り組みを推進しています。JTOWERではこの取り組みの一環として、2020年、都庁前に5Gアンテナ基地局やWi-Fi等の機能を搭載したスマートポール2基の建柱を先行して実施しています。また、東京電力パワーグリッドは、同エリアにおいて配電地上機器1基の上部スペースに5Gアンテナ基地局とデジタルサイネージを設置する取り組みを実施しており、NTT東日本は各スマートポールの光回線整備や一部スマートポールのWi-Fi環境整備を実施しています。
本事業では、西新宿エリアにおける5G通信網のカバーエリア促進やスマート東京の実現に向け、新型スマートポール20基を設置し、各種実証事業等の取り組みを行うとともに、スマートポールの他地域への展開を見据えたビジネスモデルを構築することを目的としています。
JTOWER、東京電力パワーグリッド、NTT東日本の3社は本事業にて、インフラシェアリングを活用したスマートポール、光回線・電源設備等のインフラ整備、通信環境を活用した付加価値の高いスマートサービスの提供という各社の実績・強みを融合し、迅速かつ効率的に5G基盤整備を行うとともに、先端技術を活用したスマートシティサービスを展開します。
なお、本事業にあたり、ポール型とサイネージ型の2種類の新型スマートポールを開発します。「つなげる、つたえる、みえる」をコンセプトに、5Gアンテナ基地局、高速Wi-Fiアクセスポイント、給電、非常用バッテリーといった「つなげる」機能に加え、デジタルサイネージといった「つたえる」機能、AIカメラ、環境センサーといった「みえる」機能を搭載予定です。日常のいつでも誰でもインターネットにつながる環境、情報発信のツールとしての役割に加え、非常時の通信・電源機能、避難情報の発信等、防災への活用も期待されています。
JTOWER、東京電力パワーグリッド、NTT東日本は、本事業を通じ、東京都がめざす「スマート東京」の実現に貢献してまいります。また本事業を機に、今後も各社の連携を強化し、地域のデジタル化推進に向けた支援を幅広く展開していくことで、日本の「Society5.0」の進展をめざしてまいります。
*1 「TOKYO Data Highway 基本戦略」(令和元年8月策定)
世界最速のモバイルインターネット網の建設に着手し5Gネットワークの早期構築を目的とした東京都の基本戦略
https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/tokyodatahighway/pdf/tdh_ver01.pdf
*2 「未来の東京」戦略ビジョン(令和元年12月策定)
「未来の東京」戦略ビジョン(令和元年12月策定)
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/author53762/pdf/vision.pdf
■各社の主な役割
主な役割
JTOWER プロジェクト・マネジメント、スマートポール製作・建柱
各種検証・通信事業者誘致
東京電力パワーグリッド 収益性の検証、費用低減の検証
NTT東日本 スマートポール製作・建柱支援、ネットワークの構築、保守・運用、公益性の検証
■スマートポールのイメージ

ポール型

サイネージ型*SCALA株式会社製デジタルサイネージを使用
■スマートポール搭載機能
機能 詳細
5G無線設備スペース提供 5G無線基地局・アンテナ設置場所を提供
高速Wi-Fiアクセスポイント Wi-Fi6の提供(NTT東日本ギガらくWi-Fiを活用)
防犯カメラ クラウド型カメラによる撮影(NTT東日本 ギガらくカメラを活用)
分析カメラ 4Kカメラで取得した画像を映像AI解析機能を活用して解析
センサー データ収集・分析を行うIoTプラットフォームを活用
サイネージ SCALA株式会社製デジタルサイネージを活用
・JTOWERについて
(1)会社名:株式会社JTOWER
(2)所在地:東京都港区赤坂8-5-41
(3)代表取締役社長:田中敦史
(4)事業内容:国内外における通信インフラシェアリング等
(5)設立:2012年6月15日
・東京電力パワーグリッドについて
(1)会社名:東京電力パワーグリッド株式会社
(2)所在地:東京都千代田区内幸町1-1-3
(3)代表取締役社長 社長執行役員:金子 禎則
(4)事業内容:一般送配電事業、不動産賃貸事業及び離島における発電事業
(5)設立:2015年4月1日
・NTT東日本について
(1)会社名:東日本電信電話株式会社
(2)所在地:東京都新宿区西新宿3-19-2
(3)代表取締役社長:井上福造
(4)事業内容:東日本エリアにおける電気通信業務、附帯業務、目的達成業務等
(5)設立:1999年7月1日
2021年8月
<技術革新>
旭化成(株)
大規模水素製造システムを活用したグリーンケミカルプラント実証プロジェクトを開始(2021/8/26)
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小堀秀毅、以下「旭化成」)と、日揮ホールディングス株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役会長CEO:佐藤雅之、以下「日揮HD」)は、このたび国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」に対し、2021~2030年度を事業期間と想定した「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」と題したプロジェクト(以下、本プロジェクト)を共同提案し、採択されましたのでお知らせします。
■1.背景
カーボンニュートラル社会を実現していく上で、水素は重要な役割を果たすことが期待されております。旭化成は、NEDO事業*1の一環として福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)にて世界最大規模の10MW級アルカリ水電解システムを開発するなど、水素製造技術の実用化開発に取り組んでまいりました。また、日揮HDは、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)事業*2」を通じて、CO2フリー水素を活用したアンモニア製造技術の開発に取り組んでまいりました。
■2.本プロジェクトの概要
両社は、これまでに長期にわたり培ってきた水素関連技術を基に、その社会実装をより早く、より確実なものとするため、本プロジェクトにて、100MW級*3を見通した大規模アルカリ水電解システムおよび、再生可能エネルギー由来の水素を原料としたグリーンケミカルプラントの実証に共同で挑戦いたします。大規模アルカリ水電解システム開発では、FH2Rでの開発成果を要素技術開発にフィードバックするとともに、アルカリ水電解槽を並列設置するモジュール化技術を導入することで、安全性・耐久性・性能・コストの面で市場要求に適合した数十MW級のアルカリ水電解システムの実証および実用化に取り組みます。グリーンケミカルプラント開発においては、変動する再生可能エネルギー由来水素を原料としたプロセスにおいて、水素供給量を制御し運転最適化を実現する統合制御システムを旭化成と日揮HDで共同開発いたします。
さらに、統合制御システムを活用し、グリーンアンモニアなどの化学品の合成プラントのフィージビリティースタディ(FS)*4および技術実証に取り組みます。
また、グリーン水素やグリーンケミカルのサプライチェーンを構成する企業に本プロジェクトに参加いただき、社会実装における便益や課題を抽出することで、事業化と市場創出を加速していきます。2021年度中に三菱商事株式会社および株式会社JERAに委託企業として参加していただく計画です。
■3.本プロジェクトの技術開発項目と分担
(1)アルカリ水電解システムの大型化・モジュール化技術開発(旭化成)
(2)大型アルカリ水電解槽向け要素技術開発(旭化成)
(3)グリーンケミカルプラントのFSおよび技術実証(旭化成、日揮HD)

本プロジェクトの全体像
各社情報
■旭化成株式会社について
旭化成は、「Environment&Energy」をグループの価値提供注力分野の一つとし、経営資源を柔軟にシフトしていくことを掲げております。グループとして2050年にカーボンニュートラルを目指すとともに、グリーン水素の製造や蓄電池用部材、プラスチックリサイクル、CO2ケミストリーといった当社の技術・製品・サービスを通じて、世界の温室効果ガス(GHG)削減に取り組んでいきます。今後、さらにサプライチェーン企業群等との連携を強化し、創業以来培ってきた科学の力で世界の気候危機対策に総力をあげて取り組むことで、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献してまいります。
■旭化成グループのサステナビリティについて
https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/philosophy/about_sustainability/
■日揮ホールディングス株式会社について
日揮HDは、本年5月に長期経営ビジョン「2040年ビジョン」を策定し、その中で“Enhancing planetary health”を企業グループのパーパス(存在意義)として掲げ、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として「環境調和型社会」の実現と「エネルギーアクセス」の向上を特定しています。本プロジェクト以外でも、脱炭素社会への貢献が期待される水素とアンモニアの普及に向けた幅広い取り組みを行っています。
■日揮グループのサステナビリティについて
https://www.jgc.com/jp/esg-hsse/
*1 NEDO事業「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」
*2 SIP事業「エネルギーキャリア/CO2フリー水素利用アンモニア製造・貯蔵・輸送関連技術の開発」
*3 一般家庭約20万世帯分の平均消費電力に相当
*4 Feasibility Study:プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること
東京電力パワーグリッド(株)
シンガポール国での地下変電所建設プロジェクトに関わるコンサルタント業務の契約締結について(2021/8/23)
~東南アジアで初となる230kV地下変電所建設プロジェクトの技術支援を実施~
東京電力ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:小早川智明、以下「東京電力HD」)は、東京電力パワーグリッド株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:金子禎則、以下「東京電力PG」)および株式会社関電工(本社:東京都港区、代表取締役社長:仲摩俊男、以下「関電工」)と共同で、シンガポール国において、ガス・電力事業を担うシンガポールパワーグループ(本社:シンガポール、グループCEO:Stanley Huang Tian Guan、以下「SP Group」*1)と、本年7月14日に、地下変電所建設プロジェクトに関するコンサルタント業務の契約を締結しました。
利用可能な土地が限られたシンガポール国において、今後、変電所設置のために地下を活用するとの政府方針を踏まえ、SP Groupは、新たな経済中心地と位置付られているラブラドール地区にて、地下変電所の建設プロジェクトを進めているところです。
本プロジェクトは、東南アジアで初となる230kV地下変電所を建設するものであり、これまで、電気設備・建物間の技術協調を含む詳細設計等において、多くの技術的課題が挙げられておりました。
このような背景から、SP Groupは、地下変電所に係る知見を持つ技術パートナーを求めており、このたび、40年以上に亘る国内外での地下変電所の設計・建設と運転・保守の実績がある東京電力グループとのコンサルタント業務の契約に至りました。
本コンサルタント業務では、地下変電所に必要な変電設備や地中送電ケーブルの物品および工事の調達に関わる仕様の検討、入札者評価、建物工事における施工・工程管理面など、工事完了までの技術支援を実施いたします。
東京電力HD、東京電力PGおよび関電工の3社は、SP Groupによる地下変電所建設の実現と、同国におけるSDGs「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」、「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」の達成に向けて貢献するとともに、今後も、国内の送配電事業と海外コンサルタント業務で培った設備計画および設計・系統運用技術を業務に生かし、海外事業の拡大に挑戦していきます。
*1 SP Group:持株会社シンガポールパワー社(Singapore Power Limited)を代表とする、主にシンガポール国において電気・ガス事業を行うシンガポールでも有数の企業グループ
(株)浜銀総合研究所
2021年度・2022年度の景気予測(2021年8月改訂)(2021/8/23)
JFEスチール(株)
原料物流計画最適化システムを開発(2021/8/18)
~鉄鉱石ヤードの運用最適化による物流効率向上と安定操業の両立を実現~
当社はこのたび、製鉄主原料である鉄鉱石について、製鉄所内の物流計画を最適化するシステムを開発しました。本システムを導入し、鉄鉱石ヤード(置場)の運用計画を最適化することによって、物流効率の大幅な向上と安定操業の両立を実現しました。
製鉄所に到着した鉄鉱石は、ヤードに山状に積まれた状態で一時的に保管され、所定の品質を満たすよう配合された後、次工程の焼結機や高炉に送られます(*図1)。鉄鉱石は産地によって品質や成分が異なるため、それぞれの産地の鉄鉱石が混ざらないように保管されます。
ヤードを効率的に運用するためには、同じ種類の鉄鉱石をまとめて集積し、ヤード内の山数を少なくする必要があります(*図2)。一方で、過度に山数を減らしてしまうと、日常のメンテナンスやトラブル等で運搬設備を使用できない時に、必要な産地の鉄鉱石を払い出せないリスクが高まり、操業安定性が低下してしまうため、ヤード運用の効率性と操業安定性を高度に両立させる必要があります(*図3)。また、鉄鉱石が産出国から製鉄所に船舶で入荷するには、往復で約1~3か月もの時間を要するため、頻繁に発生する入荷タイミングのずれにも、柔軟に対応することが求められます。
従来は現場の担当者が、原料受入・払出計画、在庫状況、および船舶の運航状況などを確認しながら、当日から数週間先のヤード運用計画を手作業で作成していましたが、ヤード全体で扱う一日の鉄鉱石の量が数十万トンにも上り、鉄鉱石の種類や置場などの組み合わせ数が膨大に存在するため、運用計画のさらなる精度向上が課題となっていました。
そこで当社は、ヤードの最適な運用を可能とする「山配置計画システム」(*図4)を独自に開発しました。本システムでは、配合する頻度が高いなど、操業安定性に対する影響が大きい産地の鉄鉱石を分散して保管しながら、膨大な山配置のパターンから山数が最小となるパターンを日単位で選択するアルゴリズムによって、数十秒の計算で、数か月間にわたるヤードの最適な運用計画を作成することができます。これにより、安定操業を確保しながら、物流効率を大幅に向上させることが可能となりました。
既に西日本製鉄所(福山地区)に、本システムの導入を完了しています。今後は、原料炭や他地区への展開を進めるだけではなく、原料購買から次工程への払出に至る原料管理全体について、全社レベルでの最適化を推進していきます。
当社は、「JFE Digital Transformation Center」(『JDXC™』)を開設し、本システムの開発をはじめとする全製造プロセスのCPS(サイバーフィジカルシステム)化を進めるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション、以下DX)を積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DXを通じて解決していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

*図1 鉄鉱石ヤード

*図2 ヤード運用効率の考え方

*図3 ヤード運用効率性と操業安定性のトレードオフ

*図4 山配置最適化システム
<国内外展開>
JFEエンジニアリング(株)
「中部圏水素利用協議会」に参画(2021/8/17)
~カーボンニュートラル社会に貢献する大規模な水素サプライチェーン構築を検討~
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、このたび、中部地方における水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーン構築を目指し、水素の大規模利用の可能性を検討する「中部圏水素利用協議会(以下、協議会)」に参画しました。当社はカーボンニュートラル社会実現に向けたエネルギー生産・輸送・供給インフラに関する新たな取組みを多方面において加速化しており*1、本協議会への参画もその一環となります。
本協議会は「中部圏における水素の2025年社会実装、2030年商用化開始」という目標を掲げ、石油・ガス・電力などのエネルギーをはじめ、石油化学、自動車、金融など様々な業界を代表する企業により2020年3月に発足し、産業界全体で横断的に検討を進める国内初の取組みとなります*2
また、このたび、協議会会員企業のうち5社(住友商事株式会社、千代田化工建設株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社日本総合研究所、株式会社三井住友銀行、以下総称して「共同受託者」)が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)より、「中部圏における海外輸入水素の受入配送事業に関する実現可能性調査」(以下、「本調査」)を受託しました*3
本調査では、2021年2月に協議会より発表した中部圏の水素需要ポテンシャル調査結果*4をベースに、大規模な水素サプライチェーン構築に向けた検討を具体化させることを目的としています。中部圏での海外からの水素輸入を前提とした大規模受入・配送事業の経済性を検証し、事業化に必要なファイナンス、技術、制度面における課題を整理します。
新たに協議会に参画した当社も会員企業の立場として、大型受入基地と産業セクター・地域を繋ぐパイプラインなどの水素配送サプライチェーンの構築に向けた技術的な条件・課題の整理、および計画立案の役割を担います。
当社は今後も、様々な取り組みを通じて2050年カーボンニュートラル達成へ大きく貢献して参ります。
*1 https://www.jfe-eng.co.jp/news/2021/20210624.html 参照
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2021/20210806.html 参照
*2 ■協議会 参画企業 *2021年8月時点。50音順。*は事務局
出光興産株式会社、岩谷産業株式会社、ENEOS株式会社、川崎重工業株式会社、*住友商事株式会社、中部電力株式会社、千代田化工建設株式会社、東邦ガス株式会社、*トヨタ自動車株式会社、日本製鉄株式会社、日本エア・リキード合同会社、株式会社日本総合研究所、*株式会社三井住友銀行、三菱ケミカル株式会社
■協議会の目的、主な活動内容
水素社会の実現に向け、需要サイドにおける大規模な水素利用の具体的な方策を検討し、供給サイドと連携を図りながら社会実装に向けた取り組みを進めます。
▽海外からの水素大規模輸送が始まることを想定した、中部圏での水素受入拠点から需要サイドまでのサプライチェーンの検討
▽発電・石油産業等の各製造業の企業活動やモビリティでの利用など、中部圏全体での水素利用量のポテンシャルの試算
▽各々の需要サイドで受け入れ可能な水素コストの検討
▽実現に向けた技術面・金融面・制度面での課題を整理し、必要な施策と社会実装につながる事業モデルを提案
*3 https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101462.html 参照
https://www.nedo.go.jp/content/100935314.pdf(7ページ目 参照
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2021/group/14950 参照
(住友商事株式会社殿 リリースより)
*4 https://www.sumitomocorp.com/jp/-/media/Files/hq/news/release/2021/14390/1.pdf?la=ja 参照(住友商事株式会社殿 リリースより)
綜合警備保障(株)
神奈川県「最先端ロボットプロジェクト」に当社の無人航空機を用いた河川維持管理ソリューションが採択(2021/8/17)
ALSOK(本社:東京都港区、社長:青山幸恭)は、神奈川県が公募した「最先端ロボットプロジェクト」において、昨年度に引き続き、当社が提案した「無人航空機を用いた河川維持管理ソリューション(河川残留者の検出~避難呼びかけ、および河床測量プロジェクト)」が採択されました。
■1プロジェクトの概要

■参考
(1)最先端ロボットプロジェクト
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/saisentan.html
(2)さがみロボット産業特区
https://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/
(3)神奈川県記者発表資料「最先端ロボットプロジェクト」採択案件を決定しました!
(2021年7月30日)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/prs/r4154263.html
ENEOS(株)
川崎市内での取組
当社製油所において有機ハイドライドMCHから水素を取り出す実証を開始します!(2021/8/10)~国内初の既存装置へのMCH投入実証~
当社(社長:大田勝幸)は、CO2フリー水素サプライチェーンの構築に向け、当社製油所の石油精製装置において、水素のキャリアである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(以下「MCH」) *1から水素を取り出し(脱水素、利用する実証を開始しますのでお知らせいたします。石油精製の既存 装置を使用したMCHの脱水素は、国内初の取り組みです。また、本実証で使用するMCHの調達については、本日、「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(千代田化工建設、日本郵船、三菱商事、三井物産で構成、以下「AHEAD」)」と売買基本契約を締結しましたので併せてお知らせいたします。AHEADはブルネイ・ダルサラーム国において未利用エネルギー由来の水素からMCHを製造します。*2
なお、本実証は、石油供給構造高度化事業コンソーシアム(以下「CROS」)が実施する、令和3年度予算「石油コンビナートの生産性向上及び強靭化推進事業(石油コンビナートの立地基盤整備支援事業)」技術実証支援事業*3に採択されました。 当社は脱炭素に向けた本格的な水素の大量消費社会を見据えて、国内外でCO2フリー水素サプライチェーン構築に取り組んでおります。製油所は、沿岸部に立地し大型船が停泊できる桟橋を保有していること保有していること、近隣に発電所、製鉄所、化学プラントなどの大規模水素需要家がいることから、海外で製造されたCO2フリー水素の供給拠点となる高いポテンシャルを有しています。製油所の既存設備を活用してMCHから水素を取り出すプロセスの実証は大きな新規設備投資を必要としないことから、将来のCO2フリー水素サプライチェーンの構築・拡大において重要な意味を持つものと考えています。
本実証は、川崎製油所をはじめとする当社の3製油所を候補地として、海外で製造されたMCHの受け入れから、石油精製の既存装置を活用した水素の製造・利用での一連のプロセスを検証するものです。脱水素機能を有する石油精製装置にMCHを投入し、装置稼働への影響を把握することでMCH使用可能量などを検討します。また、MCHから製造した水素は石油製品の脱硫などに利用します。
当社は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals )の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」 、目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」および目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成につながる本実証などを通じて、CO2フリー水素サプライチェーンを構築し、低炭素エネルギーの安定効率供給に取り組んでまいります。
*1 水素ガスの500分の1の容積で常温常圧の液体。貯蔵や輸送など取り扱いが容易なことが特徴。
*2 MCH製造にあたって、AHEADは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業で使用した装置を使用。
*3 石油コンビナートの生産性向上に向けた構造改善や製油所のグリーン化に向けた取り組みに要する費用を補助するもの。
■本実証の概要
概要 MCHの受け入れから水素の製造・利用について、製油所で実稼働している設備を活用する一連のプロセスを実証する。
実証候補地 川崎製油所、和歌山製油所、水島製油所
主な実証内容 ・ケミカルタンカーを使用したMCHの受入
・脱水素機能がある石油精製装置へのMCH投入
・MCH投入によるトルエン回収装置への影響
実証期間 2023度末まで(予定)

■事業フロー の全体図
■AHEAD概要
正式名称 次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合
設立 2027年7月3日
代表者 理事長 森本孝和
所在地 横浜市西区みなとみらい四丁目6番2号
みなとみらいグランドセントラルタワー千代田化工建設株式会社内
事業内容 本組合は、有機ケミカルハイドライド法を利用して、海外に賦存する未利用エネルギーを安定的に日本に輸送し日本国内に安定的に供給する水素サプライチェーンの試験研究及び実用化を図るため、次の事業を行う。
1.サプライチェーンを設計・構築・運用する為のノウハウ・知見の蓄積と、商業ベースのサプライチェーン全体の最適設計を検討
2.水素サプライチェーンの実証運用を通じ、商業ベースのサプライチェーンに類似した環境において、設備の耐久性・可用性の検証を行うこと。
3.水素サプライチェーンの実証運用を通じ、海外からの安定的な水素供給の実効性を確認すること。
2021年7月
綜合警備保障(株)
日本テレビで「屋内を警備するAIを搭載した完全自律飛行ドローン」が紹介されました(2021/7/26)
2021年7月25日(日)、日本テレビ「博士は今日も嫉妬する」にて、ルートを一度教えたあとは発着から巡回まで自動飛行で屋内を警備してくれるドローンとして、当社のGPSを使用することが困難な屋内での運用を可能にしたAI搭載の完全自律飛行ドローンが紹介されました。

放送内容は、番組の公式ホームページのバックナンバーからご覧いただけます。 https://www.ntv.co.jp/hakase/backnumber/017.html
参考:ニュースリリース
■日本初 AIを搭載した完全自律飛行ドローン警備システムの屋内実証を東京スカイツリータウン®で実施~ドローンを活用した警備の省人化と効率化を実現~(2020年7月15日) https://www.alsok.co.jp/company/news/news_details.htm?cat=2&id2=1039
JFEエンジニアリング(株)
モノパイル式基礎の新工場建設に向けた設備投資を決定(2021/7/20)
~国内初の洋上風力着床式基礎製造拠点~
JFEエンジニアリング株式会社(代表取締役社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、この度、洋上風力発電設備の着床式基礎(モノパイル式)新工場の設備投資を決定いたしました。モノパイル式基礎は、支柱としてのモノパイルと風車タワーとの接続のためのトランジションピースで構成され、極厚・大口径・長尺の超重量物で、国内既存工場では製造が困難な大きさであり、完成すれば本工場は国内初のモノパイル式基礎製造工場(以下、モノパイル工場)となります。
政府は、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を揚げ、洋上風力発電は再生可能エネルギー主力電源化の切り札として期待されています。昨年12月に発表された「洋上風力産業ビジョン(第1次)」においては、2040年までに30~45GWの案件形成と国内調達比率を60%にする目標が示されました。
当社がモノパイル式基礎の国内製造事業に着手することは、この政府目標の達成に大きく寄与するものとなります。
モノパイル工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)の敷地内(岡山県笠岡市)に建設予定です。JFEスチールが製造した大単重厚板を岡山県笠岡市内の新工場に輸送した後、モノパイルとトランジションピース素管を製造します。その後、モノパイルについては洋上風力発電事業の建設地へ直接、海上輸送します。一方、トランジションピース素管についてはJFEエンジニアリング津製作所へ海上輸送し、2次部材、内装品を設置してトランジションピース完成品とした後、津製作所より建設地へ海上輸送します。
両拠点への設備投資総額は、約400億円を見込んでおります。
当社は、速やかに国内モノパイル製造拠点を整備するとともに、将来的には既に港湾桟橋等で豊富な実績があるジャケット式基礎を加え、洋上風力基礎製造のフルラインナップ体制を確立します。急拡大する洋上風力発電の建設需要に確実に応えるとともに、カーボンニュートラル実現に大きく貢献して参ります。
■モノパイル工場の概要
製造場所 岡山県笠岡市(JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)内)
〔モノパイル及びトランジションピース素管〕
投資内容 工場建屋、製造設備、運搬設備、岸壁整備など
敷地面積 約20ha(保管エリア含む)
生産能力 年産8~10万トン程度
建設開始 2022年5月
生産開始 2024年4月(ラウンド1案件に間に合わせる予定)
■トランジションピース組立工場の概要
製造場所 三重県津市(JFEエンジニアリング津製作所
投資内容 運搬設備、地盤改良など
生産能力 年産50本程度
生産開始 2024年4月(ラウンド1案件に間に合わせる予定

新工場建設地 地図

工場製作概要
東京電力エナジーパートナー(株)
羽田空港で感染症対策システム「ウイルスフリーエア」の実証実験を開始
~空港におけるウイルス除去効果を国内初検証~(2021/7/20)
国立大学法人神戸大学(本部:神戸市灘区、学長:藤澤正人、特命教授:長廣剛以下、「神戸大学」)、日本空港ビルデング株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:横田信秋、以下「日本空港ビルデング」)、東京電力エナジーパートナー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:秋本展秀、以下「東京電力EP」)および日本ファシリティ・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:田中康史、以下「JFS」)の4社は、2021年7月18日から羽田空港内において、空気清浄ユニット「ウイルスフリーエア」によるウイルス除去効果、ならびに空調システムの省エネ効果の実証実験を開始しました。
「ウイルスフリーエア」は、室内の空気を取り込み、冷陰極管「CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)」を光源とした紫外線を照射することで、空気中のウイルス等を除去するとともに、空気そのものを低濃度オゾン化してウイルス除去能力を持たせ、その空気を循環させる空気清浄ユニットです。
また「ウイルスフリーエア」は、上下約4mのパイプを持ち、天井・床付近に滞留する空気を取り込み、約2.2mの高さから排気・循環させることで、空間上下で発生する温度差等を空調として利用します。

本実証実験では、5台の「ウイルスフリーエア」を羽田空港第1ターミナル南側の手荷物受取場の5か所に設置し、ウイルス除去効果と省エネ効果について、2022年3月まで検証を行います。
ウイルス除去効果の実証実験については、多くのお客さまが空港を通常利用している状態で、機器設置エリア/非設置エリアにおける、雑菌状況等を確認してまいります。空調システムによる空間中の殺菌効果を実際に検証することは、空港のような大規模空間において初の事例となり、既に7月19日時点で、約93%の殺菌効果があることを確認しております。
また、省エネ効果の実証実験についても同様に、多くのお客さまが空港を通常利用している状態で、空港内機器設置エリアにおいて、温湿度環境、空調システムの利用実態などを確認し、省エネ効果を検証してまいります。「ウイルスフリーエア」による省エネ効果と既存の空調設備の効率的な運用方法を検証し、将来的には、AIが人の行動を予測し、換気量や空調する場所を適切にコントロールするスマート空調の実現を目指します。
本実証実験において、神戸大学はシステムの設計・設置およびウイルス除去と省エネの効果検証、日本空港ビルデングは実証実験場所の提供と日常点検、東京電力EPとJFSは、実証実験や省エネ効果に関するノウハウ等の支援および事業化の検討を行います。実証実験後、年間を通じたウイルス除去性能や、省エネ効率をもとに、イベントホールや商業施設等の大規模空間を保有する事業者に対して、産学連携によるサービスの展開を目指します。
4社は、今後も連携し、空港をご利用されるお客さまに安心・快適なサービスの提供を目指してまいります。
別紙
・ウイルス除去効果・空調システムの省エネ効果実証実験概要(1.01MB)
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2021/pdf/210720j0101.pdf
■ウイルス除去効果実証実験の補足 7月18日から19日までの試運転による殺菌効果を確認したもの。多くのお客さまがいるターミナル内では、ウイルス頒布による実証ができないため、日常的な空間に漂う常在菌を用いて殺菌効果を実証した。常在菌の殺菌率とウイルス除去の関係性については、神戸大学の学内実験から相関性関係を確認しており、常在菌の殺菌効果をウイルスの除去とみなしています。
JFEスチール(株)
「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」、カーボンリサイクルメタンが船舶のゼロエミッション燃料になりうることを確認(2021/7/19)
~メタネーション技術によるゼロエミッションを目指した取り組みが学会誌に掲載~
「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」(WG=ワーキンググループ、以下「本WG」)は、メタネーション技術(*1)によって製造されたカーボンリサイクルメタンが、船舶のゼロエミッション燃料となりうることを確認しました。本WGで行った計算手順と評価の詳細を記した技術論文が日本マリンエンジニアリング学会誌の最新号に掲載されました。
カーボンニュートラル社会実現への道筋の一つとして、排出されたCO2を回収・再利用するカーボンリサイクルの重要性が高まっています。本WGは、メタネーション技術を船舶のゼロエミッション燃料(*2)に活用する構想の実現可能性を探ることを目的として、CCR研究会(*3)に設置され、2020年7月に9社による活動を開始しました。本WGの活動においては、カーボンリサイクルメタンがゼロエミッション燃料となりうることが大前提であることから、第一の課題として、その可能性評価に取り組みました。
国際海事機関(IMO)では、カーボンリサイクルメタンの船上での燃料燃焼(Tank to Propeller)による排出量算定ルールが未整備である一方、燃料供給プロセス(Well to Tank)におけるCO2排出への配慮の重要性が指摘されています。本WGでは、カーボンリサイクルメタン燃料の供給に関わるサプライチェーンとして、①CO2分離・回収、②CO2輸送、③メタネーション燃料合成、④メタネーション燃料液化の4プロセスを想定し、評価(*4)を行いました。その結果、メタネーションによるカーボンリサイクルメタン燃料の単位熱量当たりCO2排出量は、約27g-CO2/MJとなりました(Well to Propellerに相当)。
この数値は、一般にゼロエミッション燃料として認識されている他の代替燃料候補と比較して遜色ない水準であり、カーボンリサイクルメタンがゼロエミッション燃料になりうることが確認されました。また、分離回収技術の効率改善や再生可能エネルギー由来の電力利用などで、約20g-CO2/MJまで削減することが見込まれます。なお、今回実施した可能性評価に関わる計算手順と評価の詳細を記した技術論文が「日本マリンエンジニアリング学会誌56巻4号」に掲載されました。
本WGは今後、カーボンリサイクルメタンの船舶燃料としての実現可能性をさらに検証するため、大型輸送船によるCO2の輸送、再生可能エネルギー由来水素の供給、メタンスリップ(*5)の防止、液化したメタネーション燃料の供給インフラ、および経済性といった課題への取り組みを進めていきます。
JFEスチールは、原材料および製品の輸送のほとんどを船舶で運搬する鉄鋼業にとって、分離・回収したCO2から船舶燃料としての合成メタンの生成・輸送を目指す本WGは、鉄鋼サプライチェーン全体でのCO2排出量削減に貢献できる意義の大きい取り組みと認識しています。このような取り組みを進めるにあたっては、技術開発だけではなく、回収したCO2の排出帰属先に関する国際的なルールの整備など、社会の仕組みづくりも重要と考えています。JFEグループは、気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置づけ、本年5月に「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を公表し、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指しています。鉄鋼製造プロセスだけではなく、社会全体のCO2排出量削減にも寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 メタネーションとは、触媒を充填した反応容器内で水素とCO2を反応させ、天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術である。産業施設などから排出され、分離・回収したCO2を利用する。合成されたメタンを燃焼させる際に発生するCO2は、分離・回収したCO2と相殺されると考えられるため、将来的に再生可能エネルギー由来の電力で水を電気分解することによって生成した水素を利用すれば、CO2の排出を大幅に削減したとみなすことができる。
*2 国際海運におけるGHG(=温室効果ガス)排出対策を検討している国際海事機関(IMO)では2018年4月にGHG初期削減戦略を採択し、2030年までにCO2の排出量を効率ベースで2008年比40%削減、2050年までにGHG排出の総量を2008年比で半減、および今世紀中のなるべく早期に国際海運からのGHG排出をゼロとするという目標が設定された。メタネーションによるカーボンリサイクルメタンはゼロエミッションを実現する技術となりうるとして注目されている。
*3 CCR(Carbon Capture & Reuse)研究会は産業界から排出されるCO2を再生可能エネルギー由来水素と組み合わせ、合成メタン等の代替エネルギーを提供することで、化石燃料の使用量削減に実効的なカーボンニュートラルの対策を提案するとともに、2050年に向けた新たなエネルギー供給システム構築に寄与することを目指し、設立された。
https://ccr-tech.org/
*4 今回想定したサプライチェーンは複数国にわたるため、排出したCO2について、外航海運を含めてどの国の発生量としてカウントするかという問題が発生するが、国際的な枠組みや合意が形成されていないため、現時点では未定である。

「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」参加9社の役割
*5 燃料として主機に投入されたメタンのうち、燃焼せずに排気されるメタンを指す。メタンはGHGであり、CO2の約25倍の温室効果がある。
(Member of Ship Carbon Recycling Working Group)
株式会社エックス都市研究所 代表取締役:内藤弘 本社:東京都豊島区
JFEスチール株式会社 代表取締役社長:北野嘉久 本社:東京都千代田区
株式会社商船三井
(本WG幹事会社)
代表取締役社長:橋本剛 本社:東京都港区
株式会社新来島サノヤス造船 代表取締役社長:森本洋二 本社:岡山県倉敷市
日揮グローバル株式会社 代表取締役社長執行役員:山﨑裕 本社:神奈川県横浜市
一般財団法人日本海事協会
(本WG事務局)
代表理事会長:坂下広朗 本部:東京都千代田区
日本シップヤード株式会社 代表取締役社長:前田明徳 本社:東京都千代田区
日本製鉄株式会社 代表取締役社長:橋本英二 本社:東京都千代田区
日立造船株式会社 代表取締役取締役社長兼COO:三野禎男 本社:大阪府大阪市
ENEOS(株)
サービスステーションでの新デジタル技術サービスの実証実験を開始!(2021/7/16)
~デジタル技術活用による利便性向上を目指して~
当社(社長:大田勝幸)は、このたび、Dr.Driveセルフ荻窪店(東京都杉並区)において、業界初の取り組みとなる非接触POSの導入をはじめ、リモート接客およびデジタルサイネージといったサービスステーション(以下、「SS」)における新デジタル技術サービスの実証実験を開始します。これらの取り組みは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてさらに高まる「非接触」や「非対面」といったお客様のニーズや、恒常的な人手不足の解消という運営店のニーズへ対応することを目的としています。
当社は、2040年グループ長期ビジョンにおいて、エネルギー供給に加え、モビリティおよび生活に関連するサービスをトータルで提供するENEOSプラットフォームの構築を目指しており、今般の実証を通して、デジタル技術を活用した様々な「商品」「サービス」を提供することで、SSを中心とした同プラットフォームにおける、お客様の利便性向上に取り組んでまいります。
当社は、当デジタル技術サービス等、お客様の利便性を高めるサービスを積極的に導入することにより、次世代エネルギー供給・地域サービスのプラットフォーム(「ENEOSプラットフォーム」)の付加価値を高め、将来にわたってお客様に支持されることで、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の達成に貢献してまいります。
■実証実験の概要
技術・サービス 実証内容 目的
・非接触POS 非接触POSによるサービスの有効性・操作性・耐久性の検証 ・非対面へのニーズに対応
・リモート接客 非対面接客による、システムの有効性・操作性の検証 ・非対面へのニーズに対応
・省力化による運営サポート
・デジタルサイネージ デジタルサイネージによる告知の視認性・認知度合の検証 ・より効率的、効果的な告知
・告知物交換作業の削減で省力化
・ポスター、看板等の廃棄物削減
※実証期間は2021年9月末まで
■実証SS概要
店舗名称 Dr.Driveセルフ荻窪店
住所 東京都杉並区南荻窪1丁目6−19
運営者名 株式会社ENEOSフロンティア
営業時間 24時間営業
<実証概要>
■非接触POS(下記2パターン設置)
[空中ディスプレイ+赤外線センサー一体型]
空中にバーチャルPOS画面を映出。
赤外線センサーと組み合わせ、注文を実施

[赤外線センサー後付け外設端末]
画面上に赤外線センサーを設置し(黄枠部)、画面を触れずに注文が可能
(イメージ)
(画面を横から見た図)
■リモート接客
[接客の流れ・イメージ]
お客様がエネオスカードやENEOSでんき入会お申し出

SS店内のブースにご案内

リモートオペレーターが入会手続きサポート
[リモートオペレーターの役割]
・スタッフに代わり対応することでの店舗省力化
・高度な説明が伴う商材についてはリモートオペレーターが説明も実施
[利用風景]
■デジタルサイネージ
[設置場所]
[採光式サイネージ]
・表面は一般的な告知物と同様に告知コンテンツを表示(左図)
・LEDパネルにスリットが入っているため光を採りこみ室内の明るさが保てる。
・裏面側(室内)からの視界も確保できる(右図)

           (表面)           (裏面・室内から)
(株)浜銀総合研究所
2021・2022年度の神奈川県内経済見通し(2021/7/16)
企業経営予測調査(2021年6月特別)(2021/7/2)
東京ガス(株)
メタネーション実証試験を2021年度内に開始(2021/7/7)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)は、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、都市ガスの脱炭素化技術であるメタネーションの実証試験(以下「本実証」)を、2021年度内に開始します。
メタネーションは、水素と二酸化炭素(CO2)を原料としたメタン合成の呼称であり、将来の都市ガスの脱炭素化に向けた有望な技術の1つと位置付けられています。CO2フリー水素とCO2を利用した合成メタンから都市ガスを製造することで、ガス利用機器も含めた既存の都市ガスインフラ・機器を有効活用でき、追加的な社会コストを抑制しつつ、都市ガスの脱炭素化を達成できます。
本実証は、再生可能エネルギー由来の電力調達から合成メタン製造・利用までの一連の技術・ノウハウの獲得、水電解装置・メタネーション装置の実力値や課題の把握、システム全体での効率等の知見獲得を目的に実施します。メタネーションについては、既存技術である「サバティエ」の実証に加え、より一層の高効率化を目指す「ハイブリッドサバティエ」、設備コスト低減が見込める「PEM*1CO2還元技術」や「バイオリアクター」等の革新的技術開発を、複数の機関と連携して進めます。将来的には、地域のカーボンニュートラル化に向けた地産地消モデルの検討や開発した技術の実証を行うとともに、当社LNG基地などでのより大規模な実証試験、サプライチェーンの構築につなげていきます。
■本実証の概要
場所:神奈川県横浜市鶴見区 当社敷地内(約2100m2
水電解装置 ・ITM Power社製のPEM水電解装置の実性能評価と、同装置のシステム構成の知見を習得
・自社開発のセルスタックを搭載した低コスト水電解装置の性能評価と課題抽出
メタネーション装置 ・既存メタネーション装置の性能評価(メタン製造能力や排熱量等)や課題抽出
・メタネーションに関する革新的技術の評価
CO2分離・回収 ・CO2分離・回収に関する新技術(DAC*2など)の基礎研究と技術評価
システム全体 ・変動する再エネ電源から合成メタンを製造するまでの一連の需給バランスの技術やノウハウの獲得、システム全体での効率(≒事業性)の知見獲得

本実証の全体イメージ

東京ガスが取り組むメタネーションに関する革新的技術開発
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、水素製造コストの低減・CO2のマネジメント技術(CCUS*3)開発を強化しています。本実証を通じ、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた技術開発の更なる早期実現を図り、CO2ネット・ゼロをリードすることで、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に貢献してまいります。
*1 Polymer Electrolyte Membrane (固体高分子電解膜)
*2 Direct Air Capture (大気からのCO2直接回収)
*3 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・利用・貯留)

味の素(株)
循環型ショッピングプラットフォームLoopに参画、再使用容器を用いた調味料を発売 
2021年8月31日(火)よりLoopウェブサイトで販売開始(2021/7/5)
~持続可能な資源循環型社会の構築を目指して~
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、米国発のスタートアップ企業テラサイクル(本社:米国ニュージャージー州)が開発し、子会社のLoop Japan合同会社(アジア太平洋統括責任者:エリック・カワバタ、本社:神奈川県横浜市、以下ループジャパン)が日本国内にて実証実験を進めている、再使用容器を用いた循環型ショッピングプラットフォームであるLoopにブランドパートナー企業として参画し、Loop専用容器入り調味料3製品を2021年8月31日(火)よりLoopのウェブサイトで販売開始します。開始当初は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の5,000世帯限定での販売となります。

左から「味の素KKコンソメ」<顆粒75g瓶Loop>、「ほんだし®」<75g瓶Loop>、
「丸鶏がらスープ」<70g瓶Loop>
海洋プラスチックごみなど、地球環境に悪影響を与える廃棄物の問題が深刻化する中、材料から製品を生産し、利用・消費後に廃棄処分するという従来の“直線型経済”から、サステナブルな“循環型経済”への転換が進んでいます。当社の2020-2025中期経営計画でも、資源循環型社会の構築に向け、味の素グループで使用するプラスチック廃棄物を2030年までにゼロ化することを目標にしています。
そこでこの度当社は、主力製品でありキッチンで繰り返し使用される調味料である「ほんだし®」、「味の素KKコンソメ」顆粒タイプ、「丸鶏がらスープ」の和・洋・中の風味調味料3製品について、再使用容器を用いたLoop専用の新製品を発売します。
3製品共に同形状のガラス製の再使用容器を使用。「ほんだし®」はかつお、「味の素KKコンソメ」はにんじん、「丸鶏がらスープ」はにわとりをモチーフに、Loopのコンセプトを表現した循環型オリジナルロゴと、おなじみのブランドロゴを組み合わせてデザインしました。統一感があるので、3製品揃えることで、保管や使用の際により楽しんでいただくことができます。
Loopは、専用の再使用容器に入った製品を生活者が購入、利用した後、空になった容器を回収して洗浄殺菌し、新たに中身を詰め直して販売するプラットフォームで、使用後に廃棄されるプラスチック容器を主とした使い捨てのごみを削減することを目的にしています。使い捨てでなくなることから、容器のデザイン性や機能性を高め、製品としての新たな価値を提供することも可能となります(Loopの仕組みについては以下を参照)。
今後は調味料以外の製品を含めた発売品種の追加、さらに将来的にはデジタル技術による新たな価値の付加など、Loop専用製品の購入・使用を通じて、生活者が無理なく楽しみながら、地球環境にやさしく持続可能なライフスタイルを送ることができるよう検討を進めます。
当社はこの取り組みを通じ、持続可能な資源循環型社会の実現に貢献するとともに、今後も様々な外部パートナーとの連携を進め、生活者に新たな価値を提供することで「食と健康の課題解決企業」を目指します。
■Loop利用手順
(1) Loopのウェブサイトから製品を購入。購入時には製品代に加え、容器預かり金を支払う。
(2) Loop専用トートバックに入った製品が指定の住所に配送される(別途配送料が必要)。
(3) 使用後、次の製品を購入。配達時に使用済み容器が回収される。容器回収のみの依頼も可能(別途配送料が必要)。
(4) 回収容器の検品後、預かり金が戻る(回収容器は洗浄殺菌後、新たに中身を充填され、販売される)。

■1.製品概要
(1) 製品名:「ほんだし®」<75g瓶Loop>、「味の素KKコンソメ」<顆粒75g瓶Loop>「丸鶏がらスープ」<70g瓶Loop>
(2) 特長:再使用可能で、廃棄物が少なく環境に優しいうえ、スタイリッシュなデザインで使うのが楽しくなる容器入りの風味調味料です。容器の素材には、ガラス(瓶)、スチール(キャップ)、紙(裏面ラベル、改ざん防止シール)を使用しています。
(3) 価格:3製品ともLoop日本版ウェブサイト内で486円(税込)で販売予定 *別途容器預かり金200円(消費税対象外)が必要となります。預かり金は容器返却後返金されます。
(4) 賞味期間:13カ月(常温未開封)
(5) 賞味期限:年月表示
■2.発売日:2021年8月31日(火)
■3.販売チャネル: Loop日本版ウェブサイト(http://loopstore.jp)*購入に当たっては上記サイトでの事前登録が必要です。その後ループジャパンよりLoopを利用するための本登録方法などが案内されます。
■4.利用可能地域: 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
■5.利用可能世帯数 : 販売開始時5,000世帯
2021年6月
東亜建設工業(株)
「冷蔵倉庫を稼働しながらの耐震補強工法」を開発 THJ®耐震補強工法(2021/6/30)
東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 秋山優樹)は、稼働中の冷蔵倉庫内をマイナス温度帯に保ったまま(-25℃まで対応可能)でも、常温での施工と同等の耐震性能を確保できる耐震補強工法『THJ®耐震補強工法』を開発しました。
■開発の背景
旧耐震基準に基づいて建てられたF級(フリーザー級)冷蔵倉庫は、現在も多くが稼働していますが、それらの多くは耐震改修促進法における耐震性能の判断基準となる構造耐震指標(Is値)0.6を下回っているため、地震による倒壊または崩壊のおそれがあり、耐震改修の早急な実施が望まれます。
しかしながら、冷蔵倉庫を建て替えるには、倉庫内の荷物を他の倉庫へ一時的に移動する必要があり、仮保管できる倉庫も限られるため、事業に多大な影響を及ぼします。また、冷蔵倉庫の耐震改修工事を実施する場合にも、冷凍機を一旦停止し、倉庫内を常温に戻してから施工する必要があるため、建て替えの場合と同様に一時的に荷物を移動する必要があります。これらの対応は事業上、非常に困難であるため、耐震改修が進まないといった現状があります。
そこで当社は、稼働中の冷蔵倉庫内において常温環境下での施工と同等の耐震性能を確保できる耐震補強工法『THJ(ToaHeatingJoint、登録商標)耐震補強工法』を開発しました。
■概要
『THJ®耐震補強工法』は、鉄筋コンクリート(RC)造および鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の冷蔵倉庫を対象(最上階や屋根が鉄骨(S)造も含む)とし、F1級(-30℃~-20℃)冷蔵倉庫の中で最も需要が高い-25℃以上の温度帯(以下、-25℃~-20℃の温度帯を「-25℃冷凍」と記載)で適用できます。RC造およびSRC造の部位には柱梁構面内に鉄骨枠付きブレースを増設し、S造の部位には既存鉄骨ブレースを交換・増設します。
一般に鉄骨枠付きブレースを増設する場合、鉄骨枠付きブレースはグラウトを介して既存躯体に間接接合します。しかしながら、「-25℃冷凍」で稼働中の冷蔵倉庫内では、打込まれたグラウトは瞬時に凍結するため、施工することができません。そこで、『THJ®耐震補強工法』では*図1に示す間接接合部(Joint)の型枠に面状発熱体(*写真1)および断熱材(*写真2)を設置し、鉄骨枠のウェブにも断熱材を設置した上で採暖しながら(Heating)グラウトを打込むことで、常温環境下でのグラウト打込みと同等の品質確保が可能になりました(特許出願中)。また、「-25℃冷凍」環境では、間接接合部の構成部材として既存躯体に埋め込まれる接着系あと施工アンカーも一般の製品では硬化反応が不十分となり、接着強度を発揮できません。そこで、『THJ®耐震補強工法』では接着系あと施工アンカーに「-25℃冷凍」環境でも十分な接着強度を保つことが可能な製品を採用しました。鉄骨枠付きブレース増設の施工手順を*図2に示します。


*図1 鉄骨枠付きブレース増設

*写真1 面状発熱体の設置状況(実大施工実験)

*写真2 断熱材の設置状況(実大施工実験)
■鉄骨枠付きブレース増設 施工手順

(1)あと施工アンカー打設

(2)鉄骨地組み

(3)鉄骨建込み

(4)スパイラル筋設置、型枠建込み 

(5)面状発熱体設置 

(6)断熱材設置

(7)グラウト打込み

(8)施工完了
S造の部位は、既存鉄骨ブレースを交換・増設する際に、ガセットプレートを取り付けるための溶接工事が発生しますが(図3)、「-25℃冷凍」環境では溶接機器等が凍結するため施工することができません。そこで、当社独自の方法によって溶接機器等を保温することで(特許出願中)、稼働中の冷蔵倉庫内でも溶接工事の施工を可能にしました。
開発に際しては、実際に「-25℃冷凍」で稼働中の既存冷蔵倉庫内にスペースをお借りし、実大施工実験を実施して『THJ®耐震補強工法』の性能を実証しました。
■既存鉄骨ブレース増設(屋根の場合)


■工法の特長 当社独自の方法によって、冷蔵倉庫内の温度を-25℃以上のマイナス温度帯に保ったままでも、常温環境下での施工と同等の耐震性能を確保できる耐震改修工事を施工できます。これにより、旧耐震基準に基づいて建てられた冷蔵倉庫を稼働しながら耐震改修が可能です。
■今後の展開 今後は当社の「冷蔵倉庫の相談室」を窓口として、積極的に本工法の普及を図ります。また、本工法により、旧耐震基準の冷蔵倉庫の建物寿命を延命できることになるため、スクラップアンドビルドによる環境負荷を削減することで持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。
昭和電工(株)
異種材料接合技術「WelQuick®」を開発(2021/6/28)
昭和電工株式会社(社長:森川宏平)は、樹脂と金属など異種材料を簡便かつ強固に接合するフィルムタイプの接合技術「WelQuick®」を開発し、6月からサンプル提供を開始しました。
近年、素材に対する軽量性、耐熱性、強度などのニーズは単一素材では解決できないほど高度化し、樹脂や金属などの異種材料を接合して複合化するマルチマテリアル化が進展しています。異種材料の接合には、液状接着剤やホットメルト接着剤による接着や、ボルトなどによる機械締結があり、接合強度とともに、接着プロセスの簡便化や工程の短時間化が求められておりますが、その両立は困難でした。
今回開発したWelQuick®は、接着成分をフィルム形状にすることで、従来の反応型接着剤の液体塗布の手間を削減し、取扱を簡便にしたうえ、フィルム材料の固体と液体間の相変化*1を利用することで、これまで数十分必要であった接着時間を数秒にすることを可能としました。
WelQuick®は、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂とアルミニウム、鉄、銅といった金属との接着に対応し、40通り以上の基材の組み合せで10MPa*2以上の高いせん断接着力*3を確認しています。また、接合スピードに優れた超音波溶着、金属に適用可能な高周波溶着、汎用性が高い加熱溶着など、お客様のニーズに合わせた溶着方法が利用できます。さらに、フィルム状態で常温での長期保管が可能なうえ、溶着時にVOC(揮発性有機化合物)が発生しないため環境への負荷を抑えられます。
このような特長からWelQuick®は、お客様のコスト低減や製造プロセスの効率化による二酸化炭素の排出量削減に貢献します。
当社グループは、無機・有機・アルミニウムに関する幅広い技術・素材を有しており、それらを融合することで、マルチマテリアル化が進む様々な事業分野に新たなソリューションを提供し、カスタマーエクスペリエンスの最大化を目指してまいります。


本技術に関する紹介は、次のURLをご覧ください。
https://www.sdk.co.jp/innovation/points/welquick.html
本技術の特性データは、次のURLよりダウンロードください。
https://www.sdk.co.jp/innovation/download/welquick/leaflet/input.html

▪従来の接着法との工程比較
*1 相変化:温度や圧力の変化により物質の状態(液体、気体、固体)が変化することで、本技術では固体から液体への融解と、液体から固体への凝固を利用している。
*2 2MPa(メガパスカル):単位面積当たりの力の単位。10MPaの接着力を持つ場合、1cm角の接着面を剥離するのに約100kgの力が必要な強さ
*3 せん断接着力:張り合わせた面を反対にずらす方向で引っ張った際に、接着面に平行に作用する接着力
■お問合せ先:CSR・コミュニケーション室 03-5470-3235
JFEエンジニアリング(株)
JAPEXとJFEエンジニアリングがカーボンニュートラル社会実現に向けたエネルギー輸送・供給インフラに関する共同検討を実施(2021/6/24)
石油資源開発株式会社(社長:藤田昌宏、本社:東京都千代田区、以下「JAPEX」)とJFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、カーボンニュートラル社会実現に向け、二酸化炭素(CO2)や、水素・アンモニアといった新たなエネルギーの輸送と供給に関する技術課題について、2社による共同検討を本年6月に開始します。
2020年10月に政府が掲げた「2050年カーボンニュートラル」という目標の実現に向け、CO2ネットゼロ(実質排出量ゼロ)達成に寄与する取り組みが広く求められています。特に、「CO2を有効活用するカーボンリサイクル」や、「脱炭素エネルギーとして期待される水素・アンモニアの活用」について、民間企業による収益事業化への期待が高まっており、企業間連携や、具体的な検証、実証の動きが加速しています。
こうした動きを受け、国内油ガス田で生産した天然ガスと、高圧ガスパイプライン網やLNG基地などを組み合わせた天然ガス供給に加え、天然ガス発電所の運用に関する豊富な経験を持つJAPEXと、プラントやパイプラインなどインフラ構築に関する幅広い技術などを持つJFEエンジニアリングは、今後のカーボンニュートラル実現に向けた認識の方向性が一致したことから、将来の社会実装を視野に入れた、技術課題等の共同検討を開始することで合意しました。
本共同検討では、主にCO2の分離・回収や、パイプラインをはじめとするCO2の輸送について、2社の知見や経験をもとに、将来の社会実装・事業化を見据えた課題の洗い出しを行い、それらの課題解決に必要となる技術検討などを実施します。また、既存ガスパイプライン活用を含む水素の輸送や、発電燃料としての水素やアンモニアの供給に関する技術課題についても、2社の知見を活かしながら、共同技術検討を進めていきます。
これらの共同検討を踏まえ、将来的には、水素やアンモニアの供給と合わせて、CO2の分離・回収・輸送と、CO2の有効活用ならびに地中への圧入・貯留を実施する、CO2-IGR/EGR*1を含むCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage:CO2の回収・有効活用・貯留)の早期実現を目指していきます。
*1 CO2-IGR/EGR(Improve/Enhance Gas Recovery:ガス増進回収)とは、生産が減退したガス田へCO2を圧入(貯留)することによって、残存するガスを効率的に生産する技術。
東京電力パワーグリッド(株)
電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に向けたフィージビリティスタディの実施について(2021/6/18)
株式会社三菱総合研究所、関西電力株式会社、関西電力送配電株式会社、京セラ株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、学校法人早稲田大学の6者は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発/電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に向けたフィージビリティスタディ」に応募し、このたび採択されましたのでお知らせいたします。
昨年度のNEDO事業*1において、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」という。)の更なる導入を目的とし、先進事例である海外における分散型エネルギーリソース(DistributedEnergyResources:以下「DER」という。)の管理・制御方式や関連するサービスの調査を行いました。
その結果、DERフレキシビリティ*2の活用が、再エネの大量導入時における電力系統の混雑緩和に有効であることを示し、それらを活用するためのシステムの必要性や我が国へ適用するための課題等を整理しました*3
本事業では、昨年度の結果を踏まえ、国内初となる「DERフレキシビリティ活用システム*4」を早期に実現するための課題を抽出し、今後必要な技術開発項目と実施すべきプロジェクトを検討・整理いたします。
6者は、本事業を通じて、DERを最大限活用できる仕組みを実現することにより、再エネの導入拡大への貢献を目指していきます。
*1 NEDOの調査委託事業である「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発/分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けたフィージビリティスタディ」にて、株式会社三菱総合研究所、関西電力送配電株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、学校法人早稲田大学の4者が調査を実施。(2020年6月29日お知らせ済み)
*2 発電や負荷の大きさを柔軟に変化させることが可能な能力。欧州等では系統運用者からの指令等により、需給調整や系統潮流のコントロールに活用されている。
*3 2020年度調査結果(NEDOのHP参照)
*4 DERフレキシビリティを電力系統の混雑解消等に活用するため、一般送配電事業者とアグリゲーターを仲介するシステム。DERフレキシビリティの調達におけるマッチングや制御量の配分、指令の発出等の機能を保有する。
綜合警備保障(株)
3D-LiDAR 活用ビジネスを創出する「 スマートセンシングアライアンス 」を設立(2021/6/15)
~多様な活用シーンに向けた次世代システム、ソリューション開発を促進~
株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:井伊基之、綜合警備保障株式会社ALSOK、本社:東京都港区、代表取締役社長 青山幸恭、パイオニア株式会社の100%子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:高木晴彦)は、3D*LiDAR・点群データを活用するビジネスの創出を目的としたアライアンス契約を締結し、2021年6月15 日付けで「スマートセンシングアライアンス」以下、「SSA」)を設立しました。この取組みには、SCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締執行役員社長 最高執行責任者 谷原徹も賛同・参加しています。
* Light Detection and Ranging の略称。レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し、遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるセンサー。
■設立の背景
近年、センサー関連技術の進化に伴い、3DLiDARをはじめとするより高性能・高機能なセンサーの 開発、実用化が進んでいます。そのセンサーの利活用範囲はIoT社会の発展と相まり、自動運転を含む移動体だけでなく、インフラなどさまざまなビジネスシーンに広がっています。その一方で、各センサーの開発と利活用は個々の取組みにとどまり、得られる信号の特性や使用法などは社会・産業横断的に共有されているとは言い難い状況です。
そのため、各活用シーンに最適なサービスやソリューションを開発する際には仕様の確認や知見 、リソースの獲得などに多大な手間と時間、費用が個別に必要となります。
■SSAの概要
SSAは、センサーの利活用を検討されている事業者などが、そのニーズに最適なサービスやソリューションを容易に手に入れることができる環境構築を実現するために、さまざまな分野の企業が業界の垣根を超えて参画し協働する共同体です。
■参加企業
現時点でSSAには、センサー 3D LiDAR 開発、ソフトウェアアルゴリズム開発、ソリューション開発といった分野から、独自の技術を保有する企業 計4 社の参加が決定しています。

株式会社NTTドコモ

綜合警備保障株式会社

パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社

SCSK株式会社
■SSAの目的
SSAでは、以下二点の実現を目的としています。
①社会課題解決へ貢献する3DLiDARを利活用したソリューションの開発・提供
②3DLiDARなどのセンサーから得られる点群データなどの収集およびその利活用による付加価値の創出
SSA参加企業はそれぞれの強み、ノウハウを持ち寄ることで上記目的を見据えた開発に関わるさまざまな課題を解消し、早期の事業化を実現します。具体的には、3DLiDARなどのセンサーをさまざまなシーンで利活用するために、用途に適したソフトウェアアルゴリズム通信による遠隔管理などのソリューションをワンストップで提供することにより、センサーの利活用を検討されている各事業者のニーズの充足および、課題解消の迅速化と効率化を図ります。当面は、低速移動体であるロボットを用いた警備や監視といったシーンでの利活用をターゲット領域として想定し、交通などその他のさまざまなシーンに対しても早期に展開する予定です。
また、センサーの利活用を通じて得られる多種多様なデータを、「点群データバンク」としてSSA参加企業間で利活用可能にし、最適なソフトウェアルゴリズムを融合することで、多様なユーザーニーズに対応したより高度で使いやすいシステム、ソリューションをスピーディーに開発できる環境を構築していきます。
SSAは、参加企業を限定することのない拡張型のアライアンスです。社会が求めるソリューションの開発・提供を実現するために、SSA設立主旨および目的に賛同、協力いただける企業様などと今後幅広く連携していく方針です。
東京ガス(株)
日本初となるカーボンニュートラル都市ガスプランの第三者検証報告書の受領について(2021/6/15)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)は、このたび、2019年度および2020年度のカーボンニュートラル都市ガス(以下「CN都市ガス」)プランの運用状況について、国際的な基準を参照した第三者による検証(以下「本検証」)を受け、算定ルールに準拠し適正であるとの見解をいただき、検証報告書を受領しました。
なお、CN都市ガスプランの運用状況に関する第三者検証報告書の受領は日本初となります。
CN都市ガスは、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなされ、世界的な脱炭素化の潮流の中、現在の技術では短期的な脱炭素化が困難な熱分野における実行可能な手段として、ESG経営を意識されるお客さまからご関心をいただいております。東京ガスは、CN都市ガスプランの客観的な評価を通じてお客さまからのCN都市ガスの信頼性をより一層高めるために、本検証を受けました。

CN都市ガスプランの第三者検証報告書
第三者検証報告書
本検証は、国内温室効果ガス(GHG)排出量の検証機関である一般財団法人日本品質保証機構が、第三者として、GHGプロトコル*1の推奨事項並びに「カーボンニュートラリティ実証のための仕様」(PAS2060:2010)*2を参照し、ISO14064-3*3及びISAE3000*4に準拠して検証手続きを実施したものです。
東京ガスは、今回の検証報告書受領を踏まえ、2019年度および2020年度にCN都市ガスをご利用いただいたお客さま6社に対し、CN都市ガス供給証明書を順次発行します。

東京ガスが発行するCN都市ガス供給証明書
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において、東京ガスグループの事業活動全体で、お客さま先を含めて排出するCO2をネット・ゼロにすることに挑戦することを掲げています。CN都市ガスをはじめさまざまなソリューションの提供により、お客さまとともに地球規模での環境負荷低減への取り組みをこれからも推進してまいります。
CN都市ガス
CN都市ガスは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNG(CNL)を活用したものです。東京ガスが2019年に輸入を開始し、CN都市ガスとして日本で初めてお客さまに供給を開始しました。なお、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したものです。
*1 国際的に認められた温室効果ガス排出量の算定と報告の基準

CNLロゴ
*2 英国規格協会が定めた公開仕様書
*3 国際標準化機構(ISO)が定めたGHG算定の妥当性確認・検証に関するルールを定めた仕様・手引き
*4 国際会計士連盟の定めた非財務情報全般の監査に用いられる基準
(株)浜銀総合研究所
企業経営予測調査(2021年6月調査)(2021/6/15)
<技術革新>
旭化成(株)
旭化成と奈良県立医大、226nmUVCLEDによる新型コロナウイルス不活化効果を確認
~動物細胞への 影響 についても検証(2021/6/11)~
*図表については、下記URLをご参照ください。
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ip4ep30000002pww-att/ze210611.pdf
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀秀毅、以下「当社」)は、公立大学法人奈良県立医科大学の微生物感染症学講座 矢野寿一教授および同大学免疫学講座(伊藤 利洋教授)と連携し、226nmUVCLEDによる新型コロナウイルス(SARSCoV2の不活化効果の確認と動物細胞への影響について検証を行いました。その結果、226nmUVCLEDが、新型コロナウイルスを速やかに不活化することができ、かつ動物細胞への影響も既存の270nmUVCLEDに比べて少ないことが、世界で初めて確認されました。
■背景
世界で新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、薬剤を使わない殺菌手段として、紫外線照射による殺菌が注目されています。しかし、従来の水銀ランプ(波長 254nm)やUVCLED波長260 280nm)では人体細胞への影響が懸念されるため、人体へ直接照射することは避けられてきました。一方、昨年エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光照射器製品が発表され、人体にほとんど影響がないことから、実用化が進んでいます。しかし、白熱電球や蛍光灯がLEDに置き換わってきたように、エキシマランプもレイアウトの自由度向上、小型軽量化、耐衝撃性向上、ON/OFFの高速性などの観点からLED化することが強く望まれています。
当社では、すでに事業化している260 270nmUVCLED技術を活用し、短波長化の検討を進めてきました。このたび、開発中の226nmUVCLEDを用いて新型コロナウイルスの不活化と動物細胞への影響について検証を行いました。
■実験内容
今回の実験では、発光波長226nmのUVCLEDを100個用いて10x10のアレイ状照射器を作製しました(*図1。また、発光波長270nmUVCLED製のアレイ状照射器も比較として用いて実験を行いました。なお、本実験に用いたUVCLEDは、すべて米国CrystalIS社*1の窒化アルミニウムAlN基板を用いて作製されています。
■1.新型コロナウイルスの不活化実験
シャーレに新型コロナウイルス(SARS CoV2液を塗抹した後に乾燥させ、226nmおよび270nmのアレイ状照射器を用いて、同一の発光出力(440μW/cm2)で紫外光を照射しました。その後、ウイルスを回収して、ウイルス感染価をプラーク法2にて測定しました。
その結果を*図2に示します。新型コロナウイルスは、226nm、270nmのいずれにおいてもUVCLED光を6秒程度照射することで、99.9まで不活化されることが確認できました。
■2.動物細胞への影響評価
226nmのUVCLED光が動物細胞へ与える影響について、マウス皮膚細胞を用いて検証実験を行いました。*図3に検証実験の流れを示します。マウス皮膚細胞2層にした状態で、226nmおよび270nmのUVC LED光を100mJ/cm2、500mJ/cm2 照射し、上層の細胞を除去した後、下層細胞に対する細胞傷害性をMTT試薬3による染色像と吸光度測定による細胞生存率で評価しました。染色像の黒く見える部分が、細胞の生存を示しています。*図4と*図5に示すように、226nmにおいては、100mJ/cm2の照射による影響はほとんどなく、500mJ/cm2の照射を行っても270nmに比べて下層細胞に対する細胞傷害性が低いことが示されました。
■結果のまとめと今後について
以上の結果から、226nmUVCLEDは、新型コロナウイルス(SARSCoV2)を速やかに不活化することができ、動物細胞への影響も既存の270nmのLEDに比べて少ないことが確認できました。これは226nmUVCLEDが手指や体の周辺殺菌にも安心して使用できる可能性があることを示しています。今後、製品化のためには、さらに発光出力向上のブレイクスルーが必要であり、当社は引き続き研究開発を進めていきます。
■追加情報
・全試験は、奈良県立医科大学内のバイオセーフティレベル3(BSL3)の実験施設において、適切な病原体封じ込め措置のもとに行いました。なお、浮遊するウイルス、⼈体への影響については検証を⾏っておりません。
・実験に用いた新型コロナウイルス;SARSCoV2;2019nCoVJPN/TY/WK521株
・公立大学法人奈良県立医科大学 理事長・学長 細井裕司(ほそいひろし)
創立 昭和20年4月
所在地 奈良県橿原市
医学的知識をすべての産業に投入してイノベーションを起こすMBTMedicineBasedTown(医学を基礎とするまちづくり)構想の展開を進めている。
*1 CrystalIS社:旭化成の100%子会社 本社:米国(ニューヨーク州)。設立は1997年(RensselaerPolytechnicInstituteからのスピンオフ)で事業内容はAlN基板を用いたUVCLEDの開発、製造・販売
ウェブサイト:http://www.cisuvc.com/
*2 プラーク法ウイルスに感染した細胞が変性することを利用したウイルス量の測定法。
*3 MTT試薬テトラゾリウム塩。ミトコンドリア中の酵素により還元されると発色する。
ENEOS(株)
川崎高津水素ステーションの開所について(2021/6/10) 川崎市内での取り組み
当社(社長 大田勝幸)は、本日、「川崎高津水素ステーション神奈川県川崎市高津区)」を開所しましたので、お知らせいたします。本ステーションは次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けており、当社46カ所目、首都圏で31カ所目の商用水素ステーションとなります。
2040年に自社排出分のカーボンニュートラルを目指す当社は、本ステーションが位置する川崎市が2020年に策定した脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」に賛同しております。川崎市の中でも高津区は脱炭素モデル地区に指定されており、本ステーションが川崎市の取組みを促進するものになると考えております。
当社グループは長期ビジョンにおいて2040年のありたい姿として低炭素・循環型社会への貢献を掲げており、水素事業はその実現に資するものとして取組みを加速しております。
当社は、今後とも水素製造ならびに自動車用燃料供給に関わるインフラやノウハウの活用により、水素の「製造」「輸送」「販売」の効率的なビジネスモデルを構築することを目指します。さらに、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」および目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献してまいります。
*東京2020大会の大会用車両に対する当社の水素供給体制については3枚目の別紙をご参照ください。
(参考)川崎高津水素ステーションについて
<ステーション概要>開所日 2021年6月10日
所在地 神奈川県川崎市高津区下作延三丁目6番6
運営者 株式会社ENEOS水素サプライ&サービス
敷地面積 787.87m2(238.33坪)
供給方式 都市ガス改質型オンサイト方式(水素製造装置をステーション内に設置)水素製造能力:300Nm3/h

ステーション外観
(別紙)東京2020大会の大会用車両に対する当社の水素供給体制について
大会用車両に水素を供給する当社水素ステーション(7カ所)
ステーション名称 所在地
①Dr.Driveセルフ潮見公園店
(福島県内で製造した水素の販売拠点)
東京都江東区
②東京目黒水素ステーション 東京都品川区
③千葉幕張水素ステーション 千葉県千葉市美浜区
④東京大井水素ステーション 東京都品川区
⑤東京高輪ゲートウェイ水素ステーション 東京都港区
⑥東京晴海水素ステーション 東京都中央区
⑦川崎高津水素ステーション 神奈川県川崎市高津区
*大会専用車両の運行ルート等によっては、上記以外の当社水素ステーションでも供給いたします。
*川崎高津水素ST開所に伴い、大会用車両に水素供給を予定していた横浜綱島水素STに代わり、川崎高津水素STが大会用車両に水素供給をすることとなりました。
当社は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、「東京2020大会」)において、大会用車両として投入される約500台の燃料電池自動車に、東京2020オフィシャル水素「ENEOS水素」を供給することになっており、本ステーションを含め7カ所の当社水素ステーションが大会用車両に水素を供給いたします。
<大会用車両に供給する水素について>
当社が大会用車両に供給する水素の一部には、復興の地・福島県の「福島水素エネルギー研究フィールド」(福島県浪江町)において製造される再生可能エネルギー由来の水素を利用することで、東京2020大会を盛り上げていきます。
味の素(株)
「アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)」が太陽生命保険㈱の疾病予防サービスに採用(2021/6/10)
~異業種間協業と共同研究を通じて精度検証や新サービス開発等を推進
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、2019年10月15日付「味の素㈱と太陽生命保険(株)・(株)エスアールエル・(株)セルメスタとの三大疾病予防に関する業務提携について」で発表した内容に沿い、疾病予防に資する新たなソリューションの開発につながる取り組みを推進してきました。その成果として、当社の「アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)」が、2021年6月に太陽生命保険株式会社(社長:副島直樹 本社:東京都中央区、以下太陽生命社)から発売された「ガン・重大疾病予防保険」等の保険加入者が利用できる疾病予防サービスに採用されました。この発売を機に、当社は保険加入者へのAIRS®に関する情報提供の機会増大を生かした新規顧客層開拓による事業拡大、および太陽生命社との共同研究を加速させ、AIRS®の精度や付加価値向上を図ります。
当社はアミノインデックス事業を通じて、生活習慣に起因する疾病の発見や予防の機会創出をサポートし、健康寿命の延伸に貢献するサービス強化を目指しています。今回太陽生命社から発売される「ガン・重大疾病予防保険」等の保険加入者が利用できる疾病予防サービスの一つとして、当社AIRS®が採用されることにより、保険加入者にとってAIRS®がより身近になり、継続的な受診がしやすい環境が実現します。太陽生命社の「ガン・重大疾病予防保険」は、一定条件下で加入後定期的に重大疾病予防をはじめとしたさまざまな用途に活用できる「予防給付金」を受け取ることができる商品です。今回、同商品を通じて保険者のがん・重大疾病予防のための行動を後押ししていきます。

「ガン・重大疾病予防保険」パンフレットより一部抜粋
また、当社、および太陽生命社との共同研究で得られた知見を、AIRS®の精度検証、新規検査評価項目の開発、ソリューションの検証・開発等に活用することで、AIRS®のさらなる品質向上、アミノインデックス事業における顧客サービス拡充に努め、生活者の疾病の早期発見の機会創出に貢献します。

当社は「食と健康の課題解決企業を目指し、アミノ酸のはたらきで、世界の健康寿命延伸に貢献すること」、太陽生命社は「100歳時代を先取りした最優の商品・サービスをご家庭にお届けすることにより、より多くのお客様の安心で豊かな暮らしを支える保険会社となること」を中期経営計画のビジョンに掲げています。
本取り組みを通じて、両社は、生活者の健康増進のため生活習慣病を含めたさまざまな疾病の予防や早期発見の機会創出につながる商品・サービスをさらに強化していきます。
参考
(1)社名 太陽生命保険株式会社
(2)所在地 東京都中央区
(3)設立時期 1948年2月(創業1893年5月)
(4)代表者 代表取締役社長 副島直樹
(5)事業内容 生命保険事業
(6)従業員数 内勤職員2,312名、営業職員8,473名(2021年3月末時点)
(7)WEBサイト https://www.taiyo-seimei.co.jp/
「アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)」
血液中のアミノ酸濃度バランスからさまざまな疾病リスクを1回の採血で評価する検査
味の素株式会社商品情報サイト内「アミノインデックス®」ページ
https://www.ajinomoto.co.jp/products/aminoindex/AIRS/
2019年10月15日付プレスリリース
「味の素㈱と太陽生命保険(株)・(株)エスアールエル・(株)セルメスタとの三大疾病予防に関する業務提携について」
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2019_10_15.html
JFEスチール(株)
「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」が2021年度日本塑性加工学会 学会大賞を受賞(2021/6/3)
当社の「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」が、このたび一般社団法人日本塑性加工学会(会長:岡田政道)から、2021年度日本塑性加工学会賞学会大賞を受賞しました。
日本塑性加工学会賞学会大賞は、塑性加工の分野において顕著な業績として評価される学術的研究、あるいは、独創性のある特定の技術や材料・機械・製品開発を行った個人もしくはグループに対して与えられるもので、当社の学会大賞受賞は8年ぶり2回目となります。また、今回受賞した技術については、第54回機械振興賞機械振興協会会長賞(2020年)も受賞しております。
1.受賞技術名 「世界最速を実現するインテリジェント調質圧延制御技術の開発」
2.受賞者 青江信一郎 スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員
小笠原知義 スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員
北村拓也 スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員
津山裕史 西日本製鉄所(福山地区)熱延部 熱延工場 副工場長
檀上孝博 西日本製鉄所(福山地区)制御部 熱延制御室 室長
川井孝将 知多製造所 商品技術部第一商品技術室 主任部員
舘野純一 スチール研究所副所長 (現JFEテクノリサーチ株式会社 取締役)
3.開発の概要
当社は、お客様からの熱延鋼板のさらなる品質向上に対する要望に応えるため、インテリジェント調質圧延制御技術(本受賞案件)を開発し、西日本製鉄所(福山地区)を皮切りに、全社展開を進めてきました。本技術では、CPS(サイバーフィジカルシステム)(*1)のコンセプトに基づき開発した、各種センサーデータと最適化・シミュレーション技術をリアルタイムに融合したインテリジェント制御技術により、鋼板の形状、伸び率、蛇行量などを高精度に自動制御します。これにより、鋼板全長にわたる品質向上が可能となり、これまで以上に高品質な熱延鋼板を、お客様に提供できるようになりました。さらに、世界最速である800m/minでの安定した圧延も可能となり、生産性の向上にも寄与しています。
当社は、「JFE Digital Transformation Center」(『JDXC™』)を開設し、製造プロセスのCPS(サイバーフィジカルシステム)化を進めるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション、以下DX)を積極的に推進することで、革新的な生産性向上および安定操業の実現を目指しています。今後とも、製造現場におけるあらゆる分野の課題を、DXを通じて解決していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 フィジカル空間(実際の設備や製品)に関する莫大なセンサー情報(ビッグデータ)をサイバー空間に集約し、これを各種手法で解析した結果をフィジカル空間にリアルタイムにフィードバックすることで価値を創出するシステム。

▪図 インテリジェント調質圧延制御
2021年5月
(株)浜銀総合研究所
神奈川県内上場企業の2021年3月期決算の集計結果(2021/5/28)
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年5月改訂)(2021/5/24)
東京ガス(株)
東京ガスとSCREEN、低コストグリーン水素製造に向けた水電解用セルスタックの共同開発に合意(2021/5/26)
東京ガス株式会社(社長:内田高史、以下「東京ガス」)と、株式会社SCREENホールディングス(社長:廣江敏朗、以下「SCREEN」)は、このたび、低コストグリーン水素製造に資する水電解システムの構築に向けて、中核部品である「水電解用セルスタック*1」および「水電解用セルスタックの製造装置」の共同開発(以下「本開発」)に合意しました。
本開発は、水電解装置の構成要素の中で、コストの大きな比重を占める水電解用セルスタックの低コスト製造技術を2年で確立することを目標に、東京ガスが水電解用セルスタックの仕様検討および評価、SCREENが保有するロールtoロール方式*2による連続生産技術を応用した水電解用セルスタックの製造技術および製造装置の開発を担います。
今後、本開発に併せて水電解装置のシステム化に向けた技術開発も進め、グリーン水素製造の低コスト化を実現することで、政府の掲げる水素供給コスト目標2030年30円/Nm3-H2を早期に達成*3し、将来的には、更なる水素製造コストの低減を目指します。なお、水素の用途としては、直接の利活用や合成メタンの原料としての活用を想定しています。
■本開発の概要
東京ガスは、1998年から固体高分子形燃料電池(PEFC)の開発に着手し、2009年に世界で初めて家庭用燃料電池「エネファーム*4」の販売を開始。その累計販売台数は14万台以上にのぼります。
SCREENグループの株式会社SCREENファインテックソリューションズは、2013年から燃料電池の量産製造技術の開発を始め、電解質膜に電極触媒を直接塗工・乾燥する技術開発に成功。2016年には同技術を搭載した燃料電池製造装置「RTシリーズ」を販売開始しました。*5 本開発は、両社が長年の開発で培った燃料電池およびその製造方法に関する技術・知見を融合し、「水電解用セルスタックを低コストで量産する技術」の早期確立を目指すものです。

図1 水電解用セルスタックの低コスト製造(イメージ図)

図2 (参考)水電解システムの水素製造方法(左)と燃料電池の発電方法(右)の概要

図3 (参考)水電解用セルスタックの基本構成
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」において「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、水素製造コストの低減・CO2のマネジメント技術(CCUS*6)開発を強化しています。本開発を通じ、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた技術開発の更なる早期実現を図り、CO2ネット・ゼロをリードすることで、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に貢献してまいります。
SCREENは、2030年をゴールとする社会的価値向上の長期指針「Sustainable Value 2030」を設定し、さまざまな課題に取り組んでいます。当社の環境目標の一つであるCO2排出量削減目標については、気候変動の国際イニシアチブである「Science Based Targets(SBT)*7イニシアチブ」の認定を取得するなど、積極的な活動を展開しています。本開発を通じ、水電解用セルスタック市場という新たな分野での事業展開を図り、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
*1 水を電気分解して水素と酸素を生じさせる(燃料電池とは逆の反応)薄い部品(セル)を複数積層させたもの。
*2 ロール状に巻いた長いフィルム基板を巻き戻す過程で、コーティング等の手法でフィルムを連続的に加工し機能性フィルムを低コストで作り上げる製造プロセス。今回は、この製造プロセスを水電解用セルスタック製造へ活用するもの。
*3 目標の達成にあたっては、本開発による水素製造システムのコスト低減に加えて、再生可能エネルギー市場の成長等により実現する安価な電力調達を想定。
*4 エネファームは、大阪ガス株式会社、東京ガス株式会社、ENEOS株式会社の登録商標。
*5 本成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたもの。
*6 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・利用・貯留)
*7 パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のこと。
■会社概要
東京ガス株式会社
設立 1885年10月
代表者名 代表取締役社長 内田高史
所在地 東京都港区海岸1ー5ー20
事業内容 ガス事業、電力事業、海外事業、エネルギー関連事業、不動産事業 等
URL https://www.tokyo-gas.co.jp/
株式会社SCREENホールディングス
設立 1943年10月
代表者名 代表取締役 取締役社長 最高経営責任者(CEO) 廣江敏朗
所在地 京都市上京区堀川通寺之内上る四丁目天神北町1番地の1
事業内容 主に持株会社としてのグループ会社の経営管理業務
半導体製造装置事業、グラフィックアーツ機器事業、
ディスプレー製造装置および成膜装置事業、
プリント基板関連機器事業、ICTソリューション事業 等
URL https://www.screen.co.jp/
<国内外展開>
J&T環境(株)
「株式会社バイオス小牧食品バイオガス発電所建設工事」起工式の実施について
~J&T環境の中京地区で初となる食品バイオガス発電所の建設工事が開始~(2021/5/25)
J&T環境株式会社(社長:露口哲男、本社:神奈川県横浜市)では、子会社である株式会社バイオス小牧(本社:愛知県名古屋市により中京地区初となる食品リサイクル・バイオガス発電事業の事業化を目指しているところですが、このほど、5月25日に愛知県小牧市において、食品バイオガス発電所建設工事のための起工式を開催しますので、お知らせいたします。(食品バイオガス発電事業会社を子会社化については、2021年1月18日にお知らせ済)
小牧市におけるバイオガス発電施設の整備並びに食品リサイクル及び再生可能エネルギーの利用の促進については、小牧市と株式会社バイオス小牧の間で2017年に立地に関する基本的な協定が締結されております。特に市内発生の食品廃棄物については、現在大半が焼却処理されているところですが、新設される当施設を活用しバイオガス発電を行うことで、新たに食品廃棄物の再資源化が促進され、廃棄物の減量化及び資源の有効利用を図ることが期待されます。
建設地は小牧市内、東名・名神高速道路小牧インターチェンジから東に5キロほどの地点に位置する下末しもずえ工業団地内に立地。一日最大120tの食品廃棄物の処理過程で発生するメタンガスを燃料にバイオガス発電を行います。発電出力は最大1,100kWで、年間想定発電量は最大9,200MWh(一般家庭約3,000世帯分)を見込んでおり、2022年度秋頃の営業運転開始を目指します。
J&T環境株式会社が行う食品バイオガス発電事業*1としては5カ所目*2。中京地区では初となります。当社では今後も、地産地消型の再生可能エネルギー発電事業を推進し、脱炭素社会づくりに貢献して参ります。
*1 J&T環境株式会社ウェブサイト「セールスサイト:食品廃棄物リサイクル」参照
https://sales.jt-kankyo.co.jp/business/food.html
*2 千葉バイオガスセンター、Jバイオフードリサイクル、札幌バイオフードリサイクル、東北バイオフードリサイクル(2022年3月完成予定)に続き5カ所目
■株式会社バイオス小牧 食品バイオガス発電所 建設工事概要
(1) 施主 株式会社バイオス小牧
(2) 元請会社 野里電気工業株式会社(本社大阪市西淀川区)
(3) 建設地 愛知県小牧市大字下末字野本398番他(下末工業団地内)約3,737m2
(4) 工期 2021年5月〜2022年11月末
(5) 起工式 2021年5月25日
(6) 取得許可 小牧市/一般廃棄物処分業、愛知県/産業廃棄物処分業(予定)
(7) 操業開始 2022年秋頃(予定)

■施設完成予定図
旭化成(株)
プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」を日本IBMと開始(2021/5/24)
~資源循環社会の実現に向け、企業と消費者が活用可能なデジタルプラットフォームを構築~
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀秀毅、以下「旭化成」)は、SDGs(持続可能な開発目標)に象徴されるサステナビリティへの取り組みの一環として、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォームの構築を目指し、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、社長:山口明夫、以下「日本IBM」)の技術支援を受けた「BLUE Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」プロジェクトを発足させ、2022年3月末までにプロトタイプを用いた実証実験を開始することを発表します。本プロトタイプは、実証実験のために設計されたもので、再生プラスチック製品におけるリサイクル素材の使用率の表示や、リサイクルチェーンの関与企業の可視化から、消費者の行動変容の促進を目指し、企業ならびに一般消費者の使用も想定し開発しています。消費者はスマートフォンのカメラを使い、再生プラスチック製品に印字されたQRコード等を読み取ることで、ブロックチェーン技術のトレーサビリティ(追跡可能性)によって来歴を確認することが可能です。旭化成により発足した「BLUE Plastics」プロジェクトは、IBM® Cloud上で稼働する、日本IBMのブロックチェーン技術を活用することでデジタルプラットフォームの構築を目指すほか、ブランドオーナーの立場からライオン株式会社、成型および最終製品化の各工程を専門とするメビウスパッケージング株式会社、リサイクルメーカーの立場から株式会社富山環境整備が協力することで、資源循環社会の実現を加速させます。
■1.背景
旭化成は、中期経営計画“Cs+ for Tomorrow 2021”において、「Care for Earth」という観点から「カーボンニュートラルでサステナブルな世界の実現」に取り組んでいます。また、バリューチェーンのさまざまなステージにおいてデジタルを活用することで新たな価値の提供を目指しています。昨今、地球環境の保全が重要視される中、環境に配慮しながらも利便性の高い製品を供給するために、使用済みプラスチックを資源として再利用する資源循環の推進や再生プラスチックの利活用が進む一方、これまで再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、原料のリサイクル比率を証明することは困難でした。旭化成は、資源循環社会を実現するために、再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化することで、安心して再生プラスチックを利用できる環境を整えることが必要と捉えています。また、資源循環と利便性の両立という社会課題に対し、個々の企業の取り組みだけでは解決は難しいとも考え、リサイクルチェーンに関わるさまざまな企業から消費者まで、幅広く使うことができる横断的なデジタルプラットフォームの開発を目指してきました。
■2.「BLUE Plastics」プロジェクトの概要
「BLUE Plastics」プロジェクトは、資源の循環を促進させるデジタルプラットフォームの構築を目指して旭化成により発足しました。日本IBMはIBM Cloud上で稼働するブロックチェーン技術を活用することでデジタルプラットフォームの構築を支援します。ブロックチェーン技術は、全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術で、関係者全員がアクセス可能でありながらデータ改ざんが不可であるため、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保します。日本IBMのブロックチェーン技術を土台に、回収、ペレット化、成型および最終製品化の各工程を専門とする株式会社富山環境整備、メビウスパッケージング株式会社、ライオン株式会社が協力することで、資源循環社会の実現を加速させます。リサイクルチェーンメンバーがすべてそろって開発に協力をしている点に本プロジェクトの特徴があります。
旭化成株式会社 株式会社バイオス小牧
日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタルプラットフォーム開発支援
ライオン株式会社 ブランドオーナーの立場から開発協力
メビウスパッケージング株式会社 成型加工メーカーの立場から開発協力
株式会社富山環境整備 リサイクルメーカーの立場から開発協力
なお、「BLUE Plastics」プロジェクトは、上記メンバーや特定の樹脂に限定されるものではありません。今後幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定です。
■3.プロトタイプの特徴
「BLUE Plastics」ではすでにデジタルプラットフォームのプロトタイプが完成しており、下記3つの特徴を有しています。再生プラスチック使用率の確認、リサイクルチェーンの可視化に加え、消費者行動変容を促す仕組みを備え、消費者まで巻き込んだリサイクル文化の創造を目指します。
(1)ブロックチェーンによる認証でリサイクル証明を担保
日本IBMのブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックのリサイクル率を証明します。消費者はスマートフォンのカメラで再生プラスチック製品に貼付してあるQRコード等を読み取ることで、再生プラスチックのリサイクル率を確認できます。
(2)リサイクルチェーンの可視化により消費者の安心感を醸成
上記同様に製品のQRコード等を読み取ることでリサイクルチェーンとプレイヤーをさかのぼって確認することができます。データはブロックチェーンで管理されており、来歴の透明性を担保することで消費者の安心感を醸成します。
(3)消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくり
リサイクル行動にポイントを付すことで、消費者の行動変容を促します。実証実験や社会実装を通じてさらに効果的な仕組みづくりに努め、新たなリサイクル文化の創造を目指します。

「BLUE Plastics」プロジェクトにおけるプラスチック資源循環のイメージ
■4.「BLUE Plastics」実証実験の概要
実証実験は一般家庭等から廃棄・回収される容器・包装プラスチックを再生した原料(ポリエチレンを想定)を使用したトイレタリーボトルを題材とした取り組みから開始します。すでに完成しているプロトタイプにリサイクルチェーンメンバーの意見を反映し、改良を行ったうえで、2022年3月末までに再生プラスチックを試験的に流通させ、ブロックチェーン上で管理する実証実験を実施します。将来は、デジタルプラットフォームで運用する樹脂の種類や用途も拡大し、同業他社問わず誰もが活用できるオープンなデジタルプラットフォームとして公開し、日本だけでなく、アジアへの展開も見据えて取り組んでまいります。
旭化成は、今後もプラスチックリサイクルに対し、3R(Reduce、Reuse、Recycle)、そしてRenewableをキーワードとした取り組みを追求していきます。また、上流・下流のリサイクルチェーンプレイヤーを含め、同様の問題認識を持っている会社・業界団体・官公庁との協業も視野に入れて取り組んでまいります。
今後、旭化成と日本IBMは本プロジェクトを通じ、リサイクル率・リサイクルチェーンの可視化と、消費者行動の変容を促すデジタルプラットフォームを確立し、プラスチック資源循環を推進してまいります。

[プロトタイプ] 消費者向けアプリケーション
味の素(株)
7種必須アミノ酸「Amino LP7」*1が認知機能の一部をサポートする機能を発見
~アミノ酸のはたらきによる認知機能維持サポートソリューション提供を目指して~(2021/5/12)
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、かねてから食事(たんぱく質やアミノ酸)と認知機能の関連性を研究する中で、7種必須アミノ酸「Amino LP7」の摂取に、認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性の維持、および精神面の健康である前向きな気持ちをサポートする機能*2ならびに脳の萎縮を抑制する効果*3があることを発見しました。
本研究の結果は、超高齢社会に伴う今後の社会的課題とされる認知機能低下を解決する糸口となることが期待されます。
*1 7種必須アミノ酸「Amino LP7」は、当社独自配合のアミノ酸素材であり、ロイシン、フェニルアラニン、リジン(塩酸塩として)、イソロイシン、ヒスチジン(塩酸塩として)、バリン、トリプトファン、合計7種類の必須アミノ酸を組み合わせた素材。必須アミノ酸は体内で生合成されないため、食事から摂取することが必要なアミノ酸で9種類あります。
*2 記憶力の衰えを感じている健康な中高年の方を対象とした臨床研究
*3 認知機能低下モデルを用いた基礎研究
この度、当社では新たに、独自研究により7種必須アミノ酸「Amino LP7」の配合を開発し、基礎研究において7種必須アミノ酸「Amino LP7」摂取による脳の萎縮の抑制について、さらに臨床研究において記憶力の衰えが気になる健康な中高年の方を対象に7種必須アミノ酸「Amino LP7」摂取による認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性、精神面の健康状態について検討を行いました。
■臨床研究成果(地方独立研究法人東京都健康長寿医療センターとの共同研究):記憶力の衰えを感じている健康な中高年の方を対象に、7種必須アミノ酸「Amino LP7」により認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性、精神面の健康状態を改善
7種必須アミノ酸の摂取が健康な中高年の認知機能と精神面の健康に及ぼす影響を検討するため、プラセボ対照二重盲検比較試験を実施しました。55歳以上の105人を対象にプラセボ対照群、アミノ酸組成1日3g群(アミノ酸3g群)、アミノ酸組成1日6g群(アミノ酸6g群)の3群にランダムに分け、12週間の介入効果を評価しました。
認知機能を多角的に評価するため、記憶機能、言語機能、視空間機能や心理などの検査を実施しています。
その結果、認知機能検査の一つであるTMT-B*4においてアミノ酸6g群では作業完了時間が短くなっていることから、認知機能の一部である注意力、認知的柔軟性が改善されることがわかりました。(図1)
*4 TMT-B(Trail Making Test Part B):紙に記載された1~13の数字と「あ」から「し」のひらがなを、1→あ→2→い…のように数字とひらがなを交互に結び、作業完了までの所要時間を測ります。

図1 出典: Suzuki H, et al., (2020) Front. Nutr. : 586166.改変 平均値±標準偏差を図示
*プラセボ群との群間差(p<0.05).認知機能に影響を与えるPre値、性別、年齢、血圧、BMI、教育歴で調整した共分散分析の検定結果を示した。
またWHOー5ーJ精神的健康状態表*5においても、アミノ酸6g群でスコアが改善されることが分かりました。すなわちアミノ酸6g摂取による精神面の健康である前向きな気持ちの向上が確認されました。(図2)
*5 精神的な健康状態を評価する指標です。得点が高ければ、精神的健康状態が高いことを示すもので、明るく楽しい気分で過ごせたか、意欲的な気分で過ごせたかなどを6段階で評価する指標になっています。

図2 出典:Suzuki H,et al.,(2020) Front.Nutr.7:586166.を元に作図 平均値±標準偏差を図示
*プラセボ群との群間差(p<0.05).認知機能に影響を与えるPre値、性別、年齢、血圧、BMI、教育歴で調整した共分散分析の検定結果を示した。
■基礎研究成果①(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 <以後、量子研と略称>との共同研究):7種必須アミノ酸「Amino LP7」と脳萎縮の抑制効果
7種必須アミノ酸「Amino LP7」と大脳皮質体積との関連性を評価しました。認知機能低下モデルでは、神経炎症、脳萎縮がみられました。認知機能低下モデルは月齢として生後6.5カ月ほどで20~25%の大脳皮質体積が減少しますが、7種必須アミノ酸「Amino LP7」を摂取することで大脳皮質体積の減少、すなわち脳萎縮の抑制がみられました。(図3)

図3 出典: Takado Y et al.,AAIC 2020 改変
■基礎研究成果②(量子研との共同研究):7種必須アミノ酸「Amino LP7」と記憶・学習力の効果
高齢モデルを用いて7種必須アミノ酸「Amino LP7」の摂取と記憶・学習力との関連性を評価しました。通常飼料群に比べて、1/4量としたたんぱく質の飼料を与えた低たんぱく質飼料群では、記憶・学習力の有意な低下がみられましたが、低たんぱく質飼料+7種必須アミノ酸「Amino LP7」群では神経伝達物質の素となる7種必須アミノ酸「Amino LP7」の摂取により、記憶・学習力の低下はみられませんでした。(図4)
今回の研究成果により、認知機能の維持向上を目指してアミノ酸が広く活用されることが期待されます。当社は100年以上にわたるアミノ酸研究で培った知見と技術を活かし、健康課題解決にさらに貢献できるよう、研究を継続していきます。

図4 出典:Sato H, et al., (2020) Front. Nutr. 7: 23.改変
東京電力パワーグリッド(株)
送電線に沿ってドローンが自動飛行・撮影する「送電線点検用ドローン自動飛行システム」の開発・導入について(2021/5/11)
東京電力ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:小早川智明、以下「東京電力HD」)、ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田貴之、以下「ブルーイノベーション」)、株式会社テプコシステムズ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:権田勇治、以下「テプコシステムズ」)の3社は、『送電線点検用ドローン自動飛行システム(以下「本システム」)』を開発し、東京電力パワーグリッド株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:金子禎則、以下「東京電力PG」)は、同社が保有する送電線の点検業務に、本システムを6月より導入します。
(共同開発の開始については、2017年3月24日にお知らせ済)
本システムは、ブルーイノベーションが開発したBlue Earth Platform*をベースに、テプコシステムズ、東京電力HDの3社が共同開発したものです。本システムを導入する東京電力PGでは、従来、送電線の点検作業は主に高倍率スコープやヘリコプターなどを用いて目視で行っていましたが、一般的なドローンにも搭載可能な対象物検知センサーで送電線を検知し、カメラを搭載したドローンが自動飛行しながら、最適な画角で送電線の異常(例:腐食、劣化など)などを撮影することで、点検作業の大幅な効率化とコスト低減を可能にしました(特許出願中)。

ドローンによる点検風景
■地上の送電線点検の課題
東京電力PGが保有する地上の送電線は28,391km(全国では151,862km)あり、点検作業は主に高倍率スコープ・ヘリコプターなどを用いて目視で行っています。目視点検は膨大な作業時間と作業員の高い技能に支えられており、少子高齢化にともなう将来的な作業員の不足、設備の高経年化による点検数増加への対応などが課題です。
今までも、点検作業の効率化やコスト低減を目指し、ドローンの自動飛行による点検が検討されてきましたが、実用化に向けては以下の技術的課題がありました。
・ドローンが送電線に近づくと、電線から生じる磁界の影響により方角を正しく認識できなくなり、機体の制御が不安定になる(送電線とドローンの距離を常に一定に保ち、自動飛行する技術が必要)。
・電流値・気温・風などの影響により、電線の形状が変化するため、電線の形状をあらかじめ予測し、電線に沿った飛行ルートを事前設定することが難しい(飛行ルートをリアルタイムに自動設定・調整する技術が必要)。
これらの課題を解決すべく、送電線の位置を検知する対象物検知センサー技術、ドローンと送電線との距離を一定に保ち飛行する制御技術、送電線をブレなく撮影するための振動制御技術などを共同開発しました。加えて、現場の作業員が使いやすいよう、送電線撮影に特化したアプリケーションも開発しました。
■飛行環境の変化に左右されずに送電線に沿って飛行可能
本システムに搭載されている対象物検知センサーは、画像解析による送電線の検知とは異なり、逆光や影、類似する構造物の影響を受けず、正しく送電線を検知できます。
鉄塔間距離365mの実証実験でも、画角を外さずに送電線と平行に飛行・撮影できることが実証されています。

<対象物検知センサー搭載ドローン>
上部に取り付けられたモジュールが送電線の検知および機体・振動の制御を行う
■ワンクリックの簡単操作
専用アプリケーション上のワンクリックで、ドローンの離発着および送電線撮影を自動で行います。

システム運用画面
■撮影映像をその場で確認可能
自動飛行のため、作業員はドローンを手動操縦する必要がなく、ドローンからリアルタイムに送られてくる送電線の映像確認に集中できます。気になる箇所があれば、その場でドローンを一時停止させ、カメラをズームして送電線の状況を詳細に確認することができます。

ドローンによる撮影映像
* Blue Earth Platform (BEP) とは
Blue Earth Platform(BEP) とは、複数のドローンやロボットと、それらに搭載したセンサーやカメラを同時に制御・管理することで、複数のドローンやロボットに任意の業務を自動遂行させることができる、ブルーイノベーションが独自に開発しているプラットフォームです。
複数のセンサーを組み合わせた技術により、ドローンやロボットが最適な自己位置を自ら推定し自律移動するほか、送電線のような対象物の検知、さらに地図や移動ログ、映像など収集したデータのAI 解析などにより、点検や警備、物流など様々なソリューションに必要な情報を取得・提供します。
詳細はこちらをご覧ください>https://www.blue-i.co.jp/advantage/bep/
富士電機(株)
工場の生産性向上の実現に向けて
~ローカル5Gの実証実験を開始~(2021/5/11)
富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、総務省から第5世代移動通信システム(以下、5G)の無線局免許を取得し、当社東京工場(東京都日野市)でローカル5Gを活用した実証実験を開始しましたので、お知らせいたします。
■1.背景・狙い
当社は、生産性向上に向けて、生産設備をネットワークでつないで生産状況や設備の稼働状態などのデータを活用し、生産現場における滞留の解消や、設備の予知保全によるトラブルの未然防止などを実現するスマートファクトリー化を推進しています。ここでは、大容量のデータをリアルタイムに通信させることが求められますが、従来の無線システムは、同時接続できる設備の台数やデータの通信速度に課題があり、工場のすべての設備のデータを収集できない、高精細な画像データの通信に時間を要するなどの問題がありました。
5Gは、特長である「超高速・大容量」「超低遅延」「多点同時接続」により、従来の無線システムの課題を解決する新たな通信技術として期待されています。
こうしたなか当社は、スマートファクトリーの強化による生産性向上の実現に向けて、パワエレシステム事業におけるシステム製品のマザー工場である東京工場で、ローカル5Gの実証実験を開始しました。本実証実験で得られた実績・知見を活かし、ローカル5Gを当社の生産活動に適用するとともに、5Gの特長を活かしたソリューションの創出を目指します。
■2.実証実験の概要
場所 富士電機株式会社東京工場(東京都日野市富士町1番地)内の機械加工現場
*当工場は、計測機器やコントローラ、盤などを製造し、これらをシステム品として組み合わせて、産業プラント分野を始めとするお客様に提供しています。
機械加工現場では、各種製品に使われる板金部品などを加工しています。
内容 ①機械加工現場には、工作機械や加工中の金属材料などの遮蔽物が多く、こうした環境下における電波伝搬の調査
②生産管理システムといった工場全体の情報を管理する基幹システムと、機械加工現場にある設備・機器間との大容量データの通信の検証(下図参照)
使用周波数 4.8GHz
ENEOS(株)
ENEOSとトヨタ、Woven Cityにおける水素エネルギー利活用の具体的な検討を開始
-「ヒト中心」の街Woven Cityでカーボンニュートラル実現を目指す-(2021/5/10)
ENEOS株式会社(以下、ENEOS)とトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、静岡県裾野市にてトヨタが建設を進めるWoven City(ウーブン・シティ)での水素エネルギー利活用について具体的な検討を進めることに基本合意しました。両社は、トヨタの子会社でソフトウェアを中心とした様々なモビリティの開発を担うウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社(以下、ウーブン・プラネット)とともに、水素を「つくる」「運ぶ」「使う」という一連のサプライチェーンに関する実証をWoven Cityおよびその近隣で行い、日本や世界の多くの国が宣言する2050年までのカーボンニュートラル 実現への貢献を目指します。
ENEOSは、四大都市圏において商用水素ステーションを45カ所展開する、水素事業のリーディングカンパニーです。また、本格的な水素の大量消費社会を見据えたCO2フリー水素のサプライチェーン構築や水素製造に関する技術開発にも取り組んでおり、エネルギーの低炭素化を推進しています。トヨタは、水素を将来の有力なクリーンエネルギーと位置付けており、乗用車から商用車、産業車両、鉄道、船、定置式発電にいたるまで様々な用途での水素および燃料電池(以下、FC)技術の開発・普及に取り組んでいます。このような両社の水素に関する知見を活かし、様々な実証を通じて、Woven Cityにおけるモビリティ、人のくらし、そして街全体のカーボンニュートラルを目指し、水素を身近に感じていただきながら、豊かさと持続可能性が両立する社会の実現にチャレンジします。
両社は以下4項目における具体的な検討を進めてまいります。
(1) ENEOSによるWoven City近隣での水素ステーションの建設・運営
(2) ENEOSが上記水素ステーションに設置した水電解装置にて再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)を製造し、Woven Cityに供給。トヨタが定置式FC発電機をWoven City内に設置し、グリーン水素を使用
(3) Woven Cityおよびその近隣における物流車両のFC化の推進とFC車両を中心とした水素 需要の原単位*の検証およびその需給管理システムの構築
(4) Woven Cityの敷地内に設置予定の実証拠点における水素供給に関する先端技術研究なお、ウーブン・プラネットはトヨタとともにWoven Cityの企画を進めてまいります。
ENEOSの大田勝幸社長は、「街全体で未来の技術を実証するトヨタの構想に強く共感するとともに、Woven Cityプロジェクトに参画できることを大変嬉しく思います。世界規模でカーボンニュートラルに向けた動きが加速するなか、水素エネルギーはその実現の切り札として期待されています。今回、水素社会の形成をリードするトヨタと共に、ヒトと水素が共存する新しいライフスタイルの創出につながる実証を進めていく意義は極めて大きいと考えます。両社でWoven Cityが目指すコンセプトを世界に発信することで、エネルギーの新たな未来が拓かれることを切に願っています」と語りました。
トヨタの豊田章男社長は、「日本を代表する『総合エネルギー企業』として水素の製造から販売まで一貫して取り組まれているENEOSをコアパートナーに迎え、Woven Cityでの水素社会実証を行えることを大変嬉しく、心強く思います。水素社会の実現に向けては、個々の技術の進化に加えて、『つくる』『運ぶ』『使う』というすべてのプロセスをつなげて取り組むことが欠かせません。今後ENEOSと一緒に、Woven Cityというリアルな場で『ヒト中心』に、地域とともに、水素を使った暮らしのあり方や技術を検証し、その原単位を日本全国や世界に展開できるよう、取り組んでまいります」と語りました。
Woven Cityは住む方一人ひとりの生活を想像しながら取り組む「ヒト中心の街」です。水素を はじめとする様々な領域の新技術をリアルな場で実証する「実証実験の街」であり、いつまでも 成長し、スタートがずっと続くような「未完成の街」として、ENEOSをはじめとする想いをともにする世界中の様々な企業や研究者の方々と一緒に、幸せあふれる街づくりに取り組んでまいります。
* 技術やサービスが実用性のある事業として成立する基準
JFEスチール(株)
世界初となるハイテンの熱間連続圧延技術を開発(2021/5/6)
当社はこのたび、高張力鋼板(以下、ハイテン)の熱間連続圧延技術(以下、エンドレス圧延)を世界で初めて開発しました。すでに東日本製鉄所(千葉地区)熱延工場で量産を開始しており、ハイテンの安定生産および生産性向上を実現しました。
通常の熱間圧延プロセスでは、加熱したスラブを、粗圧延機と仕上げ圧延機で1枚ずつ所定の板厚まで圧延し、冷却設備で巻き取り温度を制御した後、コイル状に巻き取ります。仕上げ圧延時には、コイルの先尾端に張力がかからないため、鋼板の形状悪化および蛇行が発生しやすくなります。これらの問題に対応するため、当社は、粗圧延機と仕上げ圧延機との間に設置した接合装置でコイルの先尾端を接合し、仕上げ圧延機に複数のコイルを連続的に装入することができるエンドレス圧延(図1)を、1996年に世界に先駆けて開発し、東日本製鉄所(千葉地区)に導入しました。
一方で、ハイテンへのエンドレス圧延適用にあたっては、機械的特性の向上を目的に添加している合金元素(Si・Mn等)の影響で、接合部の強度および延性が低下するため、仕上げ圧延時に破断してしまうという課題がありました。
そこで当社は、接合部の強度および延性の低下を防ぐ技術(図2)を開発し、仕上げ圧延時の破断を抑制することに成功しました。これにより、ハイテンのエンドレス圧延が可能となり、通板性の改善などを通じて、ハイテンの安定生産および生産性向上に大きく寄与しています。
当社はこれからも、革新的な生産プロセス技術、および自動車の軽量化と衝突安全性向上の両立に資する高性能なハイテンの開発を通じて、今後も増加が見込まれるハイテンの需要に応えていくとともに、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するエコプロダクトの供給を拡大していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

■図1 エンドレス圧延設備の概要

■図2 接合部の高温延性に関する従来法と開発法の比較結果
昭和電工(株)
パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハーについてInfineon Technologiesと販売および共同開発契約を締結(2021/5/6)
昭和電工株式会社(社長:森川宏平)は、自動車向け、産業向けに半導体ソリューションを提供するグローバル企業であるInfineon Technologies AG(ドイツ、以下、インフィニオン社)とこの度、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハー(以下、SiC)に関する今後2年間(延長オプション付き)の長期販売および共同開発に関する契約を締結いたしました。
今回の契約締結により、インフィニオン社の有する幅広いパワー半導体製品への当社SiCの搭載が期待できることに加え、製品開発において両社の知見を合わせることで、製品の品質向上を加速してまいります。当社のSiCは、2009年の上市以来、特性均一性*1、低欠陥密度*2といった優れた特徴によりシステムサーバーの電源や鉄道車両、太陽光発電システム用インバーター、電気自動車の高速充電スタンド用コンバーターなど様々な用途に採用されてきました。
当社グループは、世界最大(当社推定)のSiC外販メーカーとして、”ベスト・イン・クラス”をモットーに、急拡大する市場に高性能で高い信頼性の製品を供給し、SiCパワー半導体の普及に貢献してまいります。
なお、インフィニオン社からリリースされたステートメントを添付いたします。
Infineon increases supply security for silicon carbide by expanding the supplier base
Munich, Germany – 6 May 2021 – Infineon Technologies AG (FSE: IFX / OTCQX: IFNNY) has concluded a supply contract with the Japanese wafer manufacturer Showa Denko K.K. for an extensive range of silicon carbide material (SiC) including epitaxy. The German semiconductor manufacturer has thus secured more base material for the growing demand for SiC-based products. SiC enables highly efficient and robust power semiconductors that are used in particular in the fields of photovoltaic, industrial power supply, and charging infrastructure for electric vehicles.
“Our broad and fast growing portfolio demonstrates Infineon’s leading role in supporting and shaping the market for SiC-based semiconductors which is expected to grow 30 to 40 percent annually over the next five years”, says Peter Wawer, President of the Industrial Power Control Division at Infineon.* “The expansion of our supplier base with Showa Denko for wafers in this growth market marks an important step in our multisourcing strategy. It will support us to reliably meet the growing demand mid to longterm. Furthermore, we plan to collaborate with Showa Denko on the strategic development of the material to improve the quality while cutting costs at the same time.”
“We are proud to be able to provide Infineon with Best-in-Class SiC material and our cutting-edge epitaxy technology” says Jiro Ishikawa, Senior Managing Corporate Officer from Showa Denko K.K.. “Our aim is to continuously improve our SiC material and develop the next technology. We value Infineon as an excellent partner in this regard.”
The contract between Infineon and Showa Denko K.K. has a two-year term with an extension option. Infineon has the industry’s largest portfolio of SiC semiconductors for industrial applications.
*Source: Yole, "Compound Semiconductor Market Monitor-Module 1 Q1 2021", April 2021
About Infineon
Infineon Technologies AG is a world leader in semiconductor solutions that make life easier, safer and greener. Microelectronics from Infineon are the key to a better future. In the 2020 fiscal year (ending September 30), the company reported revenue of more than 8.5 billion euros with a workforce of 46,700 people worldwide. Following the acquisition of the US company Cypress Semiconductor Corporation in April 2020, Infineon is now a global top 10 semiconductor company.
Infineon is listed on the Frankfurt Stock Exchange (ticker symbol: IFX) and in the USA on the over-the-counter market OTCQX International Premier (ticker symbol: IFNNY). Further information is available at www.infineon.com This press release is available online at www.infineon.com/press
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*1 特性均一性:ウェハーの特性を決める窒素のドープ(添加)が均一にできているということ。SiCパワー半導体はSiCに窒素をドープして製造するが、高電圧用途に用いるにはドープ量を少なくかつ薄く均一にする技術が求められる。
*2 低欠陥密度:1㎠あたり何個の欠陥があるかで判断される。欠陥が存在するとそこから電流が流れてしまいデバイスとして使用できなくなるが、大電流に対応するためSiCチップが大型化するため、デバイスの歩留まり向上には欠陥密度を下げる必要がある。当社第2世代品(HGE-2G)は、当社従来品HGE)に比べ1/2以下の表面欠陥密度を実現した。
■インフィニオン社の概要
会社名InfineonTechnologiesAG 所在地ドイツ バイエルン州ノイビーベルクAmCampeon -15 設立1999年4月1日主な事業半導体メーカー、特にパワー半導体市場で世界シェア1位(19.0%)を有する。
(Omdia,"Power Semconductor Market Share Database 2020")売上高8,567百万ユーロ(2020年度)従業員約46,700人(2020年度)
2021年4月
ENEOS(株)
新物質開発や材料探索を加速する汎用原子レベルシミュレータを提供する合弁会社の設立に合意(4月27日)
株式会社Preferred Networks(最高経営責任者:西川徹、以下「PEN」)およびENEOS株式会社(社長:大田勝幸、以下「ENEOS」)は、新物質開発・材料探索を加速する高速の汎用原子レベルシミュレータを提供する合弁会社の設立について合意しましたので、お知らせいたします。
PENとENEOSは2019年度より戦略的な協業体制の構築に合意しており、AI技術を活用したマテリアルズインフォマティクス分野での革新的事業創出を検討してまいりました。新会社では、2021年夏を目途に、両社の知見をもとに開発した高速の汎用原子レベルシミュレータをクラウドサービスとして提供いたします。

図.汎用原子レベルシミュレータで計算された触媒表面の例
今般、材料探索技術の高速化と汎用性向上を実現するため、従来の物理シミュレータに深層学習モデルを組み込み、原子レベルで材料を再現して大規模な材料探索を行うことのできる汎用原子レベルシミュレータを開発しました。深層学習モデルの訓練には、スーパーコンピュータを使って物理シミュレーションした膨大な量の原子構造データを使用しています。これにより、計算スピードを従来の物理シミュレータの数万倍に高速化するとともに、領域を限定しない様々な物質に適用可能な汎用性を実現しました。
本協業では、マテリアルズインフォマティクスのコア技術となる汎用原子レベルシミュレータを提供することにより、様々な材料開発分野において革新的な素材の開発を加速させ、イノベーション創出・実現に貢献していきます。
両社は、新たな素材開発を加速するマテリアルズインフォマティクス技術を活用した革新的なサービスの提供をすることにより、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のゴールである「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことをはじめとした目標の達成に貢献してまいります。
<合弁会社の概要>会社名 未定
所在地 東京都千代田区大手町1丁目6−1大手町ビル
設立年月 2021年6月1日(予定)
代表者 岡野原大輔
出資比率 PFN 51%、ENEOS 49%
事業概要 汎用原子レベルシミュレーションクラウドサービスの販売
およびコンサルティング
<国内外展開>
東京電力エナジーパートナー(株)
本庄市、日産自動車、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー、カインズ「電気自動車を活用したSDGs連携協定」を締結(4月27日)
本庄市(埼玉県本庄市、市長:吉田信解)、日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田誠)、埼玉日産自動車株式会社(本社:埼玉県さいたま市中央区、社長:佐藤友昭)、株式会社日産サティオ埼玉北(本社:埼玉県熊谷市三ヶ尻、社長:笠井靖彦)、日産プリンス埼玉販売株式会社(埼玉県さいたま市中央区、社長:高田泰伸)、東京電力パワーグリッド株式会社熊谷支社(埼玉県熊谷市筑波、支社長:大矢孝)、東京電力エナジーパートナー株式会社販売本部北関東本部(埼玉県さいたま市南区、本部長:小菅美佳)および株式会社カインズ(本社:埼玉県本庄市早稲田の杜、社長:高家正行)の8者は、本日、「電気自動車を活用したSDGs連携協定」を締結しました。
本協定の内容は、SDGsの目指す持続可能な社会の実現に向けて、相互の連携を強化するものであり、本庄市が、電気自動車(EV)の普及啓発を通じて、環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である埼玉日産自動車、日産サティオ埼玉北、日産プリンス埼玉販売およびカインズより、貸与される電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所等の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努めるものです。
 本庄市は、人口減少の克服と地方創生に重点を置く計画として策定した「本庄市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、「次の時代につながるまち~世のため、後のため」を全体目標とするとともに、SDGsが掲げる目標の達成を目指しています。また、2021年1月に発表された日本経済新聞社の雑誌である「日経グローカル」から発表された「第2回全国市区 サスティナブル度・SDGs先進度調査」では、10万人未満の市と特別区の中で全国3位となる等、SDGsの取り組みが評価されています。これに加え、2019年台風19号による被災を機に、防災・減災対策への備えも強化しています。
 東京電力パワーグリッド熊谷支社は脱炭素社会の実現に向け、全業務車両を電気自動車(EV)へ入れ替える取り組みや、EV充電設備の普及を支援しています。また、日々の安定供給に加え、激甚化する災害に対しての復旧対応力を高める等、強靱なインフラの維持・発展に取り組んでいます。今後、各種イベントや教育活動を通じて、環境やエネルギー等に対する理解促進を図り、SDGsの達成に貢献します。さらに、災害等に起因した停電の発生状況や復旧見通し等の停電に関連する情報を本庄市に適宜提供し、電気自動車(EV)の最適配置と効率的運用を支援します。
東京電力エナジーパートナーは、ご家庭や店舗、企業等のみなさまへ、生活に必要不可欠なエネルギーを提供する小売事業を担い、東京電力グループとして培ってきた省エネ技術・ノウハウを通じ、環境負荷の軽減やエネルギーコスト削減等につながるサービスの提供に取り組んでいます。東京電力エナジーパートナー販売本部北関東本部は、本協定に基づき、本庄市が実施するSDGsが理念とする持続可能な社会への理解促進に向けた各種イベントや教育活動等を通じ、電気自動車(EV)を活用した豊かで環境に優しい暮らしの提案ならびに電化促進活動の連携に努め、本庄市の目指す地域づくりを支援します。
カインズは、「世界を、日常から変える。」をビジョンとして掲げ、地域との絆が最も重要な価値のひとつであるとの認識のもと、現在、地球温暖化防止活動としては、本社ビルや一部店舗では太陽光パネルやEV充電設備を設置しています。また、店舗ではお客様にもご協力いただきながら、段ボールや衣服の回収・再資源化、レジ袋の使用量削減等、様々な取り組みを進めています。また、カインズでは、自らを「地域のインフラ」、「災害時のライフライン」と位置づけ、全国に展開する店舗を通じて、その地域の安全と安心を守り、“日常のくらし”を支え続けることが責務だと考えています。なお、本庄市とは2012年に「災害時における生活物資の供給協力に関する協定」を締結しています。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、国内の販売会社と共に、自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいます。また、『ブルー・スイッチ』活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化等の地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献しています。
日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ』活動、本庄市が推進するSDGsの達成や環境・防災対策、そして、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー、カインズが推進する環境・エネルギー対策と、それぞれがお互いの取り組みに賛同し、脱炭素社会実現に向け、今回、本協定の締結を行う運びとなりました。
「電気自動車を活用したSDGs連携協定」の概要は、以下の通りです。
■協定の概要
・日産自動車、埼玉日産自動車、日産サティオ埼玉北、日産プリンス埼玉販売、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナーおよびカインズは、平常時において本庄市が主催する環境イベント等で使用する電力を自社が所有する電気自動車(EV)から供給し、CO2排出削減と市民への環境意識向上と電気自動車活用の認知向上を目指す。
・日産自動車、埼玉日産自動車、日産サティオ埼玉北、日産プリンス埼玉販売、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナーおよびカインズは、SDGsの理念に基づく持続可能な社会についての深い理解を本庄市民に促すため、それぞれが持つ教育プログラムを提供する。
・本庄市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所等での電力供給を行うため、埼玉日産自動車、日産サティオ埼玉北、日産プリンス埼玉販売及びカインズ本部に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。また、日産販売会社店舗およびカインズ本部に設置されている充電設備についても、本庄市に対して、無償で使用することを許諾する。これにより、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命、身体及び財産を守る。

災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図
本庄市では、EV購入を支援するための補助金を設定する等、今後も更なるEV普及・促進の取り組みを推進し、環境・防災力向上に努めていきます。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスをお届けすると共に、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいます。また、政府の推進する「2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、2030年代早期より、主要市場で投入する新型車をすべて電気自動車(EV)等の電動車両とすることを目指し、電動化と生産技術革新を推進しながら、新たな目標に向けて取り組んでいます。そして、『ブルー・スイッチ』の推進に加え、電気自動車(EV)というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指しています。
今回の「SDGs連携協定」は、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で98件目となり、電気自動車(EV)を活用したエネルギーマネジメントや観光等を含む、『ブルー・スイッチ』活動全体の取り組みとして128件目となります。
本庄市、日産自動車、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナーおよびカインズは、この協定締結を機に、SDGsの目指す持続可能な社会の実現に向けて連携を強化し、「電気自動車(EV)を活用した、SDGs連携協定」を推進していきます。そして、脱炭素社会実現とSDGsの達成、電気自動車(EV)の普及を通じた地域課題の解決に向けて、更に連携を強化してまいります。
昭和電工(株)
高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製板材「ST60-HSM®」の車載用バスバー用途への展開を本格化(4月27日)
昭和電工株式会社(社長:森川宏平)は、高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製、板材「ST60-HSM®」*1の車載用バスバー*2への展開を本格化し、複数の自動車部品メーカーに本年よりサンプル提供を開始いたしました。
当社が開発した「ST60-HSM®」は、純アルミニウム並みの高熱伝導性とアルミニウム合金系統の6061*3並みの高強度を持つアルミニウム合金製板材で、PCの液晶バックライトのシャーシ等に採用されています。
昨今のグローバル規模でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化を背景に、自動車業界でもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車等の電動車へのシフトが加速し、燃費向上や走行可能距離伸長のため、車体の軽量化への取り組みが求められています。そのため、車載モーターとコンバータ、インバータとジェネレータを接続するワイヤーハーネスやバスバー等も、銅製のものから、より軽量なアルミニウム合金製への置き換えが急速に進んでいます。
当社の「ST60-HSM®」は、高熱伝導性や高強度といった特性に加えて高導電率を有する、車載用バスバーに要求される疲労強度や高温強度にも優れたアルミニウム合金製板材です。本板材に切り替えることにより、既存の銅製のバスバーに比べて約43%の軽量化*4を実現するとともに、銅製バスバーより安価なことからコスト削減にも寄与します。
当社は長年培ってきたアルミニウム合金設計技術と加工技術をもとに、お客様の課題を解決するソリューションを提供してカスタマーエクスペリエンスを最大化し、アルミ圧延品事業の拡大を目指してまいります。
*1 ST60-HSM®:ST60は、当社が2001年に開発したアルミニウム合金製板材で、純アルミニウム並みの熱伝導性と構造用材として代表的なアルミニウム合金5052と同等の強度を持つ。ST60-HSM®は、ST60シリーズの中でも高強度かつ成型性が良好で、6061に匹敵する引張強さを有し、スマートフォンやタブレットの内部シャーシや筐体のメタルベースに使用されている。HSMはHigh Strength Metalの略。
*2 バスバー:電気を通すための金属製の板(導体)で銅製が多い。電線よりも効率的に電気を流すことができるため、大電流を流す用途で使用される。
*3 6061:6000系はマグネシウムとシリコンが添加されたアルミニウム合金の系統で、高強度で耐食性・切削加工性に優れ構造用材に使用される。6061は銅等を添加して強度を高めており、溶体化・焼入れ・時効処理によりさらに高い強度が得られる。
*4 アルミと銅の比重比(Al:2.7/Cu:8.9)と導電率比(Al:54/Cu:102)として試算。
J&T環境(株)
国内のプロ野球場初「創電割®」導入(4月26日)
~横浜スタジアムの廃棄物を発電に利用~
株式会社横浜スタジアム(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:藤井謙宗)は、JFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大下元)が100%出資する新電力のアーバンエナジー株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:原岡恵子)の電力メニュー「創電割®」*1を活用した循環型エコシステムへの取り組みを、2021年3月1日に開始しました。
今回アーバンエナジーが提案したスキームは、横浜スタジアムで排出された廃棄物を、地元のリサイクル企業である武松商事株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:金森和哉)が収集・運搬し、JFEエンジニアリンググループのJ&T 環境株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:露口哲男)が運営する産業廃棄物処理施設で焼却・発電するものです。発電した電力はアーバンエナジーが買い取り、横浜スタジアムへ供給いたします。国内のプロ野球場から排出された廃棄物を燃料として発電された電力を循環活用する取り組みは、国内初となります。*2
アーバンエナジーは、横浜スタジアムへ2017年より電力供給を行っていましたが、今回の創電割®の提案がSDGsの達成に資するものとして高く評価され、新たに採用されました。
株式会社横浜スタジアム、JFEエンジニアリンググループは、環境に配慮したサービスの拡充を図り推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

■「創電割®」のスキーム
*1 「創電割®」アーバンエナジーが廃棄物から発電した電力を買い取り、廃棄物の発生元施設へ供給する場合に、廃棄物量に応じて電力料金を割り引くサービス。同サービスは2017年から開始しており、新電力の中でも独自のサービス。
*2 2021年4月現在、アーバンエナジー調べ
東京ガス(株)
東京ガスとNTT東日本の協業による埋設物調査・工事立会の共同Web受付の開始について
~DX化による国内初のワンストップ申請の実現~(4月26日)
東京ガス株式会社(代表取締役社長:内田高史、以下「東京ガス」)と東日本電信電話株式会社(代表取締役社長:井上福造、以下「NTT東日本」)は、エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社(代表取締役社長:黒田𠮷広、以下「NTTインフラネット」)が提供するWebシステム*1を活用し、現在各社が個々に実施している、道路掘削工事を予定している工事会社等(以下「工事会社」)からの埋設物調査・工事立会の共同受付を、2021年5月11日より開始します。
■1. 本取り組みの背景と概要
道路等に地下埋設物を保有するライフライン事業者は、工事会社による道路掘削工事における自社埋設物の損傷事故防止を目的として、工事会社からの申請に基づき、工事前の埋設物調査や工事の際の現地立会等を行っております。
これまで、工事会社は道路掘削工事の都度、各ライフライン事業者に、電話・FAXもしくは窓口へ直接出向いての申請を行う必要があり、また、ライフライン事業者も、申請の受付や埋設物調査や現地立会を各社毎に実施してきました。しかし、働き方改革や人手不足を背景として、業務効率化・生産性向上が急務となっています。
東京ガスおよびNTT東日本は、NTTインフラネットが提供するWebシステムを利用した共同受付を開始し、年間約8万件*2にもおよぶ受付業務の効率化を図ります。また、工事会社が複数のライフライン事業者へワンストップで申請可能となる仕組みを、国内のガス業界および通信業界で初めて実現し、建設業界の働き方改革やDX推進など社会課題の解決に貢献していきます。
将来的に3社は、本取り組みに参画いただける事業者を拡大し、更なる効率化を目指してまいります。
*1 Smart Infraプラットフォーム
「Smart Infraプラットフォーム」始動
~スマートメンテナンスを通じた業務効率化の実現へ向けて~
https://www.nttinf.co.jp/news/pdf/2020/inf-201201_01.pdf
*2 東京ガスとNTT東日本の両社がサービス提供するエリアにおける件数
■2.実施イメージ
■3.立会受付Webシステムの概要
受付開始日 2021年5月11日(火)
WebシステムURL*3 https://ap.infrastructure-mgmt.jp/
システムの特徴 ・工事会社から事業者への申請をワンストップで実施可能
・事業者は申請情報・工事位置座標をデジタルデータで取得可能
*3 接続の際、ブラウザはGoogle Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefoxをご利用ください。
味の素(株)
味の素㈱、生分解性の高い化粧品用マイクロプラスチックビーズ*1代替品の開発に成功(4月26日)
~“環境と肌にやさしい”アミノ酸系香粧品素材~
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は当社独自のアミノ酸技術を生かし、生分解性の高い化粧品用マイクロプラスチックビーズ代替品の開発に成功しました。本素材は、スキンケアやメークアップ化粧品に幅広く使用されている合成樹脂由来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を持っており、当社は2022年度上期の上市を予定しています。

開発に成功した化粧品用
マイクロプラスチックビーズ代替品

近年、サステナビリティやESGへの取り組みの意識が高まる中、環境への悪影響が大きい高分子プラスチックの使用禁止や削減に向けた規制が各国で強化されています。既に北米・欧州・アジアの国々ではマイクロプラスチックビーズを使用した洗い流せるパーソナルケア製品等に対する規制が強化されており*2、代替品に置き換わっています。
一方、スキンケアやメークアップ化粧品に使用されてきたマイクロプラスチックビーズにおいては、肌触りや使用感を維持した代替品の開発が技術的に難しいこともあり、日本を含む多くの主要国で使用の規制には至っていません。こうした状況の下、現在はこれらのマイクロプラスチックビーズについても化粧品メーカー各社による代替品を模索する動きが顕著になっていますが、代替品が従来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を再現するには技術的な課題が顕在していると言われてきました。
当社は1972年に、植物由来の発酵法で製造したグルタミン酸を原料としたアミノ酸系洗浄剤を世界で初めて発売して以降、パイオニアとして世界55カ国、5,000社以上(2019年5月時点)にアミノ酸系香粧品素材を提供しています。さらに化成品事業の一環として、主力のアミノ酸系洗浄剤に加え、アミノ酸に関する豊富な知見を生かし、主にメークアップ化粧品用途に使用される、肌にやさしい機能性素材も提供しています。これらの機能性素材の一つである「アミホープ®LL」は、滑沢性の高い板状粉体としてフェースパウダーを始めとした多くの化粧品に使用されており、柔らかくしっとりとした感触と肌への密着感が特長です。
近年、当社はこの「アミホープ®LL」の知見や技術を活用し、感触がよく、機能性の高いマイクロプラスチックビーズ代替品の開発に取り組んできました。その結果、「アミホープ®LL」の機能を自然由来の球状粒子に付与することに成功し、従来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を持つマイクロプラスチックビーズ代替品の開発に成功しました。この開発品は、プラスチックを使用せず自然由来の原料のみを使用しているため生分解性が高く、環境への負荷低減が期待できます。また、多くの既存のマイクロプラスチックビーズ代替品に見られる技術的な課題も大幅に改善されています。
当社は2020-2025中期経営計画において、地域・地球との共生に関する目標として資源循環型社会の実現を掲げており、2030年度までにプラスチック廃棄物ゼロ化および課題原料の持続可能な調達比率100%を目指しています。2030年度へのロードマップにおいて、プラスチックの使用量を削減するとともに、資源循環を促進するためモノマテリアル(単一素材)などのリサイクル可能な素材へ転換することを具体的施策として位置付けています。
本素材の開発・上市はこの施策の一環として重要な取り組みの一つであり、当社は今後も環境と肌に優しいアミノ酸系香粧品素材の開発を通じて、“地球環境への負荷の低減”と“生活者の快適な生活”に貢献していきます。
*1 マイクロプラスチックビーズとは、5㎜以下のビーズ状のプラスチックで、洗顔料や歯磨き粉など洗い流すタイプのパーソナルケア製品や、スキンケアやメークアップ化粧品などに利用されています。なお、マイクロプラスチックビーズなどマイクロサイズで製造されたプラスチックを「一次的マイクロプラスチック」、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で破砕・細分化されマイクロサイズになったものを「二次的マイクロプラスチック」と分類します。(出典:平成30年環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」)
*2 2018年6月、カナダにおいて開催されたG7シャルルボワ・サミットでは、「可能な限り2020年までに洗い流しの化粧品やパーソナルケア製品に含まれるマイクロプラスチックビーズの使用を削減するよう産業界と協力する」との憲章が制定されました。(出典:平成30年環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」)
JFEスチール(株)
令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞(4月6日)
~革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発~
このたび当社は「革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発」の成果が認められ、令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰(*1)科学技術賞(開発部門)を受賞しました。当社の同賞受賞は4年連続となります。
受賞案件 : 「革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発」
受賞者 : 常務執行役員 スチール研究所 副所長 長滝康伸
缶用鋼板セクター部 主任部員 鈴木善継
スチール研究所 表面処理研究部 主任研究員 牧水洋一
スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員 髙橋秀行
スチール研究所 薄板研究部長 金子真次郎
案件概要:
自動車走行時のCO2排出量削減を目的に、車体部品に使用する鋼板を薄肉化して軽量化することが進められています。これには、鋼板の強度を高めるだけでなく、複雑な形状にするためのプレス加工性、および自動車の耐久性を高めるための防錆性を確保することが欠かせません。このため、当社ではプレス加工性に優れる高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板(*2)の開発を進めてきました。鋼板の高強度化と優れた加工性を両立させるには、鋼板への強化元素の添加が必要です。しかし、一部の強化元素は、鋼板の製造工程で表面に濃化し、最終工程である溶融亜鉛めっき処理において、表面欠陥の原因となるため、添加できる強化元素量には限界がありました。
本開発では、従来とは異なる新たなコンセプトで、製造工程の雰囲気を精密に制御することによって、鋼板表面における強化元素の濃化を抑制し、無害化することに成功しました。その結果、強化元素の添加量を高めることが可能となり、プレス加工性の指標となる伸び特性が従来鋼と比較して約2割向上した590~980MPa級ハイテンGA鋼板を、表面欠陥なく製造できるようになりました。この技術により、プレス加工が難しい自動車部品にもハイテンGA鋼板を使用することが可能となり(図1)、車体軽量化による燃費向上を通じて、CO2排出量の削減に貢献しています。
当社は今後とも、環境負荷を低減するエコプロダクツと製造技術の開発に注力し、社会全体のCO2排出量削減に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 科学技術分野の文部科学大臣表彰
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
*2 高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板
Galvanized Alloyの略。溶融亜鉛めっき後に再加熱し、めっき層の亜鉛と鉄を合金化した高張力鋼板。高い防錆性能を有するとともに、溶接性、塗装性などの自動車用鋼板に求められる諸特性に優れています。

(図1)従来鋼と開発した980MPa級ハイテンGA鋼板のプレス加工例
(株)浜銀総合研究所
企業経営予測調査(2021年3月特別)(4月6日)
東亜建設工業(株)
冷凍冷蔵倉庫向けの防熱耐火パネルで1時間耐火構造壁・30分耐火構造壁の国土交通大臣認定を取得しました。(4月6日)
東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区/社長:秋山優樹)は、冷凍冷蔵倉庫向け耐火構造壁として使用できる防熱耐火パネルの1時間耐火構造、30分耐火構造の大臣認定を取得しました。
背景
冷凍冷蔵倉庫の外壁には、建物の機能上、高い断熱性能を要求される一方で、建築基準法上の耐火性能も要求されます。そのため、従来の冷凍冷蔵倉庫では鉄筋コンクリート製の外壁に200mm程度の厚みの断熱層を設けて設計しています。
近年、現場での施工省力化に伴い、柱梁の躯体にプレキャスト化が採用され、外壁にはコンクリートパネル等を利用した乾式工法を採用し、耐火性能を確保することが多くなってきました。また、断熱性能を確保するために、現場で断熱材を200mm程度吹き付け、その上に仕上げ材で化粧をする設計が主流となっています。その吹き付け作業は、飛散養生に手間が掛かる上に作業環境も悪く、さらに労務不足もあって現場施工の負担になっていました。さらに現場での断熱材の吹き付けは、他工種の溶接や溶断火花が飛散して断熱材に着火して火災を発生させるリスクが大きく、その対策は建設業界全体として、近年、課題となっています。
そこで当社では、それら負担を軽減させるため、耐火性能と断熱性能の両方を併せ持つ防熱耐火パネルの防火耐火構造に係る国土交通大臣の認定を取得しました。
従来方法との比較
従来方法は、コンクリート製の外壁に断熱材と耐火吹付材を吹き付け、仕上げ材を施しますが、防熱耐火パネルは、耐火性能と断熱性能が一体化したパネルです。 そのため、現場での断熱材と耐火吹付材の吹き付け作業とそれを覆う仕上げ材の工程が不要となり、現場作業の環境改善に加えて工期短縮にも有効です。又、施工段階で断熱材が露出していない為、現場における火災リスク低減にも貢献します。
防熱耐火パネルの製品概要
本パネルの製品概要は、下記の通りです。
(1)パネルサイズ
幅900mm、厚さ250mm、最大高さ9mまで適用可能
(2)断熱性能
断熱材200mm相当の断熱性能を確保(-25℃対応)
(3)耐火性能
建築基準法で規定する1時間耐火構造壁および30分耐火構造壁
(4)国土交通省の大臣認定取得
建築基準法1時間耐火構造壁、30分耐火構造壁の大臣認定を取得
1 1時間耐火構造壁 大臣認定番号:FP060NE-0264(令和3年2月3日)
2 30分耐火構造壁 大臣認定番号:FP030NE-0268(令和3年3月1日)
(5)関連特許
本パネルに関連する特許を出願中
防熱耐火壁および防熱耐火壁の構築方法:特願2021-005753(令和3年1月8日)

耐火壁模式図
JFEエンジニアリング(株)
JFEエンジニアリング㈱のCO2排出量を約30%削減(4月2日)
~CO2フリー電気「ゼロエミプラン®」を導入~
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、100%子会社で新電力会社のアーバンエナジー株式会社(社長:原岡恵子、本社:神奈川県横浜市)が提供する「ゼロエミプラン®」1を、2021年4月1日より鶴見地区(横浜本社及び鶴見製作所)に導入しました。
これによりJFEエンジニアリングの鶴見地区の電力使用によるCO2排出量は実質ゼロとなり、会社全体でも約30%のCO2排出量削減を実現します。
今回アーバンエナジーがゼロエミプラン®として供給する電力は、すべてJFEエンジニアリンググループで運営している再生可能エネルギー発電所から調達しています。また、「トラッキング付非化石証書」*2が取得可能な電源のため、RE100取得を目指す需要家にとっては、達成度証明にも利用可能です。
JFEエンジニアリンググループは、今後も環境に配慮したサービスの拡充を図り推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 「ゼロエミプラン®」
FIT電気を電源とし、非化石証書やJクレジットを用いて、実質再生可能エネルギー100%を実現する環境重視型の電力供給プラン。
*2 「トラッキング付非化石証書」
トラッキング付非化石証書は、小売電気事業者が購入したFIT非化石証書の由来となった発電所を明らかにすることを目的としたもの。

JFEエンジニアリングのCO2排出量

今回のゼロエミプラン®のイメージ
2021年3月
J&T環境(株)
ガンプラ生産工場がアーバンエナジーの「創電割®」サービスを導入(3月31日)
~バンダイナムコグループのガンプラリサイクルプロジェクトの一環として~
株式会社BANDAI SPIRITS(所在地:本社 東京都港区、代表取締役社長:福田祐介)とJFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大下元)が100%出資する新電力のアーバンエナジー株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:原岡 恵子)は、アーバンエナジーの電力メニューである「創電割®」*1サービスの導入に合意しました。これは2021年4月から開始するバンダイナムコグループの「ガンプラリサイクルプロジェクト」*2の一環としての取り組みとなります。
今回の取り組みでは、BANDAI SPIRITSが生産・販売するガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」の生産工程で排出されたプラスチック廃棄物などを、バンダイナムコグループの株式会社バンダイロジパルが収集運搬し、JFEエンジニアリンググループのJ&T環境株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:露口 哲男)が運営する産業廃棄物処理施設で焼却します。その過程で発電した電力を、アーバンエナジーがガンプラの生産拠点である「バンダイホビーセンター」へ供給いたします。
将来的には、全国のバンダイナムコアミューズメントの直営アミューズメント施設約190店に設置されているボックスから回収された、ガンプラのランナー(プラモデルの枠の部分)の一部*3を同様のプロセスで追加処理することで、さらなる廃棄物の有効活用化を目指します。
BANDAI SPIRITSは、地球環境に配慮し、事業活動におけるエネルギー削減や商品・サービスにおける省資源化に努めています。
JFEエンジニアリンググループは、このようなニーズに対して、今後もグループ一体となって環境に配慮したサービスの拡充を図り推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 「創電割®」アーバンエナジーが廃棄物から発電した電力を買い取り、廃棄物の発生元施設へ供給する場合に、廃棄物量に応じて電力料金を割り引くサービス。同サービスは2017年から開始しており、新電力の中でも独自のサービス。
*2 「ガンプラリサイクルプロジェクト」バンダイナムコグループの株式会社BANDAISPIRITSが生産・販売するガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、ファンとともに世界初 のケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化を目指すプロジェクト。ファンの皆さん が「ガンプラ」を組み立て終わったあとに残るランナーを回収し、最先端技術であるケミカルリサイクルによって新たなプラモデル製品へと生まれ変わらせることを目指すプロジェクト。(*)バンダイナムコグループ調べ
*3 一部はサーマルリサイクルし、残りはケミカルリサイクル 、マテリアルリサイクルする(いずれも将来構想)。
■「創電割®」のスキーム

■株式会社BANDAI SPIRITS 概要
所在地 本社 〒1080014 東京都港区芝五丁目 29 11 G BASE 田町
資本金 3億円
ガンプラリサイクルプロジェクト公式サイト https://www.bandaispirits.co.jp/hobbycenter/recycleproject.html
バンダイナムコグループのCSRへの取り組み https://www.bandainamco.co.jp/social/index.html
■JFEエンジニアリング株式会社 概要
所在地 横浜本社 横浜市鶴見区末広町二丁目1番地
資本金 100億円
事業内容 総合エンジニアリング事業
JFEエンジニアリングの未来に向けたアクション https://www.jfeeng.co.jp/360_jfe_engineering/#sdgs
■アーバンエナジー株式会社 概要
所在地 本社 横浜市鶴見区末広町二丁目1番地
資本金 5千万円
事業内容 電力売買事業(小売電気事業者 登録番号 A0122
株主 JFE エンジニアリング株式会社100%
■J&T 環境 株式会社 概要
所在地 横浜 本社 横浜市鶴見区弁天町3番地
資本金 6億5千万円
事業内容 総合資源化リサイクル事業、総合物流事業
株主 JFEエンジニアリング株式会社、株式会社 JERA
ENEOS(株) <国内外展開>
サウジアラムコとのCO2フリー水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた協業検討に関する覚書締結について(3月25日)
当社(社長:大田勝幸)は、サウジアラビア王国の国営石油会社SaudiArabianOilCompany.(以下、「サウジアラムコ」)との間で、先般CO2フリー水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた協業検討に関する覚書を締結し、フィージビリティスタディ(以下、「FS」)を開始しますので、お知らせいたします。
今回の検討では、サウジアラムコが生産・供給する天然ガス・LPGなどの化石資源に由来する水素製造事業や、製造時に発生するCO2を回収・貯留する事業、および日本をはじめとするサウジアラビア国外の需要地へ海上輸送するため、アンモニアやMCH*(メチルシクロヘキサンを含む、様々な水素の輸送形態を対象にFSを実施します。
日本は年間原油消費量の3分の1以上をサウジアラビアから輸入しており、同国のサウジアラムコはCO2フリー水素・アンモニアの長期的な安定供給ポテンシャルを持つことから、本覚書を締締しました。当社は、このFSの成果に基づき,日本への製品輸入を含め、製油所において発電所などの近隣企業への水素供給事業を展開し、将来の水素の社会実装に取り組みます。
当社は、CO2フリー水素・アンモニアサプライチェーンを早期に拡大することで、低炭素社会の構築に貢献してまいります。
*水素ガスの500分の1の容積で常温常圧の液体。貯蔵や輸送など取り扱いが容易なことが特徴。
<サウジアラムコの概要>正式名称 SaudiArabianOilCompany
設立 1933年
代表者 Amin H. Al-Nasser, President&CEO
事業内容 石油・天然ガスの探査、開発、生産、精製、輸送原油・石油製品・ガス・化学品等の販売、取引
富士電機(株)
蓄電池を活用した周波数制御技術に関する実証試験および独自検証の取組み結果について(3月22日)
関西電力送配電株式会社(以下、関西送配電)を含む13社*1は、2020年12月1日~2021年1月29日の期間にわたり、需要家が保有する家庭用蓄電池、産業用蓄電池および電気自動車をエネルギーリソースとして活用し、電力系統における周期の短い負荷変動に合わせて即時充放電させる実証試験を実施しました。(2020年11月30日お知らせ済み)
本実証試験は、資源エネルギー庁の補助事業である「令和2年度需要 家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金*2」の交付を受け実施したものです。関西送配電が日本電気株式会社(NEC)と構築した蓄電池を一括制御するための蓄電池群監視制御システム「K-LIBRA*3 」を用いて、リソースアグリゲーター*4の保有する複数の蓄電池を一括制御するためのシステム(以下、RAシステム)を経由した周波数制御や一般家庭などで広く普及するインターネット回線を活用した周波数制御の実証を行いました。
実証試験の結果は以下のとおりで、期待した成果が確認できております 。
①K-LIBRA からRAシステムを経由して蓄電池を制御した場合においても、RAシステムを経由せずに直接制御した場合(昨年度実証相当)と同等の精度で秒単位 の周波数制御ができることを確認しました。
②インターネット回線を利用して制御した場合においても、専用回線(LTE回線)を利用した場合 (昨年度実証相当と同等の精度で秒単位の周波数制御ができることを確認しました。
③一般需要家宅の既設の蓄電池を改造して、秒単位の周波数制御ができることを確認しました。 また、上記補助事業の対象外ではありますが、2社*5の協力を得て、蓄電池各1台ずつの計2台を追加した検証も同時期に行っており、同様の結果が得られています。
関西送配電は、は、引き続き蓄電池や電気自動車等のエネルギーリソースを用いた周波数制御技術の実用化に向けた技術の確立を目指し技術の実用化に向けた技術の確立を目指し、電力の安電力の安全・安定供給および再生可能エネルギーのさらなる導入拡大による低炭素全・安定供給および再生可能エネルギーのさらなる導入拡大による低炭素化社会の実現に貢献してまいります。化社会の実現に貢献してまいります。
*1 関西電力送配電株式会社、ENEOS株式会社、エリーパワー株式会社、関西電力株式会社、株式会社三社電機製作所、住友商事株式会社、住友電気工業株式会社、株式会社ダイヘン、デルタ電子株式会社、ニチコン株式会社、株式会社日本ベネックス、富士電機株式会社、株式会社YAMABISHIの13社。
*2 経済産業省資源エネルギー庁が、バーチャルパワープラントの構築にかかる実証事業を行う経費に対して、当該費用の一部を助成するもの。
*3 Kansai transmission and distributions Liberty to manage the power grid Integrated Batteries and energy Resource Aggregator(s) の略 。
*4 需要家と契約を直接締結して需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し、バーチャルパワープラントやデマンドレスポンスからエネルギーサービスを提供する事業者のこと。
*5 山洋電気株式会社、パナソニック株式会社の2社。
味の素(株)
生活改善をサポートするスマートフォン用アプリ
味の素(株)、「aminoステップ™」を2021年4月から公開(3月22日)
~「アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)」に加え生活改善のソリューション提案へ~
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、1回の採血でさまざまな疾患リスクを評価する検査「アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)」を展開しています。このたび、メドピア株式会社(代表取締役社長CEO:石見陽 本社:東京都中央区)の連結子会社である株式会社Mediplat(代表取締役CEO:林光洋 本社:東京都中央区)と生活改善を提案する情報提供を目的としたスマートフォン用アプリ「aminoステップ™」を共同開発しました。2021年4月よりサービスを開始し、健康課題解決のためのアドバイスや、生活改善を支援する情報・ツールをAIRS®受診者をはじめ一般ユーザーまで幅広く提供していきます。
日本においては高齢化の進展やそれに伴う医療費の拡大、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延を背景に、今後、未病の段階でセルフケアをすすめ健康を保つことへのニーズが高まることが予想されています。また、個人の身体の状態・運動・食事・服用薬のデータを計測・管理するパーソナルヘルスケアサービス市場は多数の競業他社が存在しており、国内で2020年に約133億円*とも推計されています。こうした状況を背景に、当社は健康課題をより広く捉え、さまざまな疾病リスクの低減や健康維持のための生活改善の入り口となる場を提供したいとのコンセプトで本アプリを開発しました。
* 出典:矢野経済レポート「2020年パーソナルヘルスケアサービス市場の現状と展望」
本アプリは、AIRS®受診後のサポートを強化することで受診者の満足度を向上し、また、未病段階から楽しみながら生活改善をしていけるよう、からだの状態を知り、行動を変えていくきっかけとなるツールを目指しています。「aminoステップ™」では、医療従事者とのネットワークを基盤に個人向けヘルスケアに強みを持つメドピアグループのノウハウを生かしたチャット形式の健康相談機能や、ウォークラリー、aminoマイル(本アプリ内のポイント)の獲得、ヘルスケアに関するクイズ機能など、ゲーム形式で楽しみながら健康維持につなげる機能、生活改善をサポートする情報提供や検査結果の記録・管理等を提供していきます。当社は本サービスを通じ、アプリを継続的な生活者との接点として、今後の検査やサービスのさらなる向上に生かしていきます。
当社は2020-2025中期経営計画において「食と健康の課題解決企業」を掲げており、この実現に向けて「アミノ酸のはたらきで、世界の健康寿命を延ばすことに貢献」することを目指しています。アミノインデックス事業は、サービス開始より10年間、検査項目の拡大を通じて、がんや生活習慣病を含めたさまざまな疾病の発見や予防につながるサービスを提供してきました。今後は本アプリを通じて、検査サービスとしての拡充に加え、未病段階における統合的な食と健康のソリューションサービスへの進化を目指し、生活者の快適な生活の実現に貢献していきます。
■「aminoステップ™」アプリ概要
・キャッチフレーズ:日々の生活改善をサポート。始めよう、生活改善
・提供価値:生活改善を楽しみながら続けることができる、生活改善のアドバイスがもらえる
・主な機能:①歩くだけでaminoマイルがたまる
②たまったaminoマイルはAmazonギフト券に交換
③医師にチャットで直接健康相談(プレミアム会員および一部の会員向けの機能)
④クイズやアンケートに答えて、さらにaminoマイルがたまる
⑤「アミノインデックス®」の検査結果を記録、検査結果に応じた生活改善アドバイス
・価格 無料(今後アプリ内課金サービスを予定)
・サービス提供地域:日本  ・サービス提供形態:iOS向けアプリ、Android向けアプリ
・アプリ紹介サイトおよびQRコード:https://mypage.aminoindex.jp/
参考
■メドピアグループ概要
(1) 会社名 メドピア株式会社
(2) 所在地 東京都中央区
(3) 設立時期 2004年12月
(4) 代表者 代表取締役社長 CEO 石見 陽(医師・医学博士)
(5) 事業内容 医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の運営、その他関連事業
(6) ホームページURL https://medpeer.co.jp/
(1) 会社名 株式会社Mediplat(メドピア株式会社子会社)
(2) 所在地 東京都中央区
(3) 設立時期 2015年11月
(4) 代表者 代表取締役 CEO 林光洋
(5) 事業内容 産業保健支援サービス「first call」の運営、ライフログプラットフォーム事業
(6) ホームページURL https://firstcall.md/Home/About
東亜建設工業(株)
~調査・設計・施工までのトータル管理~(3月18日)
埋立粘性土地盤での「ACCESS法」の有効活用に向けた原位置地盤試験機(TOA-SID-MarkⅡ)を開発
東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 秋山優樹)は、機動性や操作性に優れた原位置地盤試験機(TOA-SID-MarkⅡ)を開発・導入しました。これまで大規模な埋立や盛土工事を対象として適用していた当社独自の軟弱地盤の調査・設計・施工管理技術(ACCESS法:Advanced Construction Control for Earthwork on Soft Soils)を、より広範な条件下の工事に展開するため、地盤試験専用プラットフォームとして活用していく予定です。
開発の背景
当社は1990年代に、埋立や盛土工事を対象として、軟弱な粘性土地盤に対する調査・設計から施工に至るまでの一連のプロセスを、一貫した手法に基づいて評価/管理する技術「ACCESS法」を開発しました(図-1)。当技術は、電気式コーン貫入試験(CPT)をはじめとした原位置試験と、一面せん断試験(DST)などの室内試験を組み合わせた独自性の高い技術として評価されてきました。一方で、調査機を地盤へ貫入させるボーリング機械や大型地盤貫入機をプラットフォームとして利用することが前提となっていたため、主にコスト面から、適用できるケースが大型プロジェクトに限定される、という背景がありました。
一方、近年の建設業界においては、就業者の高齢化や若年入職者の減少に伴い、現場情報を効率的に収集し、適切に活用する、いわゆる情報化施工の必要性が益々高まっています。このACCESS法は、施工中のデータをその後の工程に随時フィードバックしながら高品質な土構造物の構築を実現する管理手法であり、“地盤情報を上手にコントロールし、人為的判断誤差を最小化できる”方法として、改めてその重要性に注目しています。そこで、このACCESS法を大型プロジェクトのみならず、比較的小規模な工事に至るまで幅広く活用していくため、工事現場での機動性と操作性に富んだ専用プラットフォームとしてTOA-SID-MarkⅡを開発・導入しました(写真-1,2)。
図-1 ACCESS法の実施フロー
写真-1  TOA-SID-MarkⅡの全景
写真-2 TOA-SID-MarkⅡを用いた
「TOA-SID-MarkⅡ」の特長
TOA-SID-MarkⅡの導入目的は、ACCESS法を比較的小規模な工事も含めて広く展開することにあります。そのため、より多くの現場で手軽に適用できるように、機体の小型化を図り、運搬時に一般貨物自動車に積載できる仕様を採用しました(写真-3)。これにより、調査場所をスムーズに移動することができます。さらに、自走式キャタピラ構造を備えつつ、軽量化(約600kg)を図ることで、ぬかるみなどの厳しい現場環境(写真-4)においても優れた機動性を発揮します。
ACCESS法は複数の原位置試験を組み合わせて地盤情報の評価を行うため、貫入ヘッドにスライド構造を採用し、一度の機械設置で複数の試験を容易に実施できる仕様としています(写真-5)。 なお、これらの特長については、当社が受注した公共工事の中での現場実験を通じて確認を行っています。

写真-3 車載状況

写真-4 厳しい現場環境での試験

写真-5 ヘッドスライド構造を活用したFVT実施状況
今後の展開
本試験機は、当社独自の技術であるACCESS法をより広範な条件下の工事に展開する目的と合わせ、様々な工事の中で頻繁に出現する以下の技術課題に対しても効果的な活用が見込まれます。
・仮設検討における粘性土厚/地盤強度の評価
・盛土での円弧すべり照査のための強度定数取得
・圧密促進工法におけるドレーン打設深度確認や圧密度推定
・地盤改良工や杭打設の支持層深度把握 など
(株)浜銀総合研究所
企業経営予測調査(2021年3月調査)(3月16日)
東京電力パワーグリッド(株)
ローカル系統におけるノンファーム型接続の「試行的な取り組み」の適用について(3月15日)
2021年3月12日、資源エネルギー庁にて行われた「再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会(第27回)」で、当社がローカル系統*1において、NEDOプロジェクトの一環*2として試行的に「ノンファーム型接続*3」の適用を開始することが整理されました。上記の整理に基づき、当社は増強規模が大きい下記のローカル系統に対して、試行的にノンファーム型接続を適用します。
上記の整理に基づき、当社は増強規模が大きい下記のローカル系統に対して、試行的にノンファーム型接続を適用します。
なお、適用開始は2021年4月1日(特別高圧・高圧)ならびに2021年5月1日(低圧)を予定しておりますが、対象のエリアなどの詳細は、試行適用に係る説明資料(2021年4月1日当社HP掲載予定)にて改めてお知らせします。
当社はこれまで、佐京系統(千葉方面)、鹿島系統(茨城方面)を始め、空き容量の無い基幹系統*4への「ノンファーム型接続」の適用に取り組んでまいりました。引き続き、再生可能エネルギーを含む電源の効率的な導入に向けて検討を進めてまいります。
*1 当社エリア内では、66kV・154kVの系統を指す。
*2 「日本版コネクト&マネージを実現する制御システムの開発の実施について」(2020年6月29日お知らせ済み)
*3 平常時で系統混雑が生じる場合、発電出力の制御を条件として接続を認める方法。
*4 当社エリア内では、275kV以上の系統を指す。
JFEエンジニアリング(株)
焼却炉自動運転AIシステム「BRA-ING(ブレイング)」
~2021年度 BRA-ING導入施設を10施設に拡大~(3月9日)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)は、2020年7月にサービス提供を開始*1した、ごみ焼却炉の完全自動運転システム「「BRA-ING」(ブレイング)*2」の導入を進め、当社が運営管理を担っている6施設への導入を行いました。2021年度中にはさらに4施設に「BRA-ING」を導入予定であり、導入施設を計10施設に拡大します。
「BRA-ING」は、廃棄物処理施設における焼却炉の運転において、ベテランの運転員が行なうごみの燃焼改善のための介入操作を、完全自動化するシステムです。2020年度に導入した全ての施設において、自動運転中の燃焼温度や燃焼で発生する蒸気量が従来よりも安定していることを確認しており、今後導入する施設においてもさらなる安定操業を促進します。
なお、本技術は2020年7月の第46回優秀環境装置表彰*3の経済産業省産業技術環境局長賞の受賞に続き、12月には、2020(令和2)年度日本燃焼学会技術賞*4の表彰を受けました。「BRA-ING」による安定した自動運転と環境負荷低減の両立が高く評価され、受賞に至りました。
当社は、「BRA-ING」およびプラント運営全体の自動化を目指すプラント統合運営システム「J-Answer*5」の開発を継続し、くらしの礎を創り、担う企業として、豊富な知見と最先端の技術で循環型社会の形成及び環境保全へ貢献してまいります。
*1 当社ニュースリリース
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20200727.html
*2 「BRA-ING」
技術と経験を蓄積させた頭脳(BRAIN)と進化する(~ing)システムを組み合わせて、運転員のノウハウと最先端の技術を融合したシステムを表現。商標登録出願中。
*3 日本産業機械工業会が主催し、環境保全技術の研究・開発及び優秀な環境装置の普及の促進を図ることを目的とした優秀環境装置の表彰事業。
*4 同賞は、燃焼応用技術の研究・開発に顕著な功績を残した個人またはグループに対して贈呈される。
*5 J-answer当社ニュースリリース
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20201116.html
「BRA-ING」で自動運転中及び運転する施設例 (導入順)
1. 熊本市西部環境工場
焼却施設概要 280トン日(140トン/日×2炉)
竣工時期 2016年3月
導入時期 2020年7月
2. サンライズクリーンセンター(岩国市)
焼却施設概要 160トン/日(80トン/日×2炉)
竣工時期 2019年3月
導入時期 2020年11月
3. 新潟市新田清掃センター
焼却施設概要 330トン/日(110トン/日×3炉)
竣工時期 2012年3月
導入時期 2020年11月
4. 西宮市東部総合処理センター
焼却施設概要 280トン/日(140トン/日×2炉)
竣工時期 2012年12月
導入時期 2021年2月
5. 船橋市南部清掃工場
焼却施設概要 2339トン/日(113トン/日×3炉)
竣工時期 2020年3月
導入時期 2021年2月(試験的に導入)
「BRA-ING」による運転イメージ
【東京ガス(株)】
カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス設立について(3月9日)
東京ガス株式会社(社長:内田高史)とアサヒグループホールディングス株式会社(社長:小路明善)、いすゞ自動車株式会社(社長:片山正則)、オリンパス株式会社(社長:竹内康雄)、堺化学工業株式会社(社長:矢部正昭)、株式会社ダスキン(社長:山村輝治)、学校法人玉川学園(理事長:小原芳明)、株式会社東芝(社長:車谷暢昭)、東邦チタニウム株式会社(社長:西山佳宏)、株式会社ニュー・オータニ(社長:大谷和彦)、丸の内熱供給株式会社(社長:田島 穣)、三井住友信託銀行株式会社(社長:橋本勝)、三菱地所株式会社(社長:吉田淳一)、株式会社ヤクルト本社(社長:根岸孝成)、株式会社ルミネ(社長:森本雄司)の15社は、本日、カーボンニュートラルLNG(以下「CNL」)バイヤーズアライアンス(以下「本アライアンス」)を設立しました。
本アライアンスは、持続可能な社会の実現に向け、CNLを調達・供給する東京ガスと購入する各社が一丸となり、CNLの普及拡大とその利用価値向上の実現を目的として設立したものです。カーボンニュートラルなエネルギーの選択は、気候変動対策やSDGsへの貢献、ESG企業経営に直結する重要なソリューションの一つとなります。
本アライアンス参画各社は、2050年の「カーボンニュートラル社会の実現」に貢献することを目指し、CNLを世の中に広く認知させるとともに、投資機関による評価向上や国内各種制度における位置づけの確立に向けて取り組みを推進してまいります。
■今後の活動イメージ
■カーボンニュートラルLNG(CNL)
CNLは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNGです。東京ガスが2019年に輸入を開始し、カーボンニュートラル都市ガスとして日本で初めてお客さまに供給を開始しました。なお、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したものです。
JFEスチール(株)
樹脂を活用した超高強度スチール製のエネルギー吸収構造を開発(3月2日)
~マルチマテリアル化技術による自動車骨格部品のさらなる軽量化と衝突安全性能の向上~
当社とイイダ産業株式会社(以下、「イイダ産業」)は、自動車のスチール製骨格部品に樹脂を活用したマルチマテリアル構造により、超高強度鋼板を自動車のエネルギー吸収部品に適用可能とする構造を開発しました。
近年、自動車の車体には高い衝突安全性能と軽量化の両立が求められており、構造骨格部品への超高強度鋼板(引張強度980MPa以上)の適用が大幅に増加しています。しかし、これらの適用部品はセンターピラーやルーフサイドレールを代表とする、衝突時の変形抑制が必要なキャビンを構成する部品に限られていました(図1)。一方で、衝突エネルギーを部品変形によって吸収する必要のあるフロントサイドメンバーやリアサイドメンバーなどの部品では、超高強度鋼板を適用すると、衝突時の部品座屈や曲げ変形時に部品母材が破断してしまい、必要なエネルギー吸収が得られないため、高強度薄肉化による軽量化が困難でした。
そこで当社は、超高強度鋼板をエネルギー吸収部品に適用するため、イイダ産業が開発した高延性・高密着性樹脂を、超高強度鋼板製の部品本体と薄肉鋼板製の部品でサンドイッチした構造を開発しました(図2)。樹脂をサンドイッチした結果、車両衝突時にエネルギー吸収部品が座屈・曲げ変形する際の、変形部の曲げRが大幅に拡大し、超高強度鋼板部品が破断しなくなるため(図3)、エネルギー吸収性能が大幅に向上しました。引張強度590MPa・厚み2.0mmの部品と比較すると、同一重量のマルチマテリアル化した引張強度1470MPa・厚み1.4mm部品のエネルギー吸収性能は53%向上します。さらに、エネルギー吸収性能が同等の場合、25%の軽量化が可能となります(図4)。
今後は、本構造の電気自動車への適用も視野に入れ、自動車メーカーとの共同開発を加速していきます。電気自動車は、従来のガソリン車などと異なり、エンジンを搭載しておらず、衝突時に変形してエネルギーを吸収するフロントエンドやリアエンド(図1)が短くなるため、効果的にエネルギーを吸収する必要があります。また、エンジンから発生する振動がなくなり、乗員が走行時に発生する振動に敏感になるため、従来以上に振動を低減することが求められています。本構造は、振動を吸収しやすい樹脂のおかげで、走行時に発生する振動を大幅に低減することができるため、高い衝突安全性能と軽量化を両立しながら、快適な乗り心地を提供することが可能となります。
当社は、高強度鋼板の開発・製造だけでなく、お客様の工程の省力化や商品の性能向上に資するソリューションを提供するため、自動車の設計段階からお客様と技術的に協力し合うEVI(*1)活動を積極的に展開しています。今後とも、樹脂などの軽量素材を組み合わせたマルチマテリアル構造をはじめとする、お客様のニーズに合った様々な製品と利用技術を開発・提案し、自動車車体の軽量化によるCO2排出量削減と高性能化に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 EVI(Early Vendor Involvement)
自動車メーカーの新型車開発時に設計初期段階から参画し、新型車のコンセプトに合わせた鋼材使用、部材加工方法、パフォーマンス評価等を提案・開発する活動。
▪ 図1 動車におけるエネルギー吸収部品と構造骨格部品

▪ 図2 開発構造

▪ 図3 開発構造における母材破断抑制効果(フロントサイドメンバーモデル部品)

▪ 図4 マルチマテリアル化によるエネルギー吸収性能向上と軽量化

旭化成(株)
当社の高出力殺菌用UVC LED「Klaran™」がダイキン工業から新発売される空気清浄機に搭載決定(3月1日)
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀秀毅、以下「当社」)は、ダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:十河政則、以下「ダイキン工業」)が本年4月26日に発売する空気清浄機「UVストリーマ空気清浄機」に、グループ会社であるCrystal IS, Inc.(本社:米国ニューヨーク州、CEO:Larry Felton)の高出力殺菌用深紫外線LED(以下:「UVC LED」)「Klaran™」が搭載されることをお知らせします。
「Klaran™」
「UVストリーマ空気清浄機」
1.「Klaran™」について
 当社のUVC LED「Klaran™」は、当社が有する窒化アルミニウム単結晶基板製造技術および膜結晶成長技術により、ウイルスや菌の不活化に効果が高いとされる発光波長265nmの帯域において世界最高出力を実現しています。また、2020年10月にはボストン大学 NEIDLとの共同研究によって「Klaran™」が発光する260-270nmの波長が、新型コロナウイルスを不活化させることが実証*1されており、国内外においてCOVID-19向けのソリューションとして幅広い分野・アプリケーションでの採用が進んでいます。
2.「UVストリーマ空気清浄機」について
昨今のCOVID-19の感染拡大に伴い、保育園や学校・塾などの教育施設、医療機関やオフィスなど、住宅以外の場所でも空気清浄機の導入が急速に進んでいます。窓の無い店舗の個室やクリニックの個室などの空気質に不安を感じる人の増加や、テレワークの一般化に伴う個室タイプのシェアオフィスの普及など、不特定多数が使用する空間での空気清浄ニーズはこれまで以上に高まると考えられています。今回、ダイキン工業より発売される「UVストリーマ空気清浄機」では、従来の静電HEPAフィルターに抗菌剤を添着した集塵フィルター「抗菌HEPAフィルター」で捕捉したウイルスや菌に、ダイキン独自の強力な分解力をもつ「ストリーマ」と、ウイルスや菌の不活化能力が実証されている当社の高出力UVC LED「Klaran™」を組み合わせることで、ウイルスを30分で99%以上抑制し、菌を従来と比べ約10倍2の速さで抑制する性能が実証されています。
3.今後の展開について
当社のUVC LED「Klaran™」は、ウイルスや菌の不活化に効果が高いとされる発光波長265nmの帯域において世界最高出力を実現し、小型かつ汎用性が高いため、従来から採用の進んでいる水殺菌用途も含め、さまざまな機器への採用が見込まれています。当社は、今後もUV殺菌市場における技術開発を通じてCOVID-19をはじめとするさまざまな社会課題へのソリューションを提供し、“いのち”と“くらし”に貢献してまいります。
*1 2020年10月13日 当社プレスリリース「新型コロナウイルス感染症対策ソリューションの取り組みについて」参照
*2 ダイキン工業 2021年3月1日 プレスリリースより抜粋新規ウィンドウを開きます
2021年2月
ENEOS(株)
横浜市と高出力燃料電池搭載船(水素FC船)実証事業に関する包括連携協定書を締結
~横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献(2月26日)
本郵船株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、川崎重工業株式会社、一般財団法人日本海事協会、ENEOS株式会社の5者は、2020年9月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の公募採択を受けた「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」に関して、横浜市と包括連携協定書を締結しました。連携内容は以下になります。
(1) 高出力燃料電池搭載内航船舶(以下、水素FC船)*1の開発に関すること
(2) 船舶向け水素燃料供給の開発に関すること
(3) 船舶での水素エネルギー利活用の情報発信に関すること
(4) その他、災害時における高出力燃料電池搭載内航船舶を活用した事業継続性の検討に関すること
横浜市では、港湾における脱炭素化の実現を目指し、カーボンニュートラルポート*2の形成に向けた取組を進めています。
5者は水素FC船の開発・実証運航(2024年予定)に向けて、横浜市と連携して取り組みを進16め、環境に配慮した船舶への対応をいち早く進めるとともに、横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献していきます。
*1 FCはFuel Cellの略で、燃料電池のこと。
*2 国際物流の結節点・産業拠点となる港湾において、水素、アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用等を図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を港全体としてゼロにする構想。
(株)浜銀総合研究所
神奈川県内上場企業の2020年10月~12月期決算の集計結果(2月26日)
東京電力パワーグリッド(株)
タイ王国バンコクでの地下変電所建設プロジェクトに関わるコンサルタント業務の契約締結について(2月15日)
当社は、エーティーティーコンサルタンツ社(ATT Consultants Company Limited社、本社:バンコク、取締役社長:モンツリー・ブドサバトン)と共同で、タイ王国(以下、「タイ」)の首都圏配電公社(Metropolitan Electricity Authority社、本社:バンコク、総裁:キラパット・ジャムセット、以下「MEA社」)と地下変電所建設プロジェクトに関するコンサルタント業務の契約を2月24 日に締結したのでお知らせいたします。なお、当社がタイで地下変電所建設のコンサルタント業務を行うのは初めてとなります。
MEA社は、首都バンコクのパトゥムワン区周辺の景観向上ならびに安全に配慮した再開発に伴い、ルンピニ公園の一部にある地上変電所を撤去し、地下に変電所・地中線を新規で 建設する計画をしております。公園の地下への変電所建設にあたっては、安全性の確保と周辺環境への配慮が必要となることから、過去にバンコクにおける都市型地下変電所の適用調査の経験があり、40年以上にわたる国内外での地下変電所の設計・建設と運転・保守の実績がある当社と今回のコンサルタント業務の契約に至りました。
本コンサルタント業務では、地域の安全や周辺環境に配慮した地下変電所の基本設計の提案や、地下変電所固有の設備の検討、レイアウト図面・機器仕様の審査などを実施することで、MEA社が計画する公共の場所における地下変電所建設の実現に向けて貢献してまいります。
当社は、今後も国内の送配電事業と海外コンサルタント業務で培った設備計画および設計・系統運用技術を業務に生かし、地下変電所建設コンサルティングをはじめとする海外事業の拡大に挑戦していきます。
旭化成(株)
スマートセル技術により、野生株に対し約30倍高い原料酵素の生産性を実現
-体外診断用医薬品向け酵素として、早期の事業化を計画-(2月25日)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:石塚博昭、以下「NEDO」)と旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:青木喜和、以下「旭化成ファーマ」)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(東京本部:東京都千代田区、理事長:石村和彦、以下「産総研」)は、植物や微生物の細胞を用いて高機能品を生産するスマートセル技術を活用し、体外診断用医薬品の原料となる酵素「コレステロールエステラーゼ」の生産効率向上に成功しました。このたび構築したスマートセルは、従来の微生物 (野生株)と比べ30倍以上の生産能力を持ちます。これにより生産工程における電力消費量も低減できるため、CO2排出量を年間約23トン削減(従来比約96%削減)する効果も期待できます。旭化成ファーマはこのスマートセルで生産したコレステロールエステラーゼの早期の事業化を計画しており、高機能な化学品や医薬品原料などを生産する「スマートセルインダストリー」の実現を目指します。

図1 研究開発の経過
1.概要
病院での診察や健康診断では、健康状態のチェックや体調不良の原因を調べる検査、さらに治療効果を確認するといった用途で多くの体外診断用医薬品が使用されています。その一つである生化学検査試薬は大半が酵素*1を主な原料としており、酵素の働きを用いて体内の物質の濃度を測定します。例えば血中コレステロールを測定する体外診断用医薬品では、コレステロールエステラーゼ*2という酵素を用いて体内のコレステロール濃度を測定するのが一般的です。
コレステロールエステラーゼは、微生物のバークホルデリア・スタビリス(Burkholde riastabilis)などから菌体外に分泌・生産されることが知られています。ただ、この野生株におけるコレステロールエステラーゼの分泌は複雑に制御されていることから、従来法に基づいた大腸菌を宿主とした遺伝子組換え技術による高生産化は困難で、野生株を育種する古典的な方法での高生産化が試みられてきたのが実情です。しかしそのような育種法を用いてもその生産量は野生株の約2.8倍までしか上昇させることができなかったため、育種法に比べ、より国際競争力があり低コストで高い生産効率が見込まれる新たな技術の開発が求められていました。
こうした中、NEDOと旭化成ファーマ、産総研は2016年度から、生物細胞が持つ物質生産能力を人工的に最大限まで引き出し、最適化した細胞(スマートセル)を使って省エネルギー・低コストで高機能品を生産するスマートセルプロジェクト*3に取り組んできました。そしてこのたび、新規構成型プロモーター*4と宿主(バークホルデリア・スタビリス)の機能改変を組み合わせることで、コレステロールエステラーゼの生産能力を野生株の30倍以上に引き上げたバークホルデリア・スタビリススマートセルを構築することに成功しました。
これにより年間に使用する培養量と製造回数を削減しても従来と同量のコレステロールエステラーゼ生産が可能となり、結果として生産工程における電力消費量をCO2排出量で換算すると年間約23トンの削減効果(従来比約96%削減)が期待できます。旭化成ファーマはこのスマートセルで生産したコレステロールエステラーゼを早期に事業化し、高機能な化学品や医薬品原料などを生産する「スマートセルインダストリー」の実現を目指します。
2.今回開発したスマートセル技術の詳細
NEDOと旭化成ファーマ、産総研は2016年度~2018年度の委託事業と、2019年度~2020年度の助成事業を通してスマートセル技術の開発に取り組んできました。今回はスマートセル技術の一つである「発現制御ネットワーク構築技術」*5やゲノミクス解析などの情報解析技術を活用することにより、スマートセルの開発を行いました。
■委託事業の概要
事業名 植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発/高生産性微生物創製に資する情報解析システムの開発(担当テーマ:コレステロールエステラーゼの生産性向上による有効性検証)
事業期間 2016~2018年度
委託先 旭化成ファーマ株式会社
共同研究機関 国立研究開発法人産業技術総合研究所
2016年度~2018年度の委託事業では、コレステロールエステラーゼの生産効率を高めた組換えバークホルデリア・スタビリス株の構築に向けて、遺伝子の発現を制御する新規プロモーターを探索しました。まずバークホルデリア・スタビリス野生株の全ゲノム解読を行い、ゲノム上にコードされている遺伝子を特定しました。その結果、野生株は三つの環状染色体を持ち、それらの染色体に6,764個の遺伝子がコードされていることを発見しました。これを踏まえ、複数の条件で培養した菌体からRNA*6を抽出し、次世代ゲノムシーケンス解析により各遺伝子の転写量を算出しました。ここで得られた各遺伝子の転写量情報を基に、培養条件や培養液組成の変化に影響されず、構成的に遺伝子を強く発現制御するプロモーター候補を九つ選定しました。それぞれのプロモーター候補の配列をコレステロールエステラーゼ遺伝子の上流に連結させた配列を含む発現ベクターとして構築し、バークホルデリア・スタビリス野生株に導入してコレステロールエステラーゼ活性とOD660*7を測定した結果、九つの各候補の配列が発現量の異なるプロモーターとして機能することを発見しました(図2)。図2の横軸の数字は九つのプロモーターそれぞれの検討結果を示しています。委託事業ではこの発見したプロモーターを利用し、バークホルデリア・スタビリスを宿主とするコレステロールエステラーゼ組換え発現技術を確立しました。

図2 プロモーター活性の確認
■助成事業の概要
事業名 植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発/微生物による高機能品生産技術開発/組換えBurkholderia stabilis由来コレステロールエステラーゼ開発
事業期間 2019~2020年度
委託先 旭化成ファーマ株式会社
共同研究機関 国立研究開発法人産業技術総合研究所
委託事業の成果を踏まえ、2019年度~2020年度の助成事業ではコレステロールエステラーゼのさらなる高生産化を目指すために、スマートセル技術を用いた宿主の改良に取り組みました。ここで無作為に染色体上の遺伝子を破壊する実験や、遺伝子に変異を導入する実験によって得られた変異株のコレステロールエステラーゼ生産量と遺伝子配列解析との相関を検討した結果、コレステロールエステラーゼの生産能力向上に寄与する、従来は機能が不明であった特異的な遺伝子を発見することに成功しました。 委託事業で構築した新規プロモーターを利用した発現技術と助成事業で構築した改変型宿主を組み合わせることにより、コレステロールエステラーゼの分泌生産量が野生株の30倍以上に向上することを発見し、従来の育種法では解決できなかった高生産型スマートセルの構築に初めて成功しました。
3.今後の予定
本研究で構築したスマートセルを用いて早期の事業化を進め、スマートセルインダストリーの実現に貢献します。これにより野生株を用いた生産工程に対し、年間CO2排出量を約23トン削減した低環境負荷生産の実現に取り組んでいきます。
*1 酵素
さまざまな化学反応を触媒するタンパク質。
*2 コレステロールエステラーゼ
コレステロールエステルの加水分解反応を触媒する酵素。
*3 スマートセルプロジェクト
NEDOが2016年度~2020年度の5年間にわたり実施している「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」事業。
スマートセルプロジェクトHP https://www.jba.or.jp/nedo_smartcell/
*4 構成型プロモーター
プロモーターはタンパク質の設計図であるDNA情報からタンパク質を作る際に重要な働きをする遺伝子配列のことで、誘導型と構成型の二種類がある。誘導型はある条件時にのみ働き、構成型は常に働いているものをいう。
*5 発現制御ネットワーク構築技術
遺伝子発現データからの遺伝子間相互作用をネットワークモデルとして表現することで、細胞内で起こっている現象を一つのシステムとして理解し、人為的制御を行うための改変候補遺伝子を提案する技術。
https://www.jba.or.jp/nedo_smartcell/theme/09.php
*6 RNA
DNA情報からタンパク質が作られる過程で作られる核酸。DNAを鋳型に転写という反応により合成される。さらに翻訳という反応によりRNAの配列に対応したタンパク質が合成される。
*7 OD660
660nmの波長で培養液における微生物の密度を測定し表したもの。大腸菌の場合、OD660=1の時の細胞密度は1×108 1×109 cells/mL程度である。
富士電機(株)
安全・安心を後押しする「完全非接触自販機」の発売について(2月22日)
富士電機株式会社(代表取締役社長:北澤通宏、本社:東京都品川区)は、手で触れずに商品購入が可能な「完全非接触自販機」を発売しますので、お知らせいたします。
1.「完全非接触自販機」について
新型コロナウイルス感染症が拡大し社会の衛生意識が高まるなか、非対面で商品を販売するニーズが増えています。今般当社は、自販機に手で触れることなく商品が購入可能な「完全非接触自販機」を開発しました。
本自販機には、自社開発した通信端末を搭載しています。利用者はスマートフォンで、自販機に表示されているQRコード*1を読み取り商品を選択、支払いは決済サービスを介してキャッシュレスで行います。商品取出口は商品購入時に自動で開閉する仕組みです。なお、自販機本体15のボタンで商品を選択し、現金で購入することも可能です。
現在、本通信端末を使い、利用者と自販機運用事業者が双方向で通信し、さまざまな機能を提供できる新しい自販機の開発を進めています。 当社は、マスクや除菌シートなどの衛生用品を販売するマスク自販機、自動手指消毒機、完全非接触自販機などの提供を通じて、利用者の安全・安心を後押しします。
*1 QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
2.発売時期(予定)
2021年3月
【日本通運(株)】
日通、国内引越しで新サービス「除菌・抗菌サービス」を開始
~withコロナ時代に安心・安全なサービスを提供~(2月24日)
当社は、国内引越および事務所移転の新たなオプショナルサービスとして、「除菌・抗菌サービス」の取り扱いを、2月22日(月)から開始しました。
本サービスは、国内大手ハウスクリーニングチェーン「おそうじ本舗」等を展開するHITOWA ライフパートナー株式会社と提携し、お客様のお引越し先にwithコロナ時代に最適な「光触媒抗菌コーティング*1サービス」をご提供するものです。
昨今の新型コロナウイルスの影響により、除菌・抗菌の市場は急成長しており、お客様の関心もますます高まっていま。お引越しや移転を機に、除菌・抗菌を実施したいというお客様のニーズにお応えするために、新たなサービスとして導入しました。
なお、料金体系はお客様に分かりやすい、当社独自のパック料金となります。(以下詳細)
■「除菌・抗菌サービス」プラン
以下の3つのプランを用意しています。
プラン名 内容 料金(一式、税込)
安心パック 家族全員の共有部分であり、また菌の出入り口となる玄関からトイレ・洗面所までをカバーします
<所要時間目安>1時間30分 <施工範囲>トイレ・洗面所・玄関・廊下
33,000円
おうちまるごとパックmini 1K、1R 物件限定~30m2
<所要時間目安>2時間
<施工範囲>居室全体
36,000円
おうちまるごとパック ~50m2 <所要時間目安>3時間
<施工範囲>居室全体
55,000円
~100m2
<所要時間目安>4時間
<施工範囲>居室全体
82,500円
~150m2
<所要時間目安>5時間
<施工範囲>居室全体
115,500円
~200m2
<所要時間目安>6時間
<施工範囲>居室全体
143,000円
* 入居前はもちろん、入居後の在宅時でも施工できます。
当社は、今後も引越作業品質はもとより、お客様に安心・安全なサービスの提供に努めてまいります。
*1 光触媒抗菌コーティング
太陽光や蛍光灯・LEDの光でウイルスや菌を除去します。光触媒のコーティングが光に当たると、活性酸素が発生し、においや汚れ等の原因である菌を分解、増殖を抑制します。(全てのウイルスや菌を除去し、抑制することを保証するものではありません。)
(株)浜銀総合研究所
2021年度・2022年度の景気予測(2021年2月改訂)(2月22日)
JFEスチール(株)
ベトナムの大学で鋼構造技術者育成のための正式カリキュラムが開講
~鉄鋼を通じた社会インフラ発展への貢献を目指して~(2月17日)
当社は、ベトナムの鋼構造技術者を育成し、現地の社会インフラの発展に貢献することを目的に、経済産業省が所管する民間技術協 力機関である海外産業人材育成協会(以下、AOTS)の補助金により、ベトナム土木工学専門国立大学(以下、 NUCE)とベトナム国家大学ホーチミン市工科大学(以下、 HCMUT)の2校にて、2016年度から2019年度までの4年間にわたって、鋼構造に関する寄付講座*1を実施してきました。このたび、本講座がNUCEの正式カリキュラムとして開講されました。
2012年度より、当社はNUCEおよびHCMUTと鋼構造に関する共同研究を進めており、短工期対応が可能であること、デザイン性の高さ、耐震性の高さなど、鋼構造の優位性をPRしてきました。鋼構造技術は、計画から設計、製作、建設、その後の管理に至る各段階で高度な専門技術が必要とされるため、鋼構造を普及させるうえで、現地の技術者が不足していることが、大きな課題となっていました。両大学からこの課題ついて相談を受けた当社は、将来的に鋼構造の建設プロジェクトを推進できる技術者を育成することを目的とし、経済産業省がAOTSに委託している寄付講座の認定を受け、2017年2月より、NUCEとHCMUTにおいて寄付講座を開講しました。
各大学で毎年約30人の学生や現地大学講師を対象に30講義以上を実施し、4年間で延べ約300名が受講しました。日本がベトナムで行っているODAプロジェクトの紹介をはじめ、鋼構造建築物および鋼製橋梁の設計技術や要素技術の紹介・演習を行うとともに、当社のベトナムにおける出資企業であるJ Spiral Steel Pipe社やAGRIMECO & JFE STEELPRODUCTS社での工場見学会などを実施しました。さらに、講座終了後には、各大学から大学講師を日本に招き、継続的な講座開設に向けた講師育成も図ってきました。
2020年度からは、 NUCEにて、寄付講座の内容を組みこんだ講義が、正式カリキュラムとして開講されることになりました。この講義は、寄付講座を通じて育成された若手教員によって運営され、毎年150名ほどの履修者が見込まれています。基本的な鋼構造技術に加えて、製鉄技術や高度な溶接技術など、これまで大学では詳細に指導していなかった項目が含まれています。さらに、HCMUTでも同様に、寄付講座の正式カリキュラム化を推進しており、関係機関の承認が得られ次第、新たな講義が開講される予定です。これらの取り組みにより、現地での持続的な鋼構造技術者の育成と鋼構造技術の定着が進むことで、鋼構造の普及を通じた社会インフラの発展や、それに伴う鉄鋼需要の拡大が期待されます。
当社は今後とも、社会の安全・安心を支える最先端の鉄鋼製品や工法の開発に努めるとともに、国内で培ってきた鋼構造技術の海外での普及活動を通じて、アセアン地域をはじめとする世界の社会インフラの持続的な発展に寄与して いくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
*1 寄付講座
行政機関や企業からの寄付金を財源に、期限付きの客員教員を招いて開かれる講座。

【写真1】JFEスチールベトナム事務所での記念撮影
(左)NUCE Nguyen Hoang Giang 副学長 (右)JFEスチールベトナム 福島社長

【写真2】NUCEの外観
【東京ガス(株)】
業界初*1、気象データを取得して自動で最適発電家庭用燃料電池「エネファーム」の戸建住宅向け新製品を発売(2月17日)

一体型

別置型
家庭用燃料電池「エネファーム」
パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、セルラー方式のLPWA Low Power Wide Area)通信機能*2を標準搭載した家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム*3」(以下、エネファーム)の戸建住宅向け新製品を開発し*4、2021年4月1日より発売します*5。株式会社ウェザーニューズ(以下、ウェザーニューズ)は「停電リスク予測API」*6などの気象データを提供し、全数クラウド接続による気象データの取得でレジリエンス機能を向上させるとともに、東京ガス株式会社(以下、東京ガス)が協力して使いやすさや保守点検作業の効率化を実現した、戸建住宅向けとして一般販売する7世代目の製品です。
近年、各地で台風や豪雨などによる自然災害が頻発していますが、災害時の二次被害であるライフライン遮断のうち約9割を停電が占めており、ガス供給によるトラブルはわずか2%程度に留まっています*7。このような背景の下、ガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電すると同時に、化学反応で発生する熱でお湯をつくることができるエネファームは、もしもの時の備えとして益々関心が高まっています。
本製品は、ウェザーニューズとの連携により、気象データを取得して自動で最適発電を行う機能を業界で初めて搭載しました*1。ウ ェザーニューズが提供する「1kmメッシュ天気予報」をもとに日々の運転計画を作成して発電を行うほか、「停電リスク予測API」を受信した場合には、自動的に発電モードを切り替えて停電に備えます。
さらに10年以上にわたるエネファームの施工や保守点検作業で培った東京ガスの経験とノウハウを活用した遠隔メンテナンス機能を実装。ソフトウェアの遠隔アップデートなど、保守点検作業の効率化を実現します。
パナソニックとウェザーニューズ、東京ガスは、本製品の普及拡大を通じて常時クラウド接続による新たな価値を提供し、環境へのやさし さに加え、もしもの時の安心・快適なくらしの実現に貢献していきます。
■主な特長
1.業界初*1、気象データを取得して発電モードを自動調整
ウェザーニューズが提供するWxTech®(ウェザーテック)サービスの「停電リスク予測API」を受信すると、停電発電にそなえた待機モード「停電そなえ発電」に自動で運転が切り替わります。その後、実際に停電が発生した場合は停電発電を継続し、停電が発生しなかった場合には通常運転に戻ります。
ウェザーニューズは、過去の台風で発生した停電情報と風速データの相関関係の分析を元に開発した独自の予測モデルを用いて、5kmメッシュのエリアごとに停電発生のリスクを予測します。この「停電リスク予測」はパナソニックのクラウドサーバーに送られ、そこから対象地域のエネファームに「停電そなえ発電」への切り替え信号を発信します。
本機能の搭載により、深夜などエネファームが運転を停止している時間帯に停電が発生した場合においても外部電源による再起動が不要になり、停電発生時でも安心して電気をお使いいただけます*8

「おてんき連動」時のエネファームと太陽光発電の稼働イメージ
また、毎日18:00にウェザーニューズが提供する「1kmメッシュ天気予報」を受信して、翌朝4:00にその日の運転計画をエネファームが自動で作成する「おてんき連動」を搭載しました。エネファームと太陽光発電を併用している住宅においては、晴天時は太陽光発電、夜間はエネファームというように、太陽光発電を最大限に活用した家庭内電力の自給実現に寄与します。
2.LPWAを標準搭載、全数クラウド接続によるユーザビリティの向上
エネファームは、故障対応や発電時間に応じた定期点検が必要な機器です。これまでは、実機を確認するまで正確な状況が把握できなかったほか、お客様不在で対応できないという状況も多発しており、エネファームの普及拡大につれて保守点検作業の効率化が大きな課題になっています。本製品は、エネファームとして初めてセルラー方式のLPWA通信機能を標準搭載*9することで全数のクラウド接続を実現し、各個体における稼働状況のリアルタイム把握が可能となりました。
エネファームの保守点検作業の効率化を図るには、検査項目やエラー内容に応じた適切なデータ収集が必要です。そこで、東京ガスの知見により、保守点検に必要なデータ取得とデータ処理、現場での作業を最低限に留める遠隔操作など、ユーザビリティを高めた遠隔メンテナンス機能を実装しました。
さらに常時クラウド接続を生かして、グラフや数字による発電状況の分かりやすい表示や機器の遠隔操作など、エネファームの使いこなしをサポートするスマートフォンの専用アプリを提供予定です*10

LPWAユニット
3.ガス供給の遮断時でも給湯利用が可能
これまでのエネファームでは、ガス供給が遮断した際には給湯も止まってしまうという課題がありました。そこで、ガス供給が遮断していても入浴時にはお湯につかりたいというニーズに応えて、毎日1回、浴槽にためて入浴できる量のお湯を賄うヒーター給湯機能を新たに搭載しました。エネファームがガス供給の遮断を検知すると、台所のコントローラーにエラーメッセージを表示。手動でヒーター給湯に切り替えれば、貯湯タンクが空の状態でも約19時間後には40℃・約230Lのお湯が使えます*11。なお、ガス供給が復帰すると自動でヒーター給湯 を解除して、通常運転に戻ります。
■仕様概要
ガス種 都市ガス(13A) LPガス
機種 熱源機一体型 熱源機別置型 熱源機一体型
性能 発電出力 200~700W 300~700W
熱出力 247~998W 408~1041W
定格発電効率 LHV 57.0%
HHV 51.5%
LHV 61.0%
HHV 56.2%
総合効率 LHV 97.0%
HHV 87.6%
LHV 100.0%
HHV 92.1%
貯湯タンク容量 約130L 約100L 約130L
停電時発電出力 最大 AC500W
寸法 燃料電池ユニット 高さ 1650mm
幅 400mm
奥行 350mm
貯湯ユニット 高さ 1650mm
幅 700mm
奥行 400mm
高さ 1650mm
幅 510mm
奥行 350mm
高さ 1650mm
幅 700mm
奥行 400mm
バックアップ熱源機 貯湯ユニットに内蔵 高さ 750mm
幅 480mm
奥行 250mm
貯湯ユニットに内蔵
質量 燃料電池ユニット 59kg
貯湯ユニット 81kg 36.5kg 給湯暖房タイプ 81kg
ふろ給湯タイプ 76kg
バックアップ熱源機 貯湯ユニットに内蔵 38kg 貯湯ユニットに内蔵
設置スペース 奥行 560mm 710mm 500mm 710mm 560mm 710mm
面積 約1.5m2 約1.6m2 約1.7m2 約1.8m2 約1.5m2 約1.6m2
*1 家庭用燃料電池「エネファーム」において、2021年2月17日現在。
*2 携帯電話の通信網を用いたLPWA規格の1つで、既存のLTE基地局をベースに全国エリアをカバーしているため、対応エリアが広域な通信方式です。LPWA通信によるネットワークサービス(停電そなえ発電の自動切り替え、おてんき連動、遠隔メンテナンス、スマートフォンアプリ)は、初期設定開始後10年間のご利用が可能です。
*3 エネファームは、大阪ガス株式会社、東京ガス株式会社、ENEOS株式会社の登録商標です。
*4 開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を一部活用しています。
*5 パナソニックは本製品を供給し、東京ガスをはじめとする全国の大手都市ガス会社やLPG事業者などが、2021年4月1日以降順次発売する予定です。
*6 停電リスク予測API
2021年2月3日発表プレスリリースhttps://jp.weathernews.com/news/34258/
*7 内閣府(防災担当)災害情報の「熊本地震(平成28年)」以降より、パナソニックが集計。
*8 停電時の発電には、都市ガス(13A)またはLPガスと水道が供給状態にあることが必要です。停電そなえ発電は停電時の発電を保証するものではありません。
*9 家庭用燃料電池「エネファーム」において、2021年2月17日現在。
*10 2021年度上期中のリリースを予定しています。
*11 一杯にならない場合があります。ヒーター給湯でお湯がたまるまでの時間は、水温15℃の時19時間が目安です。
* 本リリースの製品は開発中のものであり、仕様は予告なく変更される場合があります。
東京電力パワーグリッド(株)
「ラオス人民民主共和国グリッドコード整備および運用体制強化による電力品質向上プロジェクト」の契約締結について(2月15日)
東京電力ホールディングス株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、東電設計株式会社および日本工営株式会社の4社は、共同企業体を結成し、本日、独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」)と「ラオス人民民主共和国(以下、「ラオス国」)グリッドコード*1(以下、「GC」)整備および運用体制強化による電力品質向上プロジェクト」の契約を締結いたしました。
ラオス国内では電力を主に水力発電で賄っており、電力を隣国(タイ、ベトナム、カンボジア)へ輸出していますが、電力系統を適切に計画・運用できていないことから輸出量に限界があり、隣国と国内の需給状況に合わせた電力輸出の更なる拡大が課題となっています。本プロジェクトは、ラオス国内の電力系統と隣国の電力系統を連系させる広域連系システムを確立すること、ラオス国内の最適な系統運用が可能となるような技術基準を確立して技術者を育成することを目的として、ラオス政府が日本政府に要請したものです。
4社は、日本国内の電気事業で培った系統計画・運用技術や海外でのコンサルティング経験を生かし、エネルギー鉱業省やラオス電力公社などのラオス国内の電力関係機関が、電力系統を適切に計画・運用出来 るよう GCを整備すると同時に、オペレーション面の能力強化を支援することにより、ラオス国における自律的で安定的な広域連系システムの実現に貢献してまいります。
なお、4社はこれまでJICA「ラオス国電力系統マスタープラン策定プロジェクト」(2017年~2020年)で、ラオス国内の電力需要予測や電源開発計画策定に加え、近隣諸国の電力開発計画を踏まえた、新たな電力系統整備計画の策定および既存GCの調査などを通じて、電力系統運用面でのルール整備やロードマップの策定を実施しております。
*1 グリッドコード
電力システムや市場に接続された資産が、遵守しなければならない幅広い一連のルールを網羅した包括的な条件であり、費用対効果と信頼性の高い電力システム運用を支援するためのもの。(国際エネルギー機関より)
東亜建設(株)
南鳥島周辺海域のレアアース資源開発に向けた技術開発の情報が科学雑誌「Nature」のFOCAL POINT(オンデマンド制作の記事特集)に掲載されました。(2月8日)
レアアースは、再生可能エネルギーや電気自動車等の電池材料、PET等の医療装置をはじめとした最先端産業に必須の素材です。また、その安定供給は最先端医療の普及への貢献、さらには、クリーンエネルギーへのシフトにつながることで間接的に気候変動緩和に貢献することにもなります。そのため、レアアースの開発は世界や我が国のSDGs達成に向けて意義あるものになると考えられます。このレアアースを多く含む「レアアース泥」は日本の排他的経済水域(EEZ)内の海底面に存在しており、今後の需要増加をふまえ国家の資源安全保障上も重要な資源です。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム“革新的深海資源調査技術(以下、SIPのもと、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下、 JAMSTEC)が中心となって水深約 6,000mからレアアース泥を回収するという、世界初となる技術の開発を行っています。
当社は数年前から、南鳥島EEZのレアアース資源開発に資する各種の技術開発に取り組んでおり、SIPにも参画しています。SIPでは、レアアース泥採取のために重要な「解泥」技術について、2019年度に当社の技術研究開発センターで開発した技術を基に、2020年度はJAMSTECの委託を受けて、その大型実証試験(実機の1/3スケール)を千葉県袖ケ浦市の当社ヤードにて 2020年7月から8月にかけて実施しました。
Natureの特集は、SIPにおけるレアアース泥への取組みを対象に構成され、当社の関連では主に昨年の実 証試験の取組みと企業紹介について、秋山社長と技術研究開発センターの森澤プロジェクトマネージャーへのインタビューを基にした記事となっています。
掲載記事はこちら
https://www.nature.com/articles/d42473-020-00524-y
2021年1月
ENEOS(株)
(仮称)山形尾花沢風力発電事業の共同開発について(1月29日)
ENEOS株式会社代表取締役 社長:大田勝幸 、以下「ENEOS」は、三菱UFJリース株式会社代表取締役 社長:柳井隆博、以下「三菱UFJリース 」)の100%子会社であるMULエナジーインベストメント株式会社(代表取締役 社長:打田欣生、以下「MULエナジーインベストメント」が開発を進めている(仮称)山形尾花沢風力発電事業に関して、本日の環境影響評価法の事業承継手続完了をもって本事業に参画し、今後は両社共同で開発を進めてまいりますので、お知らせいたします。
本事業開発は、山形県尾花沢市において、最大出力172MWの陸上風力発電所建設を計画するものです。山形県は陸上風力発電事業における国内有数の適地で、良好な風況が見込まれます。両社は、国や山形県の再生可能エネルギーに係る取組に即する形で、地球温暖化対策や地元自治体の活性化に寄与するものとして、本事業開発に取り組んでまいります。
ENEOSは、グループ長期ビジョンにおいて、2040年時点でのカーボンニュートラルを掲げており、2022年度までに、国内外において再生可能エネルギー事業の総発電容量を約100万kW以上に拡大することを目指し、事業展開を加速しています。三菱UFJリースは、「再生可能エネルギー」を注力分野の一つに位置付けており、MULエナジーインベストメントは、風力発電所や太陽光発電所などの開発や、発電事業の運営管理などのアセットマネジメント事業を通して、再生可能エネルギー分野においてトータルソリューションを提供しています。
両社がこれまでに 培った再生可能エネルギー事業に関する知見を生かし、2026年以降の稼働を目指して本事業の開発を加速するとともに、再生可能エネルギー事業の拡大を通じて、低炭素化社会の実現に貢献してまいります。
1.本事業の概要
事業名 (仮称)山形尾花沢風力発電事業
出力規模 最大17.2MW
(3~4MW級風力発電機×最大3~4基)
運転開始 2026年以降を予定
2.開発区域
(株)浜銀総合研究所
2021年度の神奈川県内経済見通し
~輸出回復や五輪消費により緩やかに持ち直す~(1月27日)
JFEエンジニアリング(株)
清掃工場の排ガスからCO2を回収する実証実験を開始
~CO2回収提案の標準化(JFE CCU-Ready)~(1月20日)
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)はこのたび、清掃工場から排出される排ガスからCO2を回収し、利用するCCU(Carbon capture and utilization 二酸化炭素回収利用)プロセスの実証実験を開始しました。2022年末までをめどに、三鷹市と調布市が整備した清掃工場「クリーンプラザふじみ*1」において、CO2回収実証試験を行います。
当社が提案するCO2回収技術を清掃工場に適用すると、ごみに含まれるバイオマス分*2をあわせ、「ネガティブカーボン(CO2回収量>排出量)」を達成することが可能になります。
クリーンプラザふじみにおけるCO2の吸収方法には、天然ガスプラント建設等で実績のあるアミン吸収法を採用します。また、いっそうの高効率回収が期待でき、清掃工場以外の分野での適用も期待される膜分離方式などの開発にも着手しております。
さらに、当社はCO2回収技術に加え、CO2の利用技術(ケミカルリサイクル)についても種々の実証試験を行う予定です。例えば、水素と反応させメタン(CH4)を生成することでメタンガスとしての燃料利用が可能になります。また、様々な化学製品の基となるメタノール(CH3OH)についても、貯蔵・輸送・利用に便利な常温・常圧の液体への転換にも注目が集まっており、最新の技術開発分野として研究開発を加速します。
当社は、地球温暖化対策に資する多数の技術を有しており、なかでも清掃工場のEPC(設計・調達・建設)では、超高効率発電や全自動化などによる温暖化ガス排出抑制技術を確立してきました。
今後当社が建設する清掃工場は「CCU-Ready Plant(CCU適用準備施設)」を標準とし、さらに地域の状況に合わせ適切な回収CO2の活用法を提案するなど、低炭素社会の形成に貢献してまいります。
*1 東京都三鷹市と調布市が設立した一部事務組合であるふじみ衛生組合(東京都調布市深大寺東町7丁目50番地30)が整備した清掃工場で、当社がEPCを担当し、20年間の運営業務も担っている。
*2 ごみに含まれるバイオマス分がカーボンニュートラルとされている。

CO2有効利用システムの全体フロー図(イメージ)
J&T環境(株)
食品バイオガス発電事業会社を子会社化
~J&T環境がリサイクル事業で中京地区へ初進出~(1月18日)
JFE エンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)のグループ会社であるJ&T環境株式会社(社長:露口哲男、本社:神奈川県横浜市)は、株式会社バイオス小牧(本社:愛知県小牧市)の全株式を、その100%株主であるアーキアエナジー株式会社(本社:東京都港区)より取得しました。同時に合同会社小牧バイオガス発電所の全持分を一般社団法人バイオガス発電より取得し、両社をJ&T環境の完全子会社と致しました。
バイオス小牧は名古屋市をはじめ小牧市周辺から排出される食品廃棄物のリサイクルを行うため2016年に設立、その発電事業を担うため小牧バイオガス発電所が2017年に設立され、食品バイオガス発電事業実施に必要な許認可を取得しています。
J&T環境は、両社の事業を引き継ぎ2021年度上期中に食品リサイクル・バイオガス発電プラント建設工事に着手し、2022年度下期の営業運転開始を目指します。
新設する施設は、一日最大120t の食品廃棄物の処理過程で発生するメタンガスを燃料に発電を行います。発電出力は最大1,300kWで、年間想定発電量は最大11,000MWh(一般家庭約2,500世帯分)を見込みます。
愛知県内におけるJFEエンジニアリンググループのバイオガス発電事業としては豊橋バイオウィル(発電出力1,000kW)に続き2か所目で、J&T環境にとっては中京地区初進出となります。
JFEエンジニアリンググループは今後も、地産地消型の再生可能エネルギー発電事業を推進し、脱炭素社会づくりに貢献して参ります。
■建設予定地
所在地:愛知県小牧市大字下末字野本
■株式会社バイオス小牧 会社概要
(1) 所在地 (本社)名古屋市中村区名駅三丁目28番12号大名古屋ビルヂング30階
(工場)愛知県小牧市大字下末字野本
(2) 代表者 輿石 浩
(3) 事業内容 廃棄物処理業(バイオガス製造)
(4) 資本金 500万円
(5) 設立年月日 2017年3月30日
(6) 出資者 J&T環境 100%
(7) 株式取得日 2020年10月28日
■合同会社小牧バイオガス発電所 会社概要
(1) 所在地 東京都中央区日本橋二丁目1番14号
(2) 業務執行社員 J&T環境株式会社
(3) 事業内容 バイオガス発電等の再生可能エネルギーによる発電事業及びその管理、運営並びに電気の供給及び販売に関する業務
(4) 資本金 200万円
(5) 設立年月日 2017年7月14日
(6) 出資者 J&T環境 100%
(7) 持分取得日 2020年10月28日
■(参考)アーキアエナジー株式会社 会社概要
(1) 所在地 東京都港区虎ノ門1丁目13番1号
(2) 代表者 植田徹也
(3) 事業内容 都市型バイオガス発電所開発のためのコンサルティング・エンジニアリング事業
(4) 資本金 8,800万円
日本通運(株)
日通、海外引越の作業に専用タブレットを導入
~音声入力を活用し、作業効率を向上~(1月12日)
当社は、労働力不足や総労働時間短縮など、物流現場が抱える課題解決に向けた生産性向上および作業品質のさらなる向上の取り組みとして、1月12日(火)から海外引越の作業に専用タブレットを導入します。
国際間の輸送を伴う海外への引越では、梱包した箱ごとに梱包明細書を作成し、税関へ輸出申告する必要があります。従来は、作業スタッフがお客様宅で梱包作業を行いながら手書きで明細書を作成し、作業終了後、その明細書をもとにシステムにデータ入力を行っていました。
今回当社で開発した専用タブレットは、引越作業の現場で直接システムへ梱包明細を登録することが可能となります。専用タブレットを活用することで作業時間の短縮とともにより高品質なサービスを提供いたします。
■専用タブレットの特長
音声認識機能を搭載しているため、梱包作業で両手がふさがった状態でも入力作業が可能であり、梱包明細書の作成時間が短縮します。
引越作業の現場で梱包の内容をタブレットに入力することで、作業終了後のシステムへのデータ入力作業が解消されます。
輸出先の国ごとに輸入制限品や禁止品が細かく規制されていますが、システム上で制限品を入力するとアラームが鳴り、禁止品は登録ができない仕様となっており、制限品や禁止品の混入を防ぎます。
作業指示書の参照やお客様の受領署名がタブレット上で可能となり、個人情報の保護管理の強化やペーパーレス化の推進に寄与します。
■今後の展開
作業開始前の床や壁のキズのチェックや、貴重品の保管確認の事前チェック機能、お客様宅でお預かりした荷物のトラック積込時や倉庫到着後に行う個数チェック機能など利便性の高い機能の開発を進めます。
当社では、物流現場を取り巻く厳しい環境の中、今後も生産性および作業品質の向上を目的として積極的に新しい技術やツールの導入に取り組み、効率化や省力化に努めてまいります。

導入するタブレットの画面

タブレットを使用した作業の様子
昭和電工(株)
ハードディスク用アルミニウム基板の能力増強を決定(1月12日)
昭和電工株式会社(社長:森川宏平)は、ハードディスク(以下、HD)事業強化のため、当社の連結子会社である昭和電工HD山形(以下、SHDY)において、HDメディア用のアルミニウム基板生産設備を増強し、供給能力拡大を図るとともに、サプライチェーンを分散・強化することを決定いたしました。これにより当社グループにおける生産能力は現状から3割向上することとなります。
なお、本施策は、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」(以下、補助金)の対象事業として採択されました。
第5世代移動通信(5G)のサービス開始、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及やテレワークの浸透、デジタルトランスフォーメーションの進展・拡大などにより、データ通信量は今後とも飛躍的に増大することが見込まれています。それに伴いデータセンター向けハードディスクドライブ(以下、HDD)の需要が大きく拡大しておりますが、HDDのキーパーツであるHDメディアに使用するアルミニウム基板は、需要拡大に応じた安定的な供給能力確保が課題となっております。また、現在当社はアルミニウム基板をマレーシア、台湾および国内の3か所で生産しておりますが、その供給能力の多くがマレーシアに集中しているため、世界的な新型コロナウイルス感染拡大等に対して、より安定したサプライチェーンを確保する必要があります。
今般、これらの解決のため、国内拠点であるSHDYにおいてアルミニウム基板の設備を増強し、供給能力拡大と更なるサプライチェーンの分散・強化を図ることとしました。なお今回の設備増強は、2021年2月に着工し、2022年初頭の量産開始を予定しています。
当社グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)としており、HD事業を当社の個性派事業の一つと位置付けています。世界最大のHDメディア外販メーカーである当社は、今後も“ベスト・イン・クラス”をモットーに、世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入して、拡大・進化を続けるデジタル化社会を支えるとともに事業拡大に努めてまいります。
旭化成(株)<川崎市内での取り組み>
当社の川崎製造所 合成ゴム製造部がEcoVadis社のサステナビリティ調査で「ゴールド」評価を取得(1月12日)
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)の製造統括本部川崎製造所合成ゴム製造部(神奈川県川崎市)は、2020年12月にEcoVadis社(本社:フランス)*のサステナビリティ調査において、全評価対象の上位5%に相当する「ゴールド」評価を獲得しましたのでお知らせします。
当該調査は「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野において、企業のサステナビリティへの取り組みを評価するものです。当社はその中でも「環境」と「労働と人権」に関して特に高い評価を受けました。
EcoVadis社の評価は持続可能性に関する国際的な規格に基づいており、評価対象企業は世界160カ国、200業種、75,000社以上に及びます。そして企業のサステナビリティに関する取り組みを評価する客観的な基準として、このEcoVadis社による評価を認める動きが世界的に広がっています。
旭化成グループは、グループを挙げてサステナビリティ推進活動に取り組んできました。今回の評価結果を糧に一層取り組みを強化し、「持続可能な社会」実現の一翼を担ってまいります。
富士電機(株)
盤の省スペース化に貢献
監視制御システムにおける入出力装置(I/O装置)の刷新について(1月5日)
富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、産業プラント向け監視制御システムの構成機器であるI/O装置を刷新しましたので、お知らせいたします。
1. 背景
鉄鋼、化学、セメント、ごみ処理等の産業プラントでは、プラントの安定・安全操業や省エネが求められます。これを実現すべく、設備の稼働監視や制御、エネルギーの利用状況の管理などを行うのが監視制御システムです。
本システムは、計測・駆動機器などのフィールド機器、コントローラ、I/O装置*1等で構成されます。主に、フィールド機器は、生産ライン等において流量、圧力などの測定やモータの駆動を行い、コントローラは、フィールド機器を制御します。フィールド機器は生産現場にあり、一方、コントローラは生産現場から離れた場所に設置されることが多いため、I/O装置がそれらを中継する役割を担います。
近年、産業プラントでは、IoTやAIを活用した設備の劣化診断や故障予知を行うために、現場の情報収集を行うフィールド機器とI/O装置の設置数が増加しています。これに伴いI/O装置を格納する盤の設置スペース削減が課題となっていました。
今般、当社は監視制御システムを構成するI/O装置を刷新。お客様の盤の省スペース化を図るとともに、メンテナンス時の安全性を向上させました。
*1 各種データを入力または、出力する装置
2. I/O装置の特長
1)盤1面あたりの搭載数が増加し、盤の設置面数を削減
I/O装置は、流量や圧力、モータの駆動状況などのデータの入出力信号処理を行う「I/Oモジュール」と、盤外のケーブルとI/Oモジュールを接続する端子台「MTA*2」からなります。
今回刷新したI/O装置は、1構成に実装できるI/Oモジュールの数を、従来の8台から10台に増やしました。さらに、I/OモジュールとMTAをコネクタで直接接続することで省配線化し、盤1面あたりの構成数も4から5に増加。これらにより盤1面に搭載できるI/Oモジュールが従来の32台(8台×4構成)から50台(10台×5構成)に増加することで、盤の設置面数を33%減らす*3ことができます。これによりプラントにおける盤の省スペース化に貢献します。
*2 Marshalling Terminal Adaptor
*3 3面必要であった場合、2面に減らすことが可能(当社試算)
2)二重化で、メンテナンス時の安全性を向上
二重化とは、機器やネットワークなどを2系統にすることで、1系統に不具合が生じても残りの1系統の稼働を継続させ、システムの信頼性を高める手法です。
従来は、両系統のI/Oモジュールを1構成につき1つの電源で動作させており、電源がオンの状態でメンテナンスを行う必要がありました。このため、プラント動作中に電源を停止させてしまった場合、両系統のI/Oモジュールが機能せず、プラントが正常に動作できなくなる恐れがありました。今回、系統ごとにI/Oモジュールを電源に接続することで、メンテナンスが必要な系統の電源をオフにして安全に作業を行うことが可能になりました。

監視制御システム構成(イメージ)
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